現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

「ささら除草機」と「チェーン除草機」試行錯誤のあれこれ


2日(月)
竹箒除草機を作ってみて、試験的に除草してみる。
先日竹箒を分解しておいたのをあれこれ組み合わせて除草機を作ったのだ。ま、完成品は画像でもみていただくとして、軽くて、安くできる(合計で1200円くらい?)のは、とてもいいけれど、うちのRR5(改)と合体させて使うには、ちょっと軽過ぎるというか、除草効果がもう一つなのではないかと思ったことでした。取り付けかたがもう一つだったのかなぁ?
たぶん竹箒除草機は軽いので、去年までの僕のように、田んぼの中を一歩一歩歩いて引きずる方法なら、チェーンよりいいのだと思います。でも今年の僕にはRR5(改)があるぜ。もうものすごく古い機械だが、ガソリンエンジン付きで乗用だ。牛になった気分で歩かなくていいのだ。
しかし、この竹箒除草機の幅は4000mm。なかなか、この幅は捨てがたい魅力。


この除草機の正式名称は一体何なんだろうか、「竹ぽうき除草機」という風に『現代農業』では紹介されていたりするけれど、本当は「ささら除草機」とでもいうべきものですわな。Facebookに画像を載せてみたら、タヒチ風だと言われたのだが、確かにタヒチアンダンスの腰箕のようでもある。タヒチアン除草機、タヒチアンダンス号も悪くないかもしれない。除草機タヒチアンタイプ。ただ僕の中では当初からレレレ号とかレレレタイプ、というのも頭の中にあったのだ。


「竹箒除草機」、改め「ささら除草機タヒチアンタイプ」、改め「ささら除草機レレレタイプ」。いや、やっぱり普通のがいいな。


ささら除草機で、40aほど除草。夕方に田回り。

3日(火)
午前中は、お米の発送をし、それから田植えが終わったので、田植え機を高圧洗浄機で丁寧に洗う。
午後は、田植え機を乾かし、今度はコンプレッサーの高圧エアであれこれ吹き飛ばしつつ掃除。きれいきれいにして、格納。
そう言えば、朝の田回りの時、田んぼをのぞき込むと、ヤゴがたくさん泳いでいるのを見つける。泳いでいたのだが、カメラを向けると底に沈んでじっと動かないのでありました。かわいくないヤゴである。




