現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

レノン号、ありがとう。


16日(土)
 終日、雨。
 田回りに二度でたけれど、仕事は休む。
 本をもって転がったら、三ページもすすまないうちに眠ってしまう。ということが二度。
 こういうときは眠るに如くはなし。と思うことにする。
 昼頃に散髪に行き、男前にしてもらう。
 夕方、事務仕事を少し。久しぶりに開高健と同じ万年筆にインクを吸わせて書いてみる。洗って乾かしてあったので、シュルシュルと書けて気持ちがいい。でもだからといってきれいな字が書けているかというとすこぶるあやしい。
 夜、ときどきInstagramに、筆でも筆ペンでもボールペンでも鉛筆でも、美しい字を書く動画を上げている人がいるので、勝手に先生にさせていただいて、真似して書いたりしているのだが、その人のライブ配信があったので、のぞいてみる。ライブ配信に次々に「この字を書いて!」というリクエストの書き込みがあって、その字を次々と書いていかれるのですが、ま、字が美しいのはもちろんですが、筆遣いが生で見られるのはうれしいですし、とても参考になるような気がしています。


17日(日)
 4時半に起きて、田回りに出る。風はほとんどないし、雨上がりで田んぼには水はたっぷりなので、先日田植えした「秋の詩」に投げ込み式の除草剤をやる。
 それから午前中はまるごと保全隊の活動で看板を立てる。「濁水防止」とか「ゴミのポイ捨て禁止」とか。
 長男は「こなし」作業に出てくれる。お昼に長男と交代して僕が「こなし」作業。また午後は長男が「こなし」作業。こうなると、トラクタの連続運転になって、効率があがりますな。
 午後の僕は精米など。それから畦畔の草刈り。
 草刈りしていたら、長男がやってきて、畔際に大穴があいて、水がドバドバダバダバと流れ出てしまっている!止められん!ふさげん!とのこと。見に行くと確かに大穴だ直径は30cmほどもあるだろう。横の排水路に水と泥がドバドバダバダバと流れている。これはいかん!大事な泥や土が流れ出てしまう。とにかく塞がなければ!とあちこち走り回って石を投げ入れてみるがどうにもならない。ムシロか藁でもツッコムしかないか、と家に戻ってみると苗代で使っていた不織布の半端20メートル分を見つけたので、これを穴にどんどん入れてみる。どんどん入る。どんどん入る。結局、全部入ってしまった。どれだか大きい穴なんだ!でもこれでなんとか水の流れは止まったみたい。横の排水路に流れ出た泥を鍬で掬って田んぼに戻す。やれやれ。これでちょっと様子を見るつもり。


 また畦畔の草刈りに戻り、日没なので田回りでて、家に戻ってみたら、家族が泣いている。レノン号が逝ってしまった。いや、覚悟はしていたけれど、・・・。けっこうツライ。
 このところずっと調子が悪くて、ばたんと横になったような姿を見せていたし。今朝は5時前に出てみたら、尻尾を振って起き上がってくれたのだが、散歩に出る気力は無いようだし、熱があるのか、雨上がりの冷たい土の上やコンクリートに直接寝るようになっていた。ほとんど食べないし、水を飲んでは吐くことを繰り返すので、連日、動物病院で点滴を受けていたけれど、「朝には紅顔ありて夕には白骨となれる身なり。」は、森羅万象、もちろん犬にもあてはまる。
 レノン号、12年間、毎朝、一緒に歩いてくれて、ありがとう。明日は埋めてやる。