現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

有機栽培「コシヒカリ」の稲刈り開始とデジタルの台秤


18日(土)
 もうしかし9月も18日なんだなぁ。知らないうちに(笑)。
 台風14号は心配したが、このあたりでは大きな被害はなかった模様でありがたい。米農家としては、時期が時期だけにいろいろあれこれ心配しましたが、お昼前に田回りをしましたけれど、大丈夫でした。

 午後は籾擦り。それから米の出荷。

 新しいデジタルの台秤を注文しておいたのが届く。早速使ってみる。まだ取説も読んでいないので、重さを量るだけだったけれど、いろいろ機能がついているようです。
 もう7、8年前にいや、もっと前かも。先輩のTさんのところにある大豆の色彩選別機を借りて作業していたら、デジタルの秤があったんです。まあ、家庭用の体重計とかデジタル秤になっていましたが、農業の現場で見るのは初めてだったので、「あら、デジタルですね!」というと。「わしもな、デジタルみたいな、いらんと思ったんやけどな、使ってみると、やっぱり便利なんやわ。あはははは。」とおっしゃっていたのを覚えています。
 うちも米の袋詰めの計量は、流れ作業になっていますから、デジタルで米の袋の重さが30.64kgになるとピタッと止まる、というシステムになっています。
 昔ながらの台秤も使っています。おもり(分銅?)を乗せ、目盛り竿に合わせて指標を動かして、竿が動いて浮き上がるところが、要するに天秤の要領で重量を示すという秤ですね。今使っている秤は僕が小学生の時にはありましたから50年以上は現役で使ってきている秤です。まあ、物理的には天秤の要領ですから、壊れようもないんです。で例えば最初から30.6kgに合わせ置けば、30.6kgになったら目盛り竿が浮き上がりますから、まあわかりやすいですね、原理的に。
 でも、どれくらい足りないのか、どれくらい多すぎたのかがはっきりとはわかりませんから、微調節に時間がかかります。ええ、それで長男が去年からデジタルの秤を買おう、と言っていたのです。ええ、若い人の意見は聞かないといけませんから、この秋から使おうと注文しました。初めて知りましたが、秤って値段がいろいろなんですな。うーむ。当たり前か。
 当然ですがデジタルの秤の方が寿命は短いでしょうな。50年は使えそうもない。10年も無理か?






19日(日)
 朝から晴れる。気持ちのいい朝。今日からいよいよ有機栽培の「コシヒカリ」の刈取りです。
 今日は一番ヒエやらクサネムやらが生えてしまった田んぼなのでちと時間がかかりました。でもクサネムは一度コンバインに取り込んでしまうと、なかなか抜くことが出来ないので、できるだけ丁寧にコンバインに入らないように刈ったり抜いたりして歩きました。コンバインを操縦する長男も気をつけてくれました。でも稲より大きく伸びたやつは見つけやすいのですが、稲より低いのはなかなか見つけられないので、どうしても入ってしまいます。色彩選別機もあるので、それもかなり抜いてくれますが、でも色選も100%ではないので。

 明日は敬老の日ですが、うーむ、意外な日でした、今年は(笑)、秋の彼岸の入りでもありますね。秋分の日のお彼岸は23日ですが、このあたりでも彼岸花が賑やかになっています。ええもちろん一人生えのやつですからそれほど群落にはなっていませんが。
 籾を運ぶときにちょこっとスマホで撮りました。普通のカメラがあったらよかったんだけど、バタバタ動いているのでそうもいきません。

20日(月)
 今日も有機栽培「コシヒカリ」の稲刈り。さっき乾燥の終わった籾を一掴み擦ってみたけれど、いい感じでピカピカでした。玄米。むふふふ。

有機JAS認証の現地調査と畦畔の草刈りと


17日(金)
 今日も今日とて五時起床。乾燥機で籾の乾燥具合を確認する。もうこの時期なので田んぼで籾は乾燥が進んできているので、稲刈りして籾を乾燥機に入れる時点で水分は20%ほどになっています。農協へ出荷するには15%以下(14.5%以下)にしないといけませんが、朝五時にはすでに乾燥が終わって乾燥機が止まっているのですが、手持ちの水分計で計ってみると16%台だったりするのです。やれやれ。で乾燥機の方を調整して再度動かす、ということをここ連日やっています。うーむ。
 上の写真は16日の稲刈りの時のもの。コンバインが軽トラのコンテナに籾を吐き出しています。この籾を乾燥機に入れて14.5%に乾燥させます。