で、田回りをして、その後「ささら除草機」ではなく「チェーン除草機」を改良するために、夕方、ホームセンターへ買い物にいく。改良といっても、現在のチェーン除草機が1800mmの幅なので、これを倍の3600mmにするのだ。要するに同じものをもう一つ作ってつなげて倍にする、ということですな。
で、チェーン除草機なので、今度は安い竹箒ではなくて、鉄の鎖が必要です。しかも60cmという中途半端な長さのが36本も。ホームセンターにいくと、太さや素材で何種類ものチェーンがあったのだが、鉄のチェーンはいいのだが、太さで迷ってしまった。よく似た太さのやつが二種類あって、どちらか記憶からははっきりわからないのだ。いやはや。人間の記憶はあやふやなものですなぁ。ってわしの脳みそがあやふやなのかもしれんが。
でもここは太い方が除草効果があるだろうから、太い方に決める。近くの呼びだしボタンを押すと「お客様がチェーン切り売りコーナーでお待ちです。お客様がチェーン切り売りコーナーでお待ちです。」と店中にアナウンスが流れた。うーむ、ちょっとドキドキするような恥ずかしいような。やってきた女性の店員さんに、「このチェーン、60cmを36本欲しいんです。」と申し上げると「36本ですかぁ!」その女性店員さん、暗算が得意らしく、「20m以上必要ですね、いま、これだけしかないんですよね。あるかなぁ?」などとつぶやきながら端末機で在庫状況を調べてくれていて、「ぎりぎりありそうですけど、ときどき、ここの記録と違うことがあるので・・・。」などとおっしゃったかと思うと、ポケットからマイクを取り出して、「チェーン切り売りコーナー、サポートをお願いします!チェーン切り売りコーナー、サポートをお願いします!」とこれまた店内アナウンスをなさる。うーむ。これでは先ほどのアナウンスもあるし、いったい、チェーン切り売りコーナーにどんな無茶な注文をする客が来たんだろうと、誰もが思うじゃないか・・・。なんだか恥ずかしいぜ。
そこへもう一人男性の店員さんがサポートで登場。「36本!在庫、確認したか?チェーン切ってはずすから、65cmくらいで計算せなあかんぞ。」などと2人で話をしながら、特大のチェーンカッターで60cmづつに切りはじめる。しかし、いささか太めの鋼鉄のチェーンである。10本切ったところで、掌が痛くなってきたのか、男性店員さんは軍手をはめられる。「見ててもあかんがな、おまえもそっちから切らな。」と先の女性店員さんをうながして、汗をお拭きになる。女性店員さんも、チェーンの反対側から少し小さめのチェーンカッターで切りはじめられたのだが、これが全然切れないのだ。「わかった、もういい。こっちの切った鎖を数えてくれ。それから持って帰ってもらうのに箱がいるぞ。丈夫な段ボール。」と指示を出される。なんだか申し訳ない気分になってくる。32本まで切ったところで、鎖がなくなった。「お客さん、すいません。やっぱりちょっと足らなくて・・・」「ええ、じゃ、あと4本はその少し細目のチェーンでお願いします。」というと「はい。」と少し細目のやつを切りはじめてくださったのだが、こちらは、当然ながら切りやすいんでしょうね。切る音も軽やかにプツンプツンと切ってくださった。「じゃ、あとはよろしく。」と男性店員さんは女性店員さんに声を掛けて立ち去りかけたので、おもわず女性店員さんより先に「ありがとうございました。」と言ってしまった。男性店員さんは、ニッコリして頭をちょこんとさげ、「ありがとうございました。」と言いつつ汗をふきふき立ち去っていかれたのでありました。たぶん、「もうあんな客にはかかわりたくないぜ、女性店員のサポートお願いします、の声につられて、うっかりうかうか近づいてしまったばっかりに・・・」と思っていたことでありましょう。


4日(水)

朝から、昨日ホームセンターで買ってきた材料を元に、チェーン除草機を新たに一つ作り、これまでのやつと合体。「チェーン除草機W3600」の完成だぜ。
ただこの合体させるジョイント部分がいささか不安である。棚などを作るL型の規格品のアングルにチェーンがぶら下げてあるのだが、それぞれ片方に鉄の鎖が20mほどもぶら下がっているのだ。したがって何しろ重い。ああ、ささら除草機は軽くてよかったなぁ、などとつぶやきたくなったぜ。その重いものをつなげるところが弱点であることはすぐにわかったのだが、規格品だからジョイント部も規格品である。これしかないのである。
というわけで、完成した「チェーン除草機W3600」をRR5(改)に取り付けて、除草開始だぜ!
おお、なかなかいい感じ。苗を踏まないようにゆっくり運転していく。幅が広くなった分だけ、田んぼの中を走る距離も短くなり、除草時間も短縮、苗を踏む確率も少し小さくなるわけだ。


田んぼに入る前は、こんなきれいに田植えしてあるのに、ここにもう一度はいって、ぐちゃぐちゃにしてしまうのか、と思う。田んぼから上がった時には、ああ、こんなんになってちまった、とも思う。
でもまあ、去年までの重労働からは開放されました。




しかし、なんだな。自分の画像や動画は、いつ見ても笑えるな。今回のは、なんだか神妙な感じでRR5(改)を運転しているように見せているのが笑える。早送りのせいもあるだろうけど。そんなこんなで午後も除草機を快調に動かしていたのだが・・・。


ところが。


ある時、後ろの除草機を引きずっている水の音が変わったな、と思って振り返ると、例の除草機がジョイント部でぐにゃりと曲がってV字になってしまっているではないか、しかもそのせいで、苗がおかしなことになってしまっている。うへっ!と慌ててRR5(改)を止め、田んぼに降りて、重たい「チェーン除草機W3600」を回収する。いやはや。あともう少しで終わるところだったのに。やれやれ。やっぱり規格品の小さなジョイント部では無理だったのだ。何しろもともと棚を作るアングルのジョイントである。たくさん鋼鉄の鎖をぶら下げて、田んぼの中を引きずりまわされることになろうとは、予想だにしていなかったに違いない。


