現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

消費者の方との交流会

アサガオ

昨夜の19時前から雨が降りだしまして、ピカピカゴロゴロとなっていました。
一雨ほしいと思っていた、久しぶりの雨で、ありがたいのですが、先日も書いたように、今年の慣行栽培というか、農協に出荷するコシヒカリは、どうも天気の都合か少し背丈が伸びてしまって、しかもずいぶん穂も色づき、実ってきたところなので、強い雨が降ると、稲が倒れてしまうのではないかと心配していたのだ。


朝起きると、すぐ田回りにでる。うーむ。べったり倒れているわけではないが、あちこちで、稲がしなっていた。うーむ。
ま、これは、作業所の乾燥や籾擦り、選別の準備を急がないといかんな。


お昼に消費者の方との交流会にでる。うちの農協は京都の生協へお米をだしているので、京都生協の消費者の方が、隣村の極早稲の「あきたこまち」の稲刈り体験をしに来られたのだが、その昼食会に地元農家として呼ばれたのだ。
昼食会の郷土料理は農協の女性部の方が作ってくださった。エビマメも小鮎の甘露煮もおいしかったけれど、泥亀汁の味付けが最高においしかったです。泥亀汁というのは、味噌汁になすびが浮かんでいるのですが、なすびに切れ目を入れて、汁に浮かぶ様が泥亀に似ていることからそう呼ばれるようになったのだとか。すりごまもはいっていて、絶妙な味で、三杯もおかわりをしてしまいました。
昼食会のあとの交流会で参加しておられた消費者の男性の方が「生協のお米は農薬5割削減のお米ということだが、5割削減とはどういうことか、消費者にとっては、もうひとつ、よくわからない。農家や生協を信用するしかないわけだが・・・・。それから5割削減で作れるのなら、無農薬のお米は作れないのか?」という質問が出てきました。いや。もっともな質問ですね。
質問に対する答えは農協の職員さんが何人かであれこれ(寄ってたかって?)答えておられましたが、質問された男性や聴いておられた方は納得されたでありましょうか。農協の説明は要するに何を基準として5割なのか、ということと滋賀県の基準は全国でもっとも厳しい基準である、ということと、農薬を使わないと病気になる、虫に食われる、だから難しいのです、というような話でした。うーむ。
ちょっと思案していて(だって、無農薬有機栽培のお米を作っているのだけれど、農協には出荷していないので。というかそういう米を農協が扱っていないのだが。)発言しようと思ったときには、次に話題が移ってしまったので、発言はできなかったのですが。ああ。
もちろん、無農薬栽培のお米はすぐに作れます。日本中でたくさん作られています。農薬をやらなければいいのですから。でもそれで収入を得ていこうとすると、時間がかかります。病気にならない丈夫な稲を育ててくれる土づくりにちょっと時間がかかるからです。それからやっぱり収量が少し下がります。抑草と草取りなど、手間がかかります。手間がかかりますから、どうしてもあまり栽培面積を増やすことはできません。そうしたことを考えると少し値段を上げないといけません。
消費者の方がそういうお米を、少し高いけれども、おいしいし、安心だからと、栽培のことをよく知って、納得して、買って食べて、喜んでくだされば、何の問題もないのですが。
たぶん質問された男性の方は、そういうことをすでにちゃんとわかって質問しておられたのではないでしょうか。


うちの畑の野菜は父と母が世話して作っていてくれますが、無農薬だし、化学肥料もほとんど使っていない。それは自家消費用の畑で面積が少なくて、二人で毎日のように畑に出て世話しているから、そういうことができるのでしょう。それに、例えば、曲がっていても、小さくても、すこし甘味が足りなくても、水臭くても、キズがついても、ひび割れがあっても、虫にすこし齧られていても、自分たちの家族が食べるのだから、何の問題もないわけです。出荷して、スーパーに並べて他の農家のものと比べられるわけではないですから。でも家族は父と母の世話のことを知っているし、どんな風に栽培しているかを知っているから、安心しておいしく食べる。


辻井農園の田んぼでは、完全無農薬有機栽培米も作っているし、農協に出荷する、いわゆる農薬5割削減(うちはもっと削減しています)の慣行栽培のお米も作っています。
慣行栽培のコシヒカリはいささかだわだわとたわんできているところが出てきて、ちょっと慌てているのですが、無農薬有機栽培のコシヒカリは、今のところ、しっかり立っています。おもしろいものですね。


このブログやHPで辻井農園の様子を書いています。どんなふうに無農薬や有機肥料でお米を作っているのか、よく知っていただいて、安心して、おいしく食べていただけるとうれしいです。完全無農薬有機栽培米の稲刈りは来月中旬の予定です。もうすぐ予約の受付も開始しようと思っています。よろしくお願いいたします。