現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

溝切り完了と穂肥をやることと『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』


13日(土)
 このところ毎回そうなのだが、三連休なのを三連休になるまで知らなかった。カレンダー上の休みは関係なく、雨が降ったら外の仕事もできないことが多いので、身体を休めたりしているので、ま、カレンダーより雨雲レーダーばかり眺めているようでは、世間のことから疎くなりますわな。


 長男が最後の溝切りをしてくれたので、僕は尻水戸と溝をつなぐ作業をして落水する。苗代あとの圃場も無農薬の圃場もすべて落水して、すべての圃場が中干しになりました。


 今年導入したみのる農機の管理機の作業もこれですべて終了したので、水洗いして、グリスも少しつけて、溝切り機のアタッチメントから除草機のアタッチメントに付け替えて、車庫に格納。ご苦労様でした。ま、だいぶ機械にも馴れたし、長所も短所もわかってきたので、来年も故障なくしっかり動いてください。って、ええ、僕のメンテナンスが大事なのはわかっています。


14日(日)
 朝、一番最初の5月7日に田植えした「コシヒカリ」の圃場にいって幼穂の様子を確認したら、5mmほどになっていた。だいたい予想通り。農協は「コシヒカリ」の幼穂が10mmになったら穂肥をまいてください、と言っています。これは農協に出荷する「環境こだわり米」で有機肥料が50%という契約なので、穂肥も「ハーフ有機」の肥料です。それで肥料の効きも少し遅れるので、毎年幼穂5mmほどで穂肥をまいています。そんなわけで、終日、穂肥をまく。これで五月の連休植えの「コシヒカリ」の穂肥は散布終了。



15日(月) 海の日
 農協出荷の慣行栽培の圃場で、一発除草剤をまいたにもかかわらず、少しヒエやクログワイやキシュウスズメノヒエが生えてきた圃場にクリンチャーバスを散布。長年、無農薬栽培をしてきていると、少々の雑草には動じなくなってきているのだが、キシュウスズメノヒエという雑草には、ここ数年、手こずっています。畦畔から本田に入ってくる雑草なのだが、ちょっとスキを見せると途端にどうしようもなく繁茂してしまうし、放置すれば秋の収穫時には厚いカーペット状態になってしまって、手でむしることもできないようになってしまう強烈な雑草なのです。今回は「環境こだわり農産物」の契約の範囲内で除草剤をまくことにしました。


16日(火)
 昨日まで天気予報では終日雨となっていましたが、朝から曇り空とときどき陽射しという天気。ありがたい。
 午前中は僕は精米など、長男は畦畔の草刈り。午後は郵便局や農協であれこれお金の出し入れをやったり穂S類の提出をして、その後は僕も日没まで畦畔の草刈り。日没がまだ19時だったりするので、ええ、たくさん草刈りをして、汗びっしょりになる。


f:id:tsujii_hiroaki:20190715065346j:plain ふっと気がついたらツール・ド・フランスがはじまってますな。数年前まではけっこうネットの速報に注目していたのですが、すっかり熱も冷めてしまって、久しぶりにJ SPORTSのページを見てみたら、名前の知らない選手、名前のわからないチームもたくさんいて、いやはや、という感じ。まあ、ツールのチームはけっこう入れ替わりがありますからね。ツールのいいところは風景が美しいんだなぁ(笑)。カメラマンは美しいところではドローンなんかも使ってカメラアングルをかなり練って撮影しているのでしょうけれど。
 ツールのDVDは2009年、2010年、2011年と持っていた。うーん、もっと買ったような気もするのだが・・・。2007年、2008年ぐらいからネットであれこれ応援していたような気もするのだが、ええ、私のツール・ド・フランスコンタドールと共にありました。彼の自転車の乗り方でダンシングという言葉を覚えました。ええ、今でもたいていダンシングして自転車に乗っています(笑)。


 ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)読了。いやー、おもしろくてシュルシュルと読めました。こういう感覚は久しぶり。6月20日に出たばかりの新刊です。「波」に2018年の1月号から2019年の4月号まで連載されてた文章をまとめた本らしいです。帯には”連載中から熱狂的な感想が飛び交った、私的で普遍的な「親子の成長物語」”とあります。イギリスのブライトンが舞台の話ですが、著者の息子くんがスバらしくいい子なんだなぁ。自分で考えるいい子だし、母親である著者とよくしゃべるいい子ですなぁ。ちょっといい子すぎるなぁ(笑)。でも日本でも同じような問題が起きていそうな気配はありますね。人種差別、ジェンダー、階級社会、貧富の差、アイデンティティ、あれやこれやが実に読みやすい日本語で書かれています。イギリスの「元・底辺中学校」に通う少年の目を通して、大人がいろいろ考えさせられますな。少年は軽々と問題を乗り越えていっているように見えますが。


 うちの田んぼの畦畔でアゲハチョウが交尾していた。このアゲハがまた羽化したばかりなんだろうけれど羽根に少しもキズがないぴかぴかのアゲハチョウなんだなぁ。昔、日高敏隆『チョウはなぜ飛ぶか』にモンシロチョウのオスは常に羽化したばかりのまっさらのメスを探していて、そういうメスを見つけると、すぐに交尾するべくちょっかいを出しにいく、みたいなことが書いてあったのを思い出しました。ま、自分の遺伝子を残すためのオスの当然の行動なんでしょうが、アゲハチョウでも事情は同じようですね。
しかしぴかぴかのアゲハチョウの美しいこと。上がオス?下がメス?下側のチョウは腹のあたり花粉だらけですね。どこを飛んできたのか。