 今日は有機JAS認証の現地調査ということで認証機関から調査員のFさんに来ていただいて、申請書のチェックや実際の圃場の様子を観てもらう。去年に続いて二回目。初めてだった去年と比べると私の方も慣れて、しっかりした申請書が書けたようでありがたい。今年はまだ有機JAS認証の圃場の稲刈りはしていないので、田んぼの様子も観てもらう。農薬不使用だし、緑肥なので、なかなか安定しないのですが、「これなんか慣行栽培の圃場と言ってもわからないくらいですね。」といくつか雑草の少なさを褒めていただく。いや、でもそうでもない圃場もあるのですが。
 でも今年も、有機のお米が楽しみになってきている今日この頃ということです。

 その後、母に「じいちゃんが家の前の田んぼの草を刈ってほしいと言うてやんす。」と言われたので、畦畔の草刈りにでる。父は年齢も年齢なので、必要なときは僕が草刈りはするので、勝手に刈払機は使わないように、と言ってあります。まあ父は小学生の時から農業をしているので、刈払機など慣れたものではあるのですが、農作業事故で一番多いのは刈払機での事故だし、二年ぐらい前にやはり危なっかしいのを見ていられなかったのでした。使い慣れた機械を子どもに使うのをやめさせられる、というのも、まあ、確かにつらいことだとは思います。自動車運転免許証の返納も去年だったかにしてもらったし。でもなにか事故が起こってからでは遅いんだしなぁ。でも好きなときにクルマで買い物などに出かけられないというのは、特に田舎では、ストレスにはなるでしょうね。僕が孝行息子で、長男が孝行孫なら、とも思いますが、なかなかそうも行かないんだなぁ(笑)。

 台風14号が来るというので、午後は雨の予報だったが、雨はほとんど降らず、たまに風に雨粒が混じる程度。それで長男とまだ尻水戸を切っていなかった圃場の尻水戸を切り、続いて新田地区の畦畔の草刈りに出る。
 新田地区は住宅地になってけっこうまわりに家があるのだが、草刈りの時にうちの田んぼの畦畔の裏にイシガメがうずくまっているのを見つける。20cmほどもあるわりと大きなカメ。草刈り機を近づけてブンブンいわせているのに、イシガメはまったく逃げないというか、動かない。かわいそうなので捕まえて持ち上げて記念撮影することはやめたけど。もう冬眠?いいねぇ、お前は。

 昼のうちに父が雨戸を4枚途中まで出してきていたので、夜になってから雨戸を4枚はめる。

18日(土)
 雨戸を入れたけれど、今のところ雨風はたいしたことがなくてありがたい。午前中は雨の降る可能性があるらしいが、今は上がっています。
 午前中は昨日までの事務仕事で机まわりが散らかっているので、きちんと整理するつもり。午後は籾擦りか。


 最近は自分の音源だけでなく、YouTubeでも落語を聴くことが増えました。でも漫才はそうでもなくてナイツとサンドイッチマン博多華丸・大吉ぐらいしかYouTubeで聴いていない。あら?関西の漫才師がいないじゃないか、と言われそうだが、うーむ。そういえば中川家はときどき聴くかな。ほとんど僕は夜、蒲団に入ってからイヤホンで聴きつつ眠るというスタイルなのでYouTubeの画面はほとんど観ていない。その点動きの多い漫才やコントは敬遠してしまうのだろう。昨夜は博多華丸・大吉の漫才を聴いていた。この二人の漫才はおもしろいがネタの種類としてはそんなに多くないのかもしれない。YouTubeにはたくさん上がっているが、同じネタが多い。まあでも何度聴いても笑えるのだが。「児玉清」「川平慈英」のモノマネが不動の人気だけれど、僕はときどき投げ入れられる博多華丸さんの名言風、格言風の言い回しにいつも笑っている。10個くらいすぐに思い浮かぶが、ネタだから書き上げるのはどうかと思うけれど、もう古いネタだし有名なので、一つだけ。「腰痛持ちと女の一人旅は足を伸ばしたがる」。僕がときどき腰痛が出たりするからかなぁ、シャレてますなぁ(笑)。

