現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

稲刈りの日々と『ウォールフラワー』

スティーブン・チョボスキー監督『ウォ

6日(火)
一昨日の予報では、今日は雨だったが、昨日の予報では曇りになり、実際のところ、今日は陽射しが出て蒸し暑い一日だった。蒸し暑かったが、稲刈りが進んでありがたかった。
昨日の雨で稲刈りをしていないので、今日は籾擦りはなし。露の様子をみて、9時半頃から行動開始。ギュンギュンと稲刈り。ところが今日はたくさんヒエが生えてきてしまった田んぼなので、ま、ゆっくりコンバインを運転するしかありません。いやはや。
実は完全無農薬有機栽培米の圃場以外で、ほかにもヒエの猛威をくらった田んぼが2枚残っている。ツライ。溝切りの時、ヒエが生えてきたことに気がついたのだが、これくらいなら大丈夫だろう、と思ったのが甘かった。ま、除草剤を散布したあとの水管理の失敗ということになるのだが、・・・。うーむ。


今朝の読売新聞に「谷崎の創作ノート全容、初公開…幻の小説構想も」なんていう記事があった。もちろん「創作ノート」にも興味はあるが、谷崎の全集を読んでみたいな、という気に朝からさせられた。中央公論新社の新しい全集は全26巻。現在16回配本されている。うーむ。もちろん、現在の僕の小遣いでは、「第1回配本より全巻お申し込み」というような暴挙にはでられないが、近所の図書館に全28冊の『谷崎潤一郎全集』があったような気がしている。うーむ、あれは高校の図書館だったかな?
初めて谷崎潤一郎の文章を読んだのは『陰影礼賛』だったか『春琴抄』だったか。ま、私がいうのもなんですが、二つともこめかみがキューッとなるような興奮、感動がありました。新潮文庫であれこれ読んだンですが、うーむ、ただ『細雪』は未読なので、なんとかしたいな。


7日(水) 白露
昨日の天気予報では、雨だったのだが、朝起きたら雨が降っていないし、晴れてきたじゃないか。どうなっているんだ?蒸し暑い一日。
午前中は籾擦り。お昼前から稲刈り。
夕方、稲刈りの後、また籾擦り。で、米の出荷とヌカ捨て。
明日は本当に雨らしいが・・・。


8日(木)
天気予報では昨夜の10時くらいから雨の予報。その後も終日雨の予報だったのだが、降り出したのは今朝の6時半ぐらいか。その後もしばらく止んでいて、10時から11時の間が雨降り。途中15分くらいは豪雨でした。でもその後はまた晴れてきました。
いや、まあ、台風が温帯低気圧に変わったりして、いろいろ予報もむずかしいのでしょうけれど・・・。百姓としては田んぼの水管理のこともあるので、気象庁の仕事は頼りにしているです。もう「コシヒカリ」の圃場はすべて尻水戸を切ってあるのだが、中晩稲の「秋の詩」や「みどり豊」は尻水戸を止めてあります。雨が降らないと水を入れなければいけないし、そうかといって、あんまり水を入れても土が軟らかくなってコンバインが動きにくいのも困りますから。
それに明日が雨だとわかると、稲刈りが出来ないわけですから、今日のうちに無理してでも刈っておこうかと思いますしね。明日もいい天気で稲刈りが出来るのなら、焦る必要もありませんが、雨で稲刈りが遅れていくと、雨のあとの好天で米の胴割れがおこっても困りますし。


そんなこんなで、今日は籾擦りとヌカ捨てなど。


スティーブン・チョボスキー監督『ウォールフラワー』(2012)をiTunesで観る。これ原作の小説もスティーブン・チョボスキーで、自分の小説を自分で映画にしたんですな。いやー、青春ですけれど、ま、映画としては、もう一つかなぁ。ショートヘアのエマ・ワトソンはよかったけど。



6日の日本農業新聞のコラムに伊勢物語の歌が登場していたが、なんというタイミングか、ちょうど久しぶりに坂口安吾の『文学のふるさと』を読み返していたときだったのだ。今はネットでも青空文庫で読めます。僕はこの安吾の短い文章が大好きで二、三年に一度は読み返してきている。安吾が紹介してくれている伊勢物語の話(芥川)は、僕の持っている伊勢物語の話と本の少し違うところもあるのだが、もう断然、安吾の紹介してくれている話の方が美しい。



続いて同じく8日のコラム。時田則雄さんは、数年前に教えていただいて読んだらすごくよかった歌人。文章もいいです。俳句と違って短歌だし長い分だけ俳句より感情の臭みがでるのだが、僕は好きです。ま、「私の名刺はこの手です。」というほどの度胸もないですが。