現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

作業所の整理をはじめる


1日(月)
今日から10月。昨日が旧暦8月15日。中秋の名月だったのだが、今日が月齢が15.0ということらしいです。
なかなか台風一過とはいかず、小雨が午前中残りました。


朝から完全無農薬有機栽培米「秋の詩」を予約していただいておりましたお客様に精米して発送する。


夜は寄り合い。


2日(火)
朝から快晴。だったが午後は雲が出てきました。
年貢はお米で納める分は終わったのですが、お金で納める分を手続きする。農協で連記式の振込書に地主さんの通帳番号を書き込んで一気に済ませる。


それから秋の米の収穫作業が終わったので、作業所の整理を少しして、作業所の二階の掃除をする。二階には乾燥を終えた籾を蓄えるタンクがあるので、ま、細かな埃が強烈に蓄積されているのだ。ざっと箒と塵取りで集めたあと、コンプレッサーからのエアを吹きつけて埃を舞い上がらせ窓や隙間から外に出す、といういささか強引な作業をする。もちろん鼻と口を覆う3Mの防塵マスクをしているのだが、目の前が一瞬見えなくなるような埃が舞い上がるのでありました。とにかく埃を舞い上がらせて外へとりあえず出しました。全部は出ないので、当然また降り積むのですが、またエアを吹きつける作業を繰り返します。三回繰り返して一応終了。あとは業務用の掃除機で吸引します。
ま、今日はここまで。まったく毎年、この作業は覚悟を決めて死に物狂いでやっとります。最初から掃除機で吸い込んでもいいのですが、籾から出る埃はほんとうに細かいので、すぐ掃除機のフィルターがつまってしまうのです。それであらかたほうきで掃いたり、エアを吹きつけて外に出したりしてから吸引しております。とりあえず、二階の掃除を終えたが、まだ一階が残っているし・・・。ま、時間はかかります。


金原瑞人雨月物語』(岩崎書店)を読んでいる。
雨月物語』と言えば上田秋成の傑作ですわな。学生の時、「国文学概論」の授業を受けていて、あれこれ日本の古典作品の講義を半年間受けたのですが、最後の講義で、「でも、まあ、なんだかんだいって、僕なんか秋成の作品が、一番おもしろいと思っているんですが・・・」とおっしゃったのを覚えています。真面目で勤勉な学生だったので、さっそく図書館で借りて読んでみましたが、思いの外、読みやすく面白かったのを覚えています。
ですが、石川淳の『新釈雨月物語』にやられました。滋賀県の人間なので、三井寺や琵琶湖を舞台にしている「夢応の鯉魚」が、リズムもよく、面白かったのです。これにやられて石川淳のファンになったようなものですわ。
で、金原瑞人雨月物語』ですが、出版社が岩崎書店であるように、どうも読者対象を、中学生くらいにしているのか、中学生が雨月物語を読んで、そのレポート発表をするというような体裁です。ま、ストーリーはわかるのですが、これでは、いけませんな。古典作品たるもの音読に堪えるものでないといけません。中学生にも秋成の原文とはいいませんが、石川淳の文章くらいは読ませるべきでしょう。よく判らなくても、リズムの良くないのは初心の人には向かないと思います。


雨月物語』といえば、溝口健二監督の映画も有名ですわな。ええ、悪くないです。いやすばらしいです。珠玉です、といってしまってもいいのかな?モノクロの作品ですが、うーむ。しかし、数年前に観たので、細かいところは忘れているのだが、よかったという印象だけははっきりと覚えている。最初、なんじゃ?と思ったのですが、5分ほどで映画の世界に引き込まれました。