現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

鞍掛豆と白大豆の播種と『銀漢の賦』


5日(土)
今日はもう少しいい天気になるのかと思ったら、午前中は空模様があやしい。雨が降ったりする。やれやれ。
で、午前中は最初、本を読んだり、新聞を読んだりして、ゴロゴロしていたが、お昼前に、いつも田回りに使っている自転車の前輪のタイヤが破れてパンクしてしまったのを思い出し、自転車チャンピオンまでいき、タイヤとチューブを購入。すぐに交換した。自転車のタイヤのパンク修理はお手の物なので、、テキパキとタイヤやチューブの交換(笑)。
それからすでに田んぼは落水して中干ししたので、中耕除早機ももう使わないので、きれいに洗って、分解して格納。

午後からも雨が降るようなことを天気予報ではいっていたが、実はぜんぜん降らない。それで、ナタネの種採り用にしていた圃場の半分ほどを、自然農というか、無農薬・有機栽培はもちろんだが、無施肥にも挑戦してみようと、大豆を播種することにした。鞍掛豆と青大豆である。普通の白大豆も播種するつもり。ほんとうはインゲン豆も何種類か播種するつもりだったのだが、もっとはやく播かねばならないのだ。今年はナタネの採種があったから、そうそうはやく播けなかった。来年に、乞うご期待というところだ。
とはいえ、鞍掛豆も大豆ではあるのだが、北海道や信州で栽培されている品種なので、滋賀でうまく栽培できるかどうかはわからない。というか、できないだろうとも思うのだが、ま、やってみるしかない。
当然、採種のときにこぼれた種からすでにナタネの小さな双葉がたくさん出てきているのだが、それにもかまわず、播種しました。あはは。母には、せめてもう一回耕起して、今芽が出ているナタネを埋めてから播種したらどうか、と言われたのだが、ま、それもそうなのだが・・・。もうしばらくは耕起しないつもり。あ、ひょっとすると中打ちはするかも。いや、しないかも。「耕さず、草や虫を敵とせず、肥料・農薬を用いることなく、生命の営みにひたすら添う自然農・・・」というのに挑戦してみるつもり。ま、うまくいくかどうかはわからない(笑)。でも秋には、鞍掛豆の風味豊かな枝豆や塩茹でで、ビールを飲んでみたいな。


そんなこんなで、午前中は西村和雄『有機農業コツの科学』(七つ森書館)を読んでいたのでありました。ま、農業は奥が深いので、本を読んだからといって、そうそううまくいかないのだが・・・。


川口由一監修・鏡山悦子『自然農・栽培の手引き -いのちの営み、田畑の営み-』(南方新社)
竹内孝功『これならできる! 自然菜園』(農文協)
西村和雄『有機農業コツの科学』(七つ森書館)


この3冊が、今、現在の私の農業のバイブルのようなものです。ま、しかし、農業はその土地その土地の天候や土の様子によっても、できること、できないことが、当然、出てきますから、そのあたりの見極めが大事なような気がします。見極めて、自分の田んぼや畑にあった方策を自分で考えること。そういうことがなかなかできないからみんな苦労しているんだけど。


今日は午前中に、一瞬、停電があったみたいなのだが・・・、なんだかそれ以降、コンピュータの調子が悪い、ような気がする。だいたい部屋が暑いので、熱暴走気味なのか。それともハードディスクなどUSBでいろんな機器を繋いでいるので、USBの電力不足ぎみなのか。


6日(日)
どうも天気予報では、夕方までは雨が降らなさそうなので、大豆の播種をすることにする。
するとなったら、するとなったらで、雨が降りだす前に、たくさん播種もしたいので、大急ぎで準備を開始。おおむね準備済みだが、トラクタの準備やら肥料も準備しなくてはならん。
父に軽トラで来てもらって、肥料や種を運んでもらったり、切り直してもらっている溝がつぶれないように塩ビ菅の移動とうをしてもらう。
昼食もとらずに午後2時半まで作業して、ま、昼食もとらねばならぬわいと、1時間ほど休憩して、さてあともう少し播種しようかと思ったら、ポツポツ雨が降ってきた。やれやれ。


そうも明日は一日雨が降りそうな予報だし、トラクタをしまったり、あれこれ後始末を雨の中して、結局、すこし早じまいとなった。ので、葉室燐『銀漢の賦』(文春文庫) を読みつづけて、読了。なかなか読ませますなぁ、葉室燐。最後の数十ページは、泣かされました。島内景二氏の最後の解説も、いささか丁寧すぎて書きすぎで鼻白むところもあるのだが、よい文章でした。どうもこの手の友情ものには、泣かせられる。島内氏は触れていなかったが、前半、主人公の母親・千鶴の言葉「・・・人の美しさは覚悟と心映えではないでしょうか。」という一瞬のなにげなしに発せられる言葉にも、朝5時のすでに明るくなっている部屋の蒲団の中でごろごろしながら読むと、ぐっときてしまって、「おうよ、覚悟と心映えよぉ。千鶴殿!」と起き上がり、トイレでジョボジョボと用を足しながら「しかし、覚悟と心映えの美しさとは、現在のわしの姿からは、もっとも遠いものかもしれんのぉ。」と思いつつジョボジョボと用を足し続けるのであった。
ま、そんなこんなで七夕です。