現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

ナタネの播種と空豆の播種

車谷長吉『蟲息山房から 車谷長吉遺稿

22日(土)
父が小麦の播種に向けて、溝切りをしてくれるというので、父の操縦する小さい方のトラクタのエンジンオイルを交換する。
僕は、昨日耕起した有機栽培の田んぼにナタネを播種する。
ナタネの播種は、散粒機という手回しの機械を胸に抱えてやります。このあたりでは、こんなのを抱えて播種する人は誰もいないので、ちょっと恥ずかしいのだが、気分はミレーの種まく人です。


午後はさらに空豆の播種。えー、鍬で畝を作って空豆を土に埋めます。今年は空豆は不作でまともな種が採れなかったので、種を買いました。今年の不作の原因はよくわかりませんが、連作がよくなったのかも、と場所を変えました。うまく育ってくれれば、来年の夏には採れたての空豆の塩茹ででおいしいビールが飲めそうです。むふふふ。


でもって夕方まで畦畔の草刈り。真冬以外は草刈りばかりしている私です。なんだかなぁ。


なんとなく日本シリーズはデーゲームという感覚があったのだが、ナイターでした。日本ハムと広島、第1戦。
大谷翔平とジョンソンの先発ですから、エース対決。マツダスタジアムはドームでないので、雨降りだとちとツライが、ファイターズの大谷君はよけいにツラかったかも。



23日(日) 霜降
ええ、二十四節気霜降です。二十四節気は太陽の黄道の角度によって決められているので、陰暦(太陰太陽暦)と陽暦の調整に使われたりしています。要するに月の動きじゃなくて、太陽の動きに合わせて作ってあるということですかね。だから太陽暦にわりとすんなりあっているのかも。でも、二十四の名前は中国の気候をもとに名付けられたので、日本の気候と名前としてはあまりあっていないとも言われていますね。うーむ。日本列島も南北に長いので、どうしてもそうなります。
朝夕気温は下がるようになってきました。まだ霜は降りていませんが。


午前中は精米など。


午後は大きい方のトラクタのエンジンオイル交換。昨日の続きでナタネの播種ように耕起したのだが、オイルを交換で時間をくったこともあって、播種は明日にする。天気も悪くなさそうだし。
今日耕起した圃場は1枚はわりと乾いているのだが、もう1枚はあまり乾いていないので、あれこれ苦労する。播種してもうまく芽が出てくるのか、わからない。


日本シリーズ、広島連勝!


そういえば、今年は田んぼの切り株から伸びてきたヒコバエがわりと大きくなったのだが、穂に実が入ってきたのか、黄色く色づいたり垂れてきたりしている。例年、ほとんど実が入っていないのだが・・・。
それから朝の散歩の時、カモの一群が頭上を飛んでいった。わりと低空だったのでiPhoneを取り出したら、急旋回して行ってしまった。
うちはまだなんだが、小麦の播種に向けて溝を切られた田んぼがでてきました。でも充分乾いていなかったのか、切った溝とトラクタの車輪とで、合計三本も溝が出来ています。ええ、こういう風になりがちなんです。田んぼがまだやわらかいと。でもこれも天気の都合でなかなか乾かないので、なんともならないのですが。



車谷長吉『蟲息山房から 車谷長吉遺稿集』(新書館)、読了。帯には「車谷長吉の置土産 急逝した直木賞作家・車谷長吉の未発表作品をおさめた遺稿集。 押し入れから発見された草稿、口述ノート、ワープロのフロッピーに遺された小説、単行本に未収録だったエッセイ・俳句・連句・対談・鼎談などを収録。解説=高橋順子」とあります。
車谷長吉は、生きておられるうちは読んでいなかったのが、返す返すも残念。高橋源一郎に『車谷長吉の人生相談 人生の救い 』(朝日文庫)を教えてもらった。これが、めちゃくちゃおもしろかったのです。
この遺稿集は枕頭においてちょっとづつ読んだので、いつものことながらとても時間がかかったけれど、俳句や連句も載っていて、ゆっくり読んだので楽しめました。連句では車谷長吉が座というのか、その場の雰囲気をガラッと変えるような、なんだか刺激的な句を急に投げ掛けるのです。ああ、楽しんでいるんだろうなぁ、と何度も思いました。後半に載っていた玄侑宗久との対談「文学で人は救われるのか」もおもしろかったです。玄侑宗久の上から目線は気になりましたが、なんだかね、ま、文学で救われる人もあれば、救われない人もいるでしょうね。って(笑)。仏教だって、救われる人もあれば、救われない人もいるでしょうし。いや、仏様は救ってくださるのだと思うけれど、それがわからないと救われない、ということになるのかな。とりあえず、生きるしかない。