五月であります。萩原朔太郎に「五月の貴公子」という詩があって、ええ、高校生の私は愛唱しておりました。あの『月に吠える』に入っています。
五月の貴公子
若草の上をあるいてゐるとき、
わたしの靴は白い足あとをのこしてゆく、
ほそいすてつきの銀が草でみがかれ、
まるめてぬいだ手ぶくろが宙でおどつて居る、
ああすつぱりといつさいの憂愁をなげだして、
わたしは柔和の羊になりたい、
しつとりとした貴女のくびに手をかけて、
あたらしいあやめおしろいのにほひをかいで居たい、
若くさの上をあるいてゐるとき、
わたしは五月の貴公子である。
たぶん、最後の「若くさの上をあるいてゐるとき、わたしは五月の貴公子である。」というフレーズが好きだったんだな。若い頃、女の子にこのフレーズを口にしたら、ウケた。ま、ゲラゲラ笑い出した女の子の気持ちはなんとなくわかる(笑)。
今日は暑い一日。何度まで上がったんだ?
朝の犬の散歩と苗代の確認と田回りのルーティンをして、トラクタのアタッチメントをロータリーからドライブハローに付け替えて、終日、「尻踏み」作業。「尻踏み」というのは、「こなし」で土を泥にしたわけですが、さらに細かく砕いて圃場を均平にする作業です。田んぼに浅く水を張れば均平が出ます。ま、しかし均平にするのは、けっこう難しいです。ま、ほどほどのところでなんとか均平にするのですが、今日のように風が弱いとありがたいです。風が強く吹くと浅く張った水が吹き寄せられて水で均平をとることができなくなるのです。でも今日は風が弱く張った水で均平がとれるのでありがたかったです。長男と交替で昼食をとって、トラクタは終日動きっぱなし。
夕方、歯医者さんにいき、そのあと米原までお米の配達。おばあさんが注文してくださいます。お米、ご飯が大好きなんだそうです。「田植えで忙しいときに、すみませんね。年寄りなので、そんなに食べられるわけではないけど、でもおいしいお米が食べたいの。」とうれしいことを言ってくださいます。ありがたいです。
ずいぶん日焼けしてきました。わたしは日焼けした五月の貴公子であります(笑)。