現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

立春と大麦の追肥と『フラワーショウ!』と『続・無肥料栽培を実現する本』とニンジン


 立春
 百姓としては立春というとなにか、どこか心弾むような響きを感じてしまうな。ま、日本列島は縦にも長いので、まだまだこの時期、♪春は名のみの〜、ということになりがちですが。
 今日はとてもよく晴れて、気持ちのいい立春でした。風もまあそんなに強くはなかったし。もっとも朝の犬の散歩の時は日の出直前だったのですが、北の方から時雨雲が流れてきてざーっと雨に濡れたのでしたが。


 というわけで午前中は大麦に追肥をする。ええ、大麦の肥料はいわゆる一発肥料というやつで、何度も散布しなくても、一回の散布でいいようになっています。被覆肥料になっていて、ゆっくり溶け出す肥料が入っているのですが、播種の時に思っていただけの分量の肥料が落ちなかったので、肥料分が足りないということで、今日は硫安をすこしまきました。

 肥料をやっていたら、天気もいいし、散歩している人もいて、三人の人から声をかけられる。一発肥料で麦の施肥をしている人が多いので、追肥している男を見かけると、ちょっと声をかけたくなるんでしょうな。ま、それもわかります。
「こんにちは。麦の追肥?一発肥料やったら、追肥はいらんのやろ?」
「ええ、農協は実肥はすこしやったほうがいいかも、と云うてますけど、ちょっと播種の時に肥料がしっかり落ちなかったので。こうしてちょっと追い肥してます。」
「ああ、ほうなんか。あははは。ほら、丁寧に。むふふふ。」
と冷やかされてしまい、みたいなことなのだが、ま、いいんです。
 久しぶりの田んぼでの作業。動力散布機を背負って畦畔をずいぶんと歩きました。天気はよくても風は冷たいので、気持ちのいいことでした。
 午後はお寺の年番の仕事をすこし。
 夜は寄合い。この時期年度替わりで総会が続くので、その準備。


 ヴィヴィアン・デ・コルシィ監督『フラワーショウ!』(2016)を観る。もちろん僕らの世代ならフラワーショウと云えば「♪ようこそ〜みなさまぁ〜、ご機嫌よろしゅ〜、歌って笑ってフラワーショウ、どうぞぉ〜よろしく願いますぅ〜」という浪曲漫才というのか、歌謡漫才というか、楽器をもって女三人の漫才トリオです(笑)。
 どうもね、実話らしいのだが、なんだかなぁ、もうひとつでした。庭は美しいと思いましたけど。ま、いろいろわからないところもたくさんあるが、ストーリーが中途半端な気がします。うーむ。


 そいういえば忘れていたが、昨日の大津での会議の行き帰り、電車の中で岡本よりたか著『続・無肥料栽培を実現する本』(マガジンランド)を読了する。『無肥料栽培を実現する本』の続編なのだが、ええ、田んぼではなく畑の作物の無肥料栽培を実現するための本なんです。“ビギナーからプロまで食の安全を願うすべての人々へ”とも書いてありますな。水稲を中心の僕には畑作物が中心なのであまり役に立たないようにも思われるのですが、これが岡本よりたか氏は植物が自然界の中でどういうふうに生長していくのか、その原理原則を指摘されるので、とても刺激になります。要するに応用が利きそうな気がするのですね。
 それから電車の中のマスク着用率は50%を超えてましたな。僕も行き帰りでマスクを換えてバッチリマスク男に。


 昨日、畑のニンジンが何本か抜かれて、外の洗い場で水洗いされていた。金時ではなくて西洋系のニンジンですな。本来は秋冬が旬なのだろうけど、ちょっと蒔く時期の調整なんかで、この時期まで畑にあったんでしょうな。iPhoneで撮った写真を見ながら描いてみたけれど、あの鮮やかな緑の葉っぱがうまく描けませんな。子どもの頃ははニンジンは嫌いだったけれど、今はむしろ好きというか、嫌いなものがなくなってきました。というか納豆以外ならたいていおいしく食べられます。