現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

ニゴロブナの放流イベントが続いて母校で話をすること



21日(日)
朝からよく晴れて暑い。
午前中は地域のまるごと保全隊の事業で、「ニゴロブナの稚魚の放流」をする。例年の事業だが、今年は時期が少し早いので、うちの無農薬の田んぼが間に合わず、ご近所の田んぼに放流。
イベントではニゴロブナとかドジョウやウシガエルのオタマジャクシやザリガニなんかも水槽で展示。地域の子供たちの元気な声がうれしい。あれ?ニゴロブナの稚魚の写真がないぞ。


午後は田植え。明日頼まれているニゴロブナの成魚の放流の授業用の田んぼも田植え。
暑いですな。



22日(月)
今日は隣の小学校の五年生の社会科の授業で「環境にやさしい農業 現地学習会」というのがあって、昨日田植えしたばかりのうちの無農薬の田んぼにニゴロブナの成魚を放流するという。私も無農薬栽培の米づくりについて、話をしてほしい、と頼まれたので、10分間ほどの話をしました。
私の他に、同じ町内のKさんがまるごと保全隊の「ゆりかご水田の取り組みについて」10分間お話をされ、湖岸の尾上町の漁師のMさんがニゴロブナの成魚の放流をされます。この三ヶ所を、三クラスの五年生が順番に回っていくので、同じ話を三回繰り返すんですね。一つのクラスは三十数人でした。


この小学校が僕の母校で、自分の子供もお世話になって、こうして母校の授業の中でみんなにお話ができることは、大変光栄で、うれしいこと。私の小学校時代は虫が好きで友達と昆虫採集に励んだこと。青虫を自分の部屋で育てていたが、あるとき、学校から帰ってきたら、部屋中モンシロチョウだらけになっていたこと。今は農業をしていて、無農薬有機栽培にチャレンジしていること。みんなの身体は何から作られていくんだろうか。人の身体は食べたものから作られること。だから食べ物はたいへん大事なこと。家族に安全でおいしいものを食べてほしいとおもったこと。私の無農薬有機栽培の米づくりの方法は菜の花やレンゲを肥料にして育てていること。雑草が生えてくること。雑草は道端でも、畔でも、山の中でも、誰も世話をしないのに、肥料もやらないのに元気に育つこと。植物はどうやって栄養をとっているんだろうか。根から水と栄養分を吸収すること。太陽の光を受けて光合成でデンプンなんかを作れること。根は土から水と栄養分を吸収しているけど、土は何からできているのだろう?土は生き物の亡骸からできていること。生き物は枯れて死んで腐ると土になること。つまり自然の世界では生き物は死ぬと次の新しい命の栄養になること。だから人間が肥料をやらなくても雑草はどんどん元気に育つこと。私の田んぼもそういう自然の世界の仕組みの中でお米が育つように願っていること。などなどを10分間で話す。
三回繰り返し話をしたので、即興で話をしたのだが、だいたい思い出せた(笑)。三回ほど五年生にあれこれ質問してみたら、どのクラスにも全部ちゃんと正解を答えてくれる子がいた。五年生の知識というか学校で習っていることが、どれくらいなのか、まったくわからないので、話が難しかったのか、簡単過ぎたのか、よくわからない。概ね行儀よく礼儀正しく聞いてくれたし、母校の子供たちの前で、しかも自分が無農薬有機栽培で耕作している田んぼに立って話をするなんて、僕としては大変うれしかったです。
あ、今、思い出したけど「米づくり、飯になるまで水加減」の話をしたっけ(笑)。
琵琶湖の漁師のMさんのお話と放流を見学させてもらう。やっぱり目の前に生き物がいると子供たちの反応が僕の話のときと違う。うらやましい。
昨日慌てて田植えしたばかりなので、深い場所も作れず、そのまま放流することに。親魚はオスメス合わせて40匹ほども放流されました。ひょっとすると鳥に狙われるかもしれないけれど、全部がやられることはないでしょう。明日の朝産卵するように計画をたてて飼育してきたけれど、天気や気温の具合ではっきりとはわからないこと。産卵したら二、三日で孵化して、泳ぎ出しますよ。生まれた稚魚は田んぼで1ヶ月も過ごすと三センチほどになります。私たちが稚魚を育ててもそんなに大きくならないんです。田んぼの力はほんとに偉大です。琵琶湖に到達した稚魚は三年間琵琶湖で育って、三年目に自分が下ってきた同じ川や水路を覚えていて、また川を遡ってくるんですよ。なんてお話を聞きました。


午後は田植えと「尻踏み」。日没まで頑張る。


明日の朝は早起きして、メスのニゴロブナを追いかけるオスの姿を田んぼで見たいものだ。観られるのかな?早起きしないとだめなのかな?