 平田仁子『原発も温暖化もない未来を創る』(コモンズ)が届く。2012年の出版だけれど、さっきチラチラと読みはじめたらいろいろおもしろい。ちょっと勉強するつもり。

籾擦りと稲刈りの日々と慣行栽培の「コシヒカリ」の稲刈り終了


14日(火)
 午前中は籾擦り。午後は雨で骨休め。でも今となっては何をしたのか何も覚えていない(笑)。たぶん少しネットを見て、ゴロリと本を読んでいるうちに昼寝だったと思う。

15日(水)
 午前中は農協にくず米の出荷。軽トラで二回往復する。ライスセンターで今年の米の出来についてあれこれ情報交換。それから先日の雑草の多かった圃場のヌカ(もみ殻)は雑草が多かったので、田んぼに撒かず、田んぼの真ん中で焼く。
 午後は稲刈り。慣行栽培の「コシヒカリ」だが、草もよく抑えられていてきれいな田んぼ。なので稲刈りもすこぶる快調。
 夕方、ヌカ捨て。


16日(木)
 朝、ビビ号と久しぶりに散歩。ヒガンバナが咲きはじめていた。やはり今年はすこし早め。
 午前中は籾擦り。

 午後は稲刈り。このところ毎日、日の出前に起き出して前日に刈った籾の乾燥の具合を確認しているだが、台風14号がながらく停滞してほとんど動かずにいたのですが、急に偏西風に乗って西へ動き出すことになったようで、明日は午後から雨の予報になっている。風も吹くらしいし、ひょとすると雷も鳴るらしい。やれやれ。まあ、台風ですからね。温帯低気圧に変わるかもしれないという噂ですけど。

 それで今日はコンバインがあちこちで動いていましたが、みなさん、どことなくあわただしい様子。今はまだ「コシヒカリ」の稲刈り時期なので、雨と風で倒れてしまってはその後の作業が格段に面倒になりますからね。それでうちも長男と相談して慣行栽培の「コシヒカリ」を刈ってしまうことにしました。うちの乾燥機は一台だけなので40aほどの面積分ぐらいしか入りません。で、残りは農協のカントリーに持っていくことにしたのです。ところが農協のカントリーの荷受け時間は去年はまでは18時までだったのですが、今年から17時までということになったようです。(なんでも労基法の関係だそうです。ま、わかるけど、でも農家はこの時期、天気が良ければ日の出から日没まで動き回っているのに、そりゃないよ、と言いたくなるのは私だけではないはず。)まあ農業関係者どうし、お互い気持ちよく、気分よく働きたいので決まりは出来るだけ守らないといけませんね。でもざっと計算すると30分ほどオーバーしそう。その旨、早めに伝えると「いいですよ。かまいませんよ。明日は雨ですしね。」ということだったので、急いで刈取り、急いで運搬。5回搬入。17時30分に「これで最後です。終わりました!」と言うと「お疲れさまでした!」とすかさず返事があり、「おそなりました。ありがとうございました。」と言って帰ってくる。なんとか無事に慣行栽培の「コシヒカリ」の刈取り終了。うれしい。このあとはいよいよ有機栽培の「コシヒカリ」の刈取りになります。台風のあとの刈取りになりますが、頑張るぜ。

