22 日(日) 冬至
午前中は精米など。午後は作業所の整理整頓と掃除。
高校駅伝を少し観たり。
23日(月)
終日雲がかかっている。時々、時雨。
机周りの整理と事務仕事。
村川透監督『処刑遊戯』(1979)を観る。なるほどねぇ。ストーリーとしては、どうなんだろうねぇ。ま、松田優作が活躍すれば、それはそれで楽しめるけど。
マーティン・スコセッシ監督『グッドフェローズ』(1990)を観る。ニューヨークのマフィアの映画。実話をもとにしているらしい。レイ・リオッタもデ・ニーロも、ジョー・ペシもポール・ソルヴィノも、ギャングの役をかっこよくやってますな。うーむ。145分をだらけるところなく一気にみせるところはさすがだし、楽しめたけれど、あまり心が動かされることはなかったかも。いろいろ事件は起こるしリアリティも感じられるけれど、ドラマというか盛り上がるところがあまりなかったような.ま、実話にわりと忠実なストーリーというから、ある程度仕方のないことなのかも。
音楽はなんだかおなじみというかいろいろ知っている曲が流れてきた。クリームの「 Sunshine Of Your Love」やストーンズの「 Gimme Shelter」とか、デレク&ザ・ドミノスの「Layla」。うーん、他にもあったけど忘れてしまった。
町田康『しらふで生きる 大酒飲みの決断』(幻冬舎)が届く。うーむ。ちょうど最近、日本酒のぬる燗にはまっているので、ゆっくり読んで楽しもう、と思って最初の章を読みはじめたら、大伴旅人の「酒を讃むる歌十三首」というのが出てきたので、なんだかね、『万葉集』を出してきて読んでみました。まあ、大昔ですから万葉の時代はもちろん清酒ではなくて濁り酒、どぶろくだったんですね。まあ、しかし、ちょっと笑えますよね。
大伴旅人 酒を讃める歌十三首
ぐだぐだとなんともならぬ物思いをするくらいなら濁り酒を一杯やるほうがいい
酒の名を聖と名付けた古の大聖人言葉のよろしいこと
古の竹林の七賢人も欲しがったものは酒であったらしい
賢しらに偉そうにものを言うよりは酒を飲んで酔い泣きするほうがましです
言いようもしようもないほどもっとも貴いものは酒であるようですな
なまじっか人として生きているくらいなら酒壷になってしまいたい。そうして酒に存分に浸ろう
なんともみっともない賢こぶって酒を飲まない人をよく見たら猿に似ているんだなぁ
値がつけられないほど貴い宝玉も一杯の濁り酒になんで及びますかいな
夜光る宝玉よりも酒を飲んで憂さを晴らすほうがあたしは好きです
世の中にいろいろな遊びがあるが酒を飲んで酔っぱらうことに勝るものはない
この世でさえ楽しければ来世では虫にでも鳥にでもなってしまってもあたしゃかまいませんよ
生まれたら最後はきっと死ぬんですからこの世にいる間は楽しく暮らしたいものですな
むっつりと黙って賢そうにしてるのは酒を飲んで酔っぱらうことにね、やっぱり及ばないんですよ、あーた。
で、『万葉集』を見ていて気がついたのですが、この旅人の十三首のちょうど前が山上憶良の宴会から退出するときの有名な歌だったんですね。
山上憶良臣が宴を罷る歌一首
憶良らは今は罷らむ子泣くらむそれその母も我を待つらむそ
憶良はもうおいとまします。子どもが泣いていることでしょう。その母も私を待っていることでしょう。
憶良も酒は好きだったのでしょうけれど、子を思い妻を思い宴会から早めに帰りますわ、というこういう歌と旅人の歌とが並んでいるわけですから、『万葉集』の編纂・編集をした人たちもおもしろがっているんでしょうね。でもこのとき山上憶良は60歳から70歳ぐらいと言われていますから、まあ、宴会をしらけさせないためのジョークというか戯れ言ではあるようです。