現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

苦土石灰と溝切りと波板シートはがしと『ロウソクの科学』と と、日記には書いておこう。


 午前中は精米など。
 お昼前から大麦の播種に向けて、圃場の苦土石灰をまく。午後は排水対策に溝切り。
 トラクタに培土板をつけて溝を切ったのですが、土がよく乾いていて、硬いので思うような深さに溝が切れず、長男は同じ溝をもう一度切って、そこそこの深さにしてくれていました。僕は畦畔にいれた畔波シートをはずしていて大いに疲れる(笑)。


 夕方、といっても日没後のたそがれ時だが、知り合いの若い奥さんがお米を買いに来てくださる。ありがたい。
 外で待っていたら、僕の頭上を二羽か三羽か、コウモリがヒラヒラと何度も飛んでいる。コウモリの飛ぶ姿は、ツバメやタカやカラスやセグロセキレイとも、まったく違うが、美しいものですな。ヒラヒラ飛んでいる、と書くとなんだかゆっくり飛んでいるような気配がしますが、実際はけっこうなスピードで飛んでいます。チョウがヒラヒラ飛ぶのとは、これまたぜんぜん違います。チョウよりももっと不安定ですね。シルエットしかわかりませんが、美しいです。


 メディアはノーベル化学賞を受賞した吉野彰先生で盛り上がってますね。先生とは無縁ですが、私もうれしく誇らしいです。新聞記事を読んでいたら、先生が科学に興味を持ったきっかけは小学4年生のときに担任の先生から紹介されたファラデーの「ロウソクの科学」だったそうです。これを読んで僕もびっくり。なぜなら僕も小学生の時にファラデーの『ロウソクの科学』を読んだからです。僕は4年生ではなくて、5年か6年だったと思いますが、先生に紹介されたのではなくて、自分で図書室で本を見つけて読んでおもしろかったので、よく覚えているのです。思い出したけど、水を張った皿の上に立てたロウソクにコップを被せると、コップの中に水が吸い上げられていって、ロウソクが消える、という実験をしましたな。吸い上げられた水の量がちょうどコップの1/5で、これで空気中の酸素が燃えて二酸化炭素に変わり、二酸化炭素は水に溶けやすいので水に溶けて水が吸い上げられるのだと。これから空気中の酸素の量も1/5だとわかる、というような実験。この実験がおもしろくて、家でもやってみたのを覚えています。これって吉野先生以上ではないのか(笑)?今、思い出したけど、4年生の頃は同じく図書室で『微生物の狩人』を読んで感動していたのではなかったか。顕微鏡をねだって買ってもらったのは、その頃だと思うのだが・・・。両方とももちろん文庫本ではなくて、ハードカバーの本でした。
 うーむ、僕が高校3年のときに文系コースを選ばずに、理系コースを選んでいたら、ノーベル賞だったかも。どこかで歯車が狂ったな。(ええ、私の人生は歯車が狂いっぱなしです。いや、そうでもないのかな。)そして受賞後に逸話として、ファラデーの『ロウソクの科学』やポール・ド・クライフ の『微生物の狩人』について、吉野先生以上に面白おかしく、集まってきた記者を爆笑させてやろうと、あーだこーだと語っているような気がする。無念である。
 しかし記者会見で記者を爆笑させてやろうと漫談をするノーベル賞の受賞者というのも上品さに欠けるので、やはりほほえましい笑いを狙わないといけませんな。


と、日記には書いておこう。