 夕方、ヌカ捨て。

 火曜日に半日骨休めしたはずなのに、身体中のあちこちに疲労が蓄積されている。うーむ。他にも書くべきことがあったような気がするが、思い出せない(笑)。

秋の稲刈りのルーティンと「豊作貧乏」と「正直貧乏」


11日(土)
 午前中は慣行栽培の新米の「コシヒカリ」を精米など。
 午後は稲刈りに出る。小さめの田んぼが続く。
 夕方、ヌカ捨て。

12日(日)
 午前中は籾擦り。
 午後は稲刈り。昨日に続いて小さい田んぼが続く。

13日(月)
 午前中は籾擦り。
 午後は稲刈り。

 カープは連敗で最下位に沈み、ちと苦しいが今日からはドラゴンズ戦。
 大相撲の九月場所が始まって、遠藤は前頭十一枚目で一勝一敗。宇良は前頭六枚目で二敗。

 12日付の中日新聞の滋賀版に近所の先輩農家の記事が載っていた。うーむ。
 先日、ガソリンスタンドで給油した際、スタンドのオニイサンと少し話をする。「ちょっと値段、下ったね。」「はい。一気に一昨日6円下ったんです。」「ほんま、それはうれしい。油がなかったら、田んぼの機械も動かんし。」「でも下った理由がね、南の方の店でちょっと競争しているからなんです。」「へえ、値下げ競争?」「はい。でもそのうちまた元に戻って上がると思いますので、今のうちに入れられるときは、どうぞ。」「でもガソリンなんて、生活必需品やから、コロナの影響もないやろ?」「いえいえ、大有りです。やっぱり外出や遠出を控えるでしょ?」「うーん、でもちょっとやろ、そんなん。」「その一人一人のちょっとが、積み重なりますからね。うちでもコロナになって、二割は確実に売上げは減りました。一年以上、ずっと売上げが二割減だとけっこうキツイですよ。滋賀に緊急事態宣言がでて、また少し落ち込みましたし。」「うーん、まあ、なぁ。そうなるわなぁ。」「農家はどうです?」「うちは相変わらず、ぼちぼちやけど、今年は少し肥料が足りなかったみたいやな。」「へえ、天気都合ですか?」「まあ、いろいろと。話せば切りがないけど(笑)。」「葉物野菜は・・・。」「このあたりはちょっと日照不足気味の影響はあるかも。」「ああ、やっぱり日照不足。」などと、給油しながらの立ち話をしたところでした。
 「豊作貧乏」は困るけれど、「正直貧乏」と思えば耐えられるのか。言葉遊びしている場合ではありませんが。でも新聞の紙面で「貧乏」という言葉を見るのはちょっとドキッとしますな(笑)。「貧乏」という言葉を耳にすると、志の輔の落語を思い出してしまうようになった。貧乏な家の玄関のチャイムを押すと「ビンボー」と鳴るのだそうです(笑)。

14日(火)
 曇り空。雨が降るのか?台風もなんだか進路が大きく東寄りに変わる予報になってますな。頼むぜ、14号、穏便に。

大豆に除草剤と稲刈り前の畦畔の草刈り


 朝早く起きる。無風なのを確認して、大豆に除草剤をまくことを決断。前回の散布の時、諸般の事情で散布せずに残しておいた圃場90aのうち80aに散布。10a分残したのは、すでに莢ができているので、あともう少しで枝豆として食べられそうなので、その分の一枚は散布せずに残したのです。今日の除草剤は収穫45日前までに使える薬剤です。大豆の収穫は11月なので、まだ50日以上はありそうです。でもほとんど無風状態だったので、ありがたかったです。
 無農薬の有機栽培はもちろんですが、慣行栽培の農協へ出荷する作物でもできるだけ薬剤は使わないようにしていますが、今年はこの時期の散布をすることにしました。去年まで二年続けて雑草でほとんど出荷できなかったので。今日散布しなかった一枚の圃場は10a弱なので、草刈りをしてなんとか出荷できるようにするつもりです。
 その後はセット動噴の後始末。薬剤を使うと、この手の後始末もしっかりきっちりしておかないと、次また別の薬剤を使うことになるかもしれませんから。なにかと気を使うことになります。

