現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

畦畔ブロックの裏をきれいにする

今朝の桜の蕾

5日(火)
終日、よい天気。
午前中は畔塗りに出る。湿田を中心に少し畔を塗る。
午後はトラクタに片培土板を付けて畦畔ブロックの畔裏に残っている草をとりやすくするために溝を切る。
夜はすごく眠くなって9時過ぎに寝てしまう。



6日(水)
今日も終日よい天気。
で、終日、昨日つけた溝を利用して、畦畔ブロックの裏の草をスコップでへずるようにしてとる。
普通、畔は土を盛って作ってあるのだが、土だとくずれたりモグラやネズミに穴をあけられたりするというので、畦畔ブロックというコンクリートの板を立てて畔にしてある田んぼを少し作っている。普通は高低差のあまりない田んぼの畔なんかに使われることが多いようなのだが、このあたりのように隣の田んぼとすこし高低差があったりしても畦畔ブロックが入っている田んぼがある。まあそれはそれでいいのだが、ひとつ問題は相手がコンクリートのなので、トラクタやコンバインなど、農業機械が接触すれば、農機の方がへこんだり曲がったりして痛んでしまうということだ。したがって、できるだけ寄るようにはしているけれども、機械を傷めてしまっては元も子もないので、限界はある。するとたとえばロータリーで土を起す作業でも畦畔ブロックのすぐ際は起せないから、草が生えたままになります。
まあそんなところ草が生えていてもかまわないという百姓もいるでしょうし、除草剤をかけて枯らせてしまえばいいじゃないかと思う百姓もいるでしょうけれど、できるだけ田んぼはきれいに作りたいし、薬剤もあまり使いたくないとなれば、手でとるしかありません。
で、まあ、取りやすいように、昨日畦畔ブロックの脇に溝をつけて、今日はスコップでブロック際の草を土ごとコロンと溝の中にこそぎ落とすようにして草をとります。するとブロック際に溝ができるようになるのですが、水を張って代かきをすれば、泥が自然と流れていきますからスカッときれいなブロック際となるのです。
まあそんなこんなで、一日スコップ仕事。軍手をはめていたのに掌が痛くなってきました。


鍬やスコップで仕事をしているときは、仕事そのものは単純作業ですから、それを根気よく続けるだけなのですが、それはすぐ身体が覚えてしまうので、頭は別のことを考えたりしています。でも周りに本もありませんし、コンピュータもないですから、あるのは自前の頭だけ。農作業をしながらの考え事というのは、自分の過去の記憶や経験、それだけをフル稼働させて自前の頭だけで考えるわけです。何か資料を見ながら考えるというわけではないのですね。
これってけっこう魅力的なことだなぁ、と思っています。自分の部屋や机の上で考えているときには、すぐ本やネットであれこれ調べて資料を探すことができますが、そういうことなしというのは、なんとも潔いものです。ただ弱点は、考えたことをメモすることができない、記録しておきにくい、ということです。これもけっこうおおきな弱点なんです。
などと書きましたが、立派なことを考えてるわけではありません。今日は歳時記もなく記憶の断片を拾い集めるようにして俳句をひねっておりました。ひょいと浮かんだ俳句はiPhoneのボイスメモで声を録音して俳句を記録するということにしました(iPhoneがあるならあれこれネット検索くらいはできるし、クラウドで資料も読もうとおもえばできないことはないですが)。さっき、再生してみましたら、18句、というか句らしきものですが、ぼそぼそとした僕の声で録音されておりました。いやはや、しかし、良さそうな句は皆無でした。やれやれ。ま、そんなところです。