現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

八勝七敗は宇宙の摂理


朝から大豆の選別。午後も大豆の選別。
一日快晴の良い天気。ありがたいことでした。夕暮れも西の空のオレンジから東の空の青黒い濃紺まで美しい空でした。


午前中の大豆の選別で桂米朝さんの『百年目』をしみじみと泣きそうになりながら聴いていたからか、お昼ご飯のときに中日新聞の朝刊のコラム「中日春秋」を読んでいたら、またじわじわときてしまった

 スター選手の圧倒的な強さは確かに眩(まぶ)しい。けれど、こういう微妙な記録にも妙に心惹(ひ)かれる
▼この日曜日が千秋楽だった大相撲九州場所で、“新記録”を達成したのは魁皇関である。何と、今年の六場所すべてを同じ八勝七敗の成績で終えた。年六場所制になった一九五八年以降、幕内では初めてという▼好記録かそうでないのか微妙だ。大関である以上、本人の言う通り「褒められた数字ではない」かもしれない。だが、全場所をきっちり勝ち越したとも言える。そして、この黒星より白星が一つだけ多いという勝ち越し方がまた微妙である▼思いだしたのは、過日、宇宙物理学者の池内了さんに聞いて、ようやくのみ込めた気になっている話だ。宇宙誕生の時、「物質」と、反対の性質を持つ「反物質」なるものが生まれた。これが同じ量なら、ぶつかりあって光になり全部消えておしまい▼だが、幸いというべきか。壊れ方が少し違い、たった十億分の一だけだが「物質」が多く残ったらしい。即(すなわ)ち、この銀河もわれわれ生物も、とにかく、今あるすべてのものは、この、いわば「物質」の微妙な“勝ち越し”のお陰で存在しているようなのである▼人生も全勝とは到底いかず、泣いたり笑ったりだ。それでもきっと笑いが微妙に“勝ち越し”てくれると信じたい。実に、八勝七敗とは、宇宙の摂理なのかもしれない。

二度、三度と繰り返し読みました。八勝七敗は宇宙の摂理、なんだか七転び八起きのようでもありますね。
でもまあ八勝七敗は宇宙の摂理かもしれない、と書くコラムの記者がいくつなのかわからないですが、若いうちは八勝七敗説に納得できないでしょうね。そういう気がします。世間は八勝七敗と思っているかもしれないけれど、俺は十三勝くらいはいくぜ、とかなんとか。また逆に二勝か三勝しかできないのではないか、と思ったりするかも。


帳尻をあわすとか帳尻があうとか、いい意味で使うのか悪い意味で使うのかよくわかりませんが、歳を重ねてくるうちにどこからともなくそういう感覚が身にしみ込んできますね。まあ、まだまだ自分で帳尻を合わすことはできないですけれど、知らないうちに帳尻が合っているというような感じは何となく感じています。たぶん年取ったということでしょうなぁ。いや、でもなんとなくトランプのゲームのように、マイナスばかり集めると一挙にブラスに転じて一発大逆転というのもあるぜ、というムードも胸の中にあるような気もするのですが。
しかし、この記録を魁皇関がつくったというのも、どことなくしみじみさせますね。モンゴルからやってきた力士にずーっと頭を押さえられ続けている大関ですからね。新記録はつくったので、初場所では優勝争いにからむ活躍をしてもらいたいです。