現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

「こなし」と「尻踏み」と直播きの圃場に水を入れることと『天心』と谷川俊太郎の「ネロ」の新しい夏



18日(月)
 朝の田回りのあと、レノン号を埋める穴を掘る。1mほども深く掘る。その後、家族で埋葬。
 終日、「こなし」作業。


19日(火)
 終日、「こなし」作業。


20日(水)
 朝、先日埋めた田んぼの大穴の脇にまた穴があいて(陥没して)水と泥が流れてしまっていた。やれやれ。今度は先日より穴が少し小さめだが・・・。不織布は入りそうにないので、パレットに積んである肥料袋をまとめてあるポリ塩化ビニリデン(サランラップの大型版?)を詰めてみる。これも思いのほかたくさん入ったけれど、なんとか止まったようだ。
 午前中は「こなし」作業。それから精米。
 午後からはロータリーからドライブハローにアタッチメントを変えて、「尻踏み」作業に。


21日(木)
 昨日の夕方の田回りで、直播きした圃場ですこし芽が出てきているのを確認したので、今朝は田回りでもう一度確かめてから、水を入れることにする。直播きしてから今日でちょうど十日目になります。五日ほどで芽が出てきたこともあったのでやきもきしていたのでした。ま、揃ってきちんと出るかはまた別問題ではありますが。さてさて。


 その後は終日、「尻踏み」。それから直播きの圃場の畦畔の草刈りをしていたら農協のUくんが直播きの圃場を観に来てくれた。今日から水を入れはじめたことなど、あれこれ話をしていたら、普及所のFさん、Kさんなどもやってきてあれこれ話をする。有機の苗代や試験圃場を観てきて、少し水が深すぎるので尻水戸を下げてください、と教えてもらう。いや、気がついていたのだが、まだいいかな、と思っていたのだ。というわけで、すぐに尻水戸を3cmほど下げる。


 そういえば。松村克弥監督『天心』(2013)を観る。うーむ。岡倉天心とその弟子たちの話なのだが・・・。フェノロサ岡倉天心横山大観、下村観山、菱田春草、木村武山などなど日本画錚々たるメンバーが出てくるのだが。どうもね岡倉天心役の竹中直人が浮いてしまってますな。岡倉天心はこんな感じじゃないだろう、という気がしてしまいます。いえ、会ったことはない人ですけど。五浦での合宿生活のようなことや六角堂の話は何かで観たか読んだかしていたのですが、結局のところ師弟愛もそこそこしか感じられないし、岡倉天心がどういう人だったのかも、よくわからないままだなぁ。うーむ。
 菱田春草の妻の役をしていたキタキマユが一番自然でうまい演技だったような気がしました。


 レノン号が死んでしまったことを前回ブログに書いたら、谷川俊太郎の「ネロ」という詩を教えてくださった人がいて、僕も読んだことがあったので、いろいろ思い出してしまいました。「ネロ」は谷川俊太郎が18歳だったか、10代で出した最初の詩集『二十億光年の孤独』に入っています。1952年ですね。僕は大学生になってから読んで、すげーな、とは思ったものの、谷川俊太郎はすでにすごい人気だったので、なんとなくしらけてしまって、あまり読むことはなかったのです。その後、就職してから教科書なんかにもいくつもその詩が載せられていたので、読むことになりました。「ネロ」も教科書に載っていたような気がします。
 今、読み返すと、いかにも若々しく、みずみずしい、という感じの詩ですね。
 とくに間に挟まれている三つの問いや「新しい夏」が繰り返しでてくるのですが、なんともカッコいいです。
 ま、すでに十八歳ははるかに超え、六十歳が間近に迫る私にも「新しい夏」はやって来るのでしょう、たぶん。うーむ。あ、でもまだ10代の家族もいるし。ぴかぴかの「新しい夏」やってきてね。
しかしなんだな。”いったい何だろう” ”いったい何故なんだろう” ”いったりどうするべきなんだろう”って、今でも、やはりよくわからない。
「新しい夏」がいい夏でありますように。そうありたいよね、レノン号。






以下、すこし4日分の写真の中から。
↓直播きの圃場で少し芽が伸びてきた。ま、10日経っているので、他にもいろいろ雑草の芽も伸びてきてそうだけど。


↓庭の隅の畑の花。母に名前を聞いたら「忘れた。」とのこと。たぶん「シラー・ペルビアナ(オオツルボ)」でないかと思う。この花、最近流行っているのか、村の中でも今年はけっこう見かける。


ケヤキと黄色く登熟してきた六条大麦


↓ええ、六条大麦


↓小谷山をバックに「尻踏み」する。


↓今朝もどういうわけか捕まえてしまった二ホンカワトンボ。



新型コロナウイルスで、困っている人はたくさんいるが、もちろん農家の中にもたくさんいて、そういう農家にエールを送るという企画を日本農業新聞がやっていて、今回は加藤登紀子さんが書いている。ま、故藤本敏夫氏の農場のこともあるし、百姓を喜ばせる言葉をこの人は知っているんでしょうね。「農業こそが必要不可欠、最も将来性のある仕事であることを伝えたいし、日本の豊かさを示す最良の仕事として興味を持ってほしいです。」なんて、ちょっと言えないんですよね、たぶん。「必要不可欠」なのはよくわかるけれど、「最も将来性のある仕事」なのかな(笑)?


元宇宙飛行士の秋山豊寛さんが、中日新聞の一面記事になっていた。「そぎ落とした余裕に大事なものがある。」って、その通りだなぁ、と思います。


「コロナ禍の医療 構造改革のつけ今に」というコラム記事を中川雄一郎氏が日本農業新聞に書いていた。構造改革のつけが今、このコロナ禍を大きくしているのは確かだと思います。秋山豊寛氏の言葉と通底しています。


中日新聞の18日の社説に「コロナと食料 農業再生は「安全保障」」というのが出てました。当たり前といえば当たり前なんですけどね。


日本農業新聞「国家間マスク争奪戦 食の海外依存に警鐘」というコラム記事山田優氏が書いていた。これも当たり前といえば当たり前なんですが、ま、どうなんでしょうね。