 午後は畦畔の草刈りに出る。自走式の畦畔除草機は長男にまかせて、僕は刈払機を使う。日没まで。これでまた少し稲刈りもしやすくなったと思うけれど、ま、またすぐ生えてくるんですけどね。

 草刈りをしていたら畦畔にニラが自生しているところで、コアオハナムグリがニラの花粉に頭をつっこんだまま動かずにいる。なんだかこの背中の模様が好きなんだなぁ。けっこう毛も生えているんだけれど、緑色に金色の模様がなんだかちょっと落書のようで好き。

雨上がりと籾擦りと田回りして田んぼの尻水戸をきること



9日(木)
 昨夕も夜中にも、けっこう家の中で雨の音が聞こえてくるほどの雨。朝、犬と散歩に出ると、稲刈りを終えた田んぼには水が溜まり、まだ稲のある田んぼも尻水戸から水が流れ落ちていた。

 午前中はまず精米機の掃除。ええ、あちこち分解して掃除。新米の精米に備えました。その後は籾擦り。
 午後も籾擦り。稲刈り二日分ですね。

 夕方から長男と田回りに出る。まだ切っていなかった田んぼの尻水戸を切って回って落水する。「コシヒカリ」はともかく中晩稲の「秋の詩」や「みどり豊」の尻水戸をどうしようかと迷ったけれど、まあ、これからは乾きにくくなるし、雨も降るだろうからと何枚かを残して概ね切ることに。

 ああ、畦畔の草刈りもしなくては。

 例によってカープのゲームを観ているうちにテレビの前で寝てしまう。リードをしていたけれど、目が覚めると12対5でドラゴンズに勝っていた。これで一気に4位に浮上って、まあ、全体からみると首位のタイガースに13ゲーム差ですからぜんぜん浮き上がってはいないけれど、毎日、いつもカープのゲームは気にしていてテレビの中継を観られないときでもアプリで試合の様子や結果はチェックしている。鈴木誠也が6試合連続ホームランで、好調です。1972年の王貞治と1986年のランディ・バースが7試合連続ホームランのプロ野球記録だそうです。明日からは首位のタイガース戦。直近の10試合では6勝4敗のカープが勝率は一番ですから、タイガースの首位も危ういぜ(笑)。パ・リーグもなかなか熾烈な争いになってきていますね。
 もっとも現在はカープ以上にエンゼルス大谷翔平選手の活躍にもう心奪われてしまっているのだが、まあ、記録はともかく、最後までケガなくシーズンを終えてほしい。

10日(金)
 ああ、もうこんな時間だ、寝なくては(笑)。ってさっきまでテレビの前で寝てたでしょ。

雨が降る前に稲刈りと『青い山脈』


8日(水)
 今日は午後は雨だという予報ですが、昨日刈った籾の乾燥は朝には上がっていたので、少し籾擦りをして乾燥の終わった籾をタンクに上げて、乾燥機を空にして稲刈りに出ました。スマホのお天気アプリは「11時から雨が降ります」というのと「13時から雨が降ります」というのと二種類ありました。まあ、急がねばなりません。でもなんとか予定通り稲刈りを終えることができました。途中何度も雨雲レーダーを眺めましたが、だんだん降り始め時刻は遅くなって、最後にみた時には「14時から降り始めます」に変わっていました。で、雨は15時ぐらいからポツポツと降り出しました。