ここで一旦、除草作業は中断。田回りをして、また昨日のホームセンターへ。昨日の店員さんと顔を合わすのは、ちょっとご遠慮申し上げたい気分があって、一人でこっそりあちこち見て回って、ジョイント部の補強に使えそうなものをあれこれ探す。元々が規格品なので、補強できそうなものがなんとか見つかりました。うまくいくかどうかはわからないけれど。


と、もう簡単に書いてしまったけれど、ふっと気がつくまでに、ちょっと時間がかかってしまった。


近畿地方も梅雨入りだそうです。


5日(木)
朝から雨。さすがに梅雨入りだ。このあたりはしょぼしょぼ雨だが、南部の方では結構な雨量になったらしい。
雨量はしょぼしょぼなんだが、風は昨夜も、それから今日のお昼も、時折、ビックリするような風が突然、吹いたりする。


午前中は雨が降ったり止んだりで、雨が上がっている間に、昨日買ってきたもので、「チェーン除草機W3600(改)」を組み立てる。なんか、予想以上に、想像以上に、強力な感じになった(笑)。なんといっても、四枚の鉄の板と12本のボルトで補強したのだ。すぐに「チェーン除草機W3600(改)」の試運転をしたかったが、雨が激しくなったので、様子を見る。



午後も雨が降ったり止んだりで、雨がやんでいる間に、「チェーン除草機W3600(改)」の試運転をする。うーむ。すばらしい。ジョイント部が補強されたので、紐を使わずにS字の金具を使って吊下げることができた。これで「RR5(改)」への取り付けが数秒速くなった。わしはTOYOTAのいささかならぬ古い車に乗っているし、TOYOTAにはいろんな感情があるのだが、トヨタの技術力と「カイゼン」には、一目置いているのだ。この取り付けの数秒が「カイゼン」なのである。しかし、なんだな、このS字の金具をもう少し長くして、もう少し除草機を下げてもいいかもしれない。いや、もう2、3cmの話なのだが、この2、3cmが「カイゼン」なのだ。



いやあ、「チェーン除草機W3600(改)」接続部、びくともしないぜ。しかし、「チェーン除草機W3600(改)」は、よく見ると字面がかっこよくないな。「チェーン除草機W3600N」に改名するぜ。NはもちろんNewだ。あれ?説明してなかったかもしれないが、WはもちろんWide
である。
このびくともしない、というのが、仕事で使う道具ではとても大事で、信頼をおける道具かどうかの境目なんだなぁ。とにかく、すぐ壊れる道具、機械。そういうものはどんなに便利そうな顔をしていてもあきまえへんわな。


「チェーン除草機W3600N」の問題点。
その一、重い。重いのは、なにしろいけませんなぁ。
その二、幅が広いのは、田んぼの中で除草中はいいのだが、3m60cmの幅があると、このまま公道を走れるわけもなく、また進入路付近に、電柱や塀があったりすることもあるし、取り外しをいちいちしなければいけないこと。さらにこれが重いわけだし・・・。
その三、その取り外しの際に、チェーン部には、泥がついているわけだが、その泥が必ずズボンについて汚れてしまうこと。
その四、そのままでは公道を走れないので、その3600mmの除草機を「RR5(改)」の側面部に取り付けて移動するのだが、その際、振動が激しいので、チェーンを止めている本来高級な(?)ネジ式のカラビナのネジが振動で緩んでしまうこと。「RR5(改)」は古いモデルなので、振動がハンパないのであります。


ま、いろいろ問題点はありますが、それ以上に大切なところは、これでしっかり除草できているのかどうか、というところです。今年は「RR5(改)」の機動力を生かして、田植え後4日目、5日目というところで除草機を動かしているのだが、きちんと除草できているというのが、一番大事なところですな。というか、これが作業の目的なので。


午後は、雨の止んでいる間にと思って、草刈りに出たが、途中から降られてしまった。ま、いいけど。