現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

大洲斉監督『ひとごろし』と田植え日和と直播きの入水と伊藤比呂美『

大洲斉監督『ひとごろし』(1976)

20日 (日)
午前中は出芽機の中の「コシヒカリ」の苗箱を苗代に並べる。
ちょっと早めの昼食をとり、午後は田植え。昨日とはうって変わって、苗代日和、田植え日和。
夕方は田回り。ああ、日の出とともに動き出したわけではないけれど、日没まで仕事して、心地よい疲労感(笑)。


夜、大洲斉監督『ひとごろし』(1976)をiTunesで観る。1976年は中学三年生?主演は松田優作。テレビドラマの『太陽に吠えろ!』で有名になった後ですね。先日、高橋源一郎がラジオでこの映画を取り上げて話していたので、観てみたのですが、予想以上にポップな感じの演技でした。丹波哲郎は重厚な演技してましたが。なるほど。のちのち松田優作の軽妙さに通じていくんでしょうね。『探偵物語』の工藤ちゃんとか。
ラストシーンは確かに印象的ですね。松田優作の顔というか表情の変化が。
若い高橋洋子が出ています。確かにカーリング藤澤五月さんに似てますな。って、藤澤五月さんが若い頃の高橋洋子に似ているんだけれど。高橋洋子は僕が学生の時に『雨が好き』という小説を書いて新人賞をとり話題になりました。(本屋さんで10ページほど立ち読みして、買わなかったんですが。)というようなことを覚えていたりするので、おわかりでしょうが、なんとなく好きな女優さんだったのです。学生時代は角川映画薬師丸ひろ子原田知世が人気だったので、そんななか、なにかの時に、好きな女優を訊かれて、「高橋洋子?」と何故か尻上がりの疑問形で返事した私は、女子からは引かれ、男子からは笑われたのでした。僕は薬師丸ひろ子は好きだったのですが、ま、そういう普通の応え方に抵抗があったのでしょうね。ええ、若さ故。それにしても僕はいったい高橋洋子のどの映画やドラマを観てファンになったのか?それがどうも思い出せないのだが・・・。



21日(月)
今日もいい天気でありがたい。朝から田植えして、16時まで。16時からは2時間ちょっとで小さい田んぼ4枚の「尻踏み」をする。その後田回り。
田植えの途中で、直播きの田んぼに入水する。今日で6日目。ちょっと芽が出てきている。きちんと揃っているわけではないが、見えないだけで土のの中では芽を出してきているだろう、ということで水を入れました。天気がいいので薄水にしておけば、水温も上がって芽も伸びてくるのではないかと思います。



22日(火)
朝一番に田回りをして、昨日入水した直播きの田んぼに除草剤を投入。直播きなので苗のアドバンテージもなく、籾の発芽も雑草の発芽もほとんど同時スタートなので、・・・。まだどうなるかわかりませんが、順調に揃って芽を出して、安心したいところなのだが・・・、ま、そうもうまくいかないような気がする(笑)。


17日に播種した「コシヒカリ」を20日(日)に苗代に並べて二日目。いい感じで緑化してきています。


その後午前中は「尻踏み」。午後は出芽機を片付ける。それから夕方からまた「尻踏み」に出る。午前中はほとんど無風でしたが、午後からは南よりの風がけっこう強く吹きました。


そう言えば思い出したが、朝の散歩の時にソメイヨシノのサクランボを見つけました。ひとつ食べてみました。口に入れるとサクランボの風味が鼻に抜けましたが、甘酸っぱさより渋味が勝っていました。もう少し黒く熟すまで待たねばならないのかもしれない。でも黒く熟しても品種が違うのでおいしくはないという話もありますね。でも僕が中学生の時、校庭の隅にたくさん植えられていた桜(ソメイヨシノ)のサクランボをウマイウマイとたくさん食べた記憶があるのですが・・・。うーむ。やはり青春はそれだけで甘酸っぱいのかもしれない。




田植え後、半月になった圃場。苗がピンと立ってきていて、観ていて気持ちがいい。細植え、浅植え、浅水で管理してきました。



23日(水)
朝から雨。思っていたより雨粒が小さくて、(だって昨日は天気予報で本降りです。ところによっては雷雨も。なんて言っていたのです。)昨日はこの雨を思って、水を入れずにおいた田んぼもあったのに、これではちょっと期待外れの雨量で、水を入れて回ったりする。
そんなこんなで雨でしたが、朝から夕方まで、長男と交替でトラクタに乗って「尻踏み」する。


北関東シリーズのジャイアンツ戦のカープ。ラジコのエリアフリーで広島のRCCラジオで、少しだけ聴く。昨日は宇都宮球場で0対8でやられたが、今日は雨のひたちなか市民球場、初回に5点をとって、9対3で勝つ。北関東シリーズのジャイアンツ戦は日本放送がラジオ中継をやっているので、実況や解説がジャイアンツ寄りに寄りに寄っている。それをそのまま広島のRCCラジオが流しているのだが・・・。大丈夫なのか?


22日の日本農業新聞のコラム。なんだかなぁ。



なにが悲しいって、老眼になって、昼間はともかく、夜はいよいよ老眼鏡なしでは新聞はもちろん、本も、スマホも、文字を読むのがしんどくなってしまったことだ。iMacの文字は画面が離れているので、読めるのはありがたい。
そんなこんなで読書がすすまないのだが、伊藤比呂美『父の生きる』(光文社文庫)が、もうすぐ読み終わる。「詩人・伊藤比呂美が日本とアメリカを往復する遠距離介護を通して“私が頼りにもしてきた”父の最期に寄り添い切った三年半の記録」と文庫のカバーの裏に書いてありましたが、これはなかなかあれこれ思いが膨らむよい本でした。
なるほどなぁ、でもカリフォルニアと熊本とを往復しながらの介護や毎日の電話など、なかなかマネできないような介護ぶりです。そうしてやっぱり詩人の人間観察のすごさに心打たれたりしています。タイトルの『父の生きる』の「の」がいいですね。