 今井正監督『青い山脈』(1949)を観る。うーむ。1949年の7月公開ですからね。1945年の終戦で、1947年に石坂洋次郎が原作を発表し、1949年に映画が撮られて公開されました。なるほど。えー、例によって石坂洋次郎の原作は未読です。で、映画は、最初の30分間ほどは、なんだかなぁ、と思っていましたが、だんだんおもしろくなってきて引き込まれました。私の生れる前の、戦後すぐの原作であり映画ですから、今から観るとツッコミ処満載の、笑える映画でもあるのですが、戦前、戦中の封建的な世の中で暮らしてきた人々が、戦後の世の中で「男女交際」について話し合ったりする映画です。新しい憲法が1946年に公布、1947年に施行されました。そういう戦後の民主主義の流れの中で石坂洋次郎今井正も、あれこれ考えたんでしょうね。あ、いや、映画の中には新しい憲法なんてことは一切出てこないんですけどね。
 しかし、こういう映画だとは知りませんでした。原節子龍崎一郎池部良杉葉子木暮実千代も、それから藤原鎌足も、ちょびヒゲの三浦雅夫も頑張っています。
 ええ、有名な大ヒット作品ですが、初めて観たんです。でもかねがね『青い山脈』の噂は聞いておりました。藤山一郎の主題歌の、いささか下品な替え歌で。
 初めて聞いたのは、大学生の時の下宿の隣の部屋の先輩の部屋で何人かで飲んでいたとき。先輩が酔いつつ披露してくださいました。

     ♪乳も膨らみ毛も生えて 私も大人になりました
      青いパンティ 膝まで下ろし
      早くして 早くしないと ママがくる~

 これが一番で、もうこのときにゲラゲラ笑っていたのですが、いきなり二番が、

     ♪ママが来ましたママが来た 私も仲間に入れてよね

と始まります。一番の「♪早くして 早くしないと ママがくる~」で、ウカッと笑っていたら、「♪ママが来ましたママが来た」という思いのほかの展開、これがツボで、ヒー、ヒー笑いました。そしたら三番が・・・、

     ♪パパが来ましたパパが来た・・・

と続くのです。ま、こう書くとバカバカしいですが、いや、ほんとにバカバカしいのですが、ヒーッ、ヒーッ、と息が出来なくなるほど笑ったのを覚えています。ええ、洗礼を受けたのですね。春歌の洗礼を。私も若かった。

 そのあとすぐに別のコンパというか飲み会で『リンゴの歌』の替え歌春歌も教えていただきました。♪リンゴの「リ」の字を「ウ」に替えて!という間の手が入る有名なやつです。当然、これも二番で「リ」が「ウ」に変わっただけでなく、三番では「ウ」が「チ」に変わり、四番では「チ」が「マ」に変わるのは必然です。これも状況をよくわかった第三者というか、観客が間の手を入れる、という手法に驚かされ、これまた最初、ヒーッ、ヒーッ、と息が出来なくなるほど笑いました。

 いや、西條八十作詞、服部良一作曲、藤山一郎奈良光枝の歌という堂々たるヒット曲には申し訳ないのですが、やっぱり『青い山脈』といえば思い出してしまうなぁ。ええ、映画も歌も偉大だということでしょうな。ええ、そう申し添えて映画と歌へのリスペクトとしておきます。
 しかし、なんですな。このコロナ禍では、『青い山脈』や『リンゴの歌』の替え歌を飲み会で放歌している若い諸君も皆無なんでしょうか。はやく収まってほしいです。え?今どき、そんな替え歌を飲み会で放歌している若い人は40年前からいません、てか?うーむ。そうかもしれませんね。私も学校を卒業してからは聞いたことがない、と思っていたら思い出しました。35年ほども前、職場の慰安旅行で温泉に泊まったとき、先輩のAさんが、カラオケでこの曲を入れて、替え歌バージョンで歌ったのを思い出しました(笑)。まあ、でも『青い山脈』の元歌を知らないと、替え歌も歌えませんね。
 そういえば映画の中では「青い山脈」という言葉は一度も出て来なかったような気がします。ま、夏の山は青いですね。そんなこと当たり前じゃないか、とおっしゃるかもしれませんが、大人になって自分で水彩で絵を描いてみるまでは気がついていませんでした。木が生えているんだから、緑色だろう、となんとなく思ってましたが、遠くの山々は実際に青く見えるんですね。

9日(木)
 昨夕も夜中にも、けっこう家の中で雨の音が聞こえてくるほどの雨になりましたが、朝は静かな雨になっています。
 午後は晴れてくるという予報です。