現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

お米の精米と『ラビング 愛という名前のふたり』

 書き忘れたが、昨日は旧暦の正月だったんだな、旧正月。午前中はときどき雨が降ったりしましたが、午後からは晴れてきました。
 今日は精米したりお米をたくさん袋詰めしたり、あれこれ細かい仕事を長時間する。その間、手仕事なので、仕事しながらラジオで国会中継を聴いていて、厚生労働大臣のとぼけた発言、総理大臣の質問にこたえずに自分勝手に数字をもてあそんだような政権の自慢話にウンザリする。たぶん内閣の大臣のみなさんは、実際に働いて家計をやりくりし、子育てしている普通の人々が何を望んでいるかを本当にはわかっていませんね。ええ、政治家ですから言葉ヅラだけは、上手に調えてお話されてますけれど。


 このところ毎日のようにiTunesやDVDで映画を観ているのは、このブログを読んでくださっているみなさんはご承知のはずで、おやおや、と思われていることと思いますが、今日観た映画は素晴らしかったです。ジェフ・ニコルズ監督『ラビング 愛という名前のふたり』(2016)で、イギリスとアメリカの合作映画なんです。コリン・ファースが実話に感銘を受けてプロデューサーになって映画化されたらしいです。人権の映画です。1958年の合衆国のバージニア州からはじまります。当時バージニア州では異人種間の結婚が違法になっていたんですね。異人種間の結婚と言われてもピンとこないかもしれませんが、たとえば白人と黒人の結婚ということです。そういう法律の中で結婚し法律とも戦った夫婦の物語です。いいです。すごくいい映画でした。全体にしっとりと美しい画面で、地味なのがいいですね。夫婦の愛情とか、子育てとか、仕事のやり方とか、いろいろ刺激を受けます。映画が始って最初の30秒の画面の美しさで傑作映画の予感がしました(笑)。で、主演のジョエル・エドガートンもルース・ネッガも落ち着いた寡黙な演技ながら、スバラシイですな。とくにルース・ネッガは、あの大きな眼と睫毛でモノモウシテマス。
 彼女は司法長官に手紙を書くンですな。そこから家族の状況が動き出します。弁護士が動き出すんですね。それをまたライフ誌の記者が記事にします。みんな若いんです。年寄りでなく若い人、子育て世代が活躍するんですね。左官というか大工の役のジョエル・エドガートン(ブロックやレンガを糸を張って何度も積み上げる映像が出てきます。)の服装や物腰、もの言い、顔つきに真面目な日本の百姓に通じるものを感じたことも、よかったです。実話に基づく映画ということもあって淡々と地味にすすんでいきますが、人に伝えるべき物語、いい映画でした。家族や家庭を守るというのは、夫であるジョエル・エドガートンだけが守ったわけではないし、妻であるルース・ネッガだけでもなくて、家族を含めて親戚もあれこれがんばってます。だって今なら当然違憲ともいえる法律と戦わなければいけなかったんですから。
 遠い外国の昔の物語とばかりいえないところが、2016年に作られたこの映画の立派なところです。
 しかしなんですな、このポスターをみるとあれこれノミネートされたようですが、賞はとれなかったようですな。いや、いいんですが、実話に基づいた地味な作品ですから。ま、でも宣伝のコピーにはちょっと違和感がありますけどね。


 それから昨日の新聞に滋賀県有機栽培米を首都圏へ売り込みたい、という記事が中日新聞に載っていた。うーむ。ま、いろいろ思いはありますな。