現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

雨と新しいルーターと『ハドソン川の奇跡』と『明治百話』


13日(月)
 終日、雨が降ったり止んだり。よく降る。
 少し事務仕事。午後は長女とすこし用事で出かける。
 上の画の奥の山は賤ケ岳。麓の集落は木ノ本町の大音集落です。山の向こう側の左手が琵琶湖。山の向こうの右手が余呉湖となります。羽衣伝説、羽柴秀吉柴田勝家の合戦、それから琴の糸の繭玉の糸取りが有名ですね。今では一軒だけになってしまったようですけれど。水上勉の小説『湖の琴』は隣の西山集落が舞台となりました。西山集落は写真には写っていませんが、大音の集落の左隣です。写真を撮ろうと思ったのは賤ケ岳にかかった雲と手前の青田が雨でしっとりと彩度が上がったような緑が美しかったからですが、建物の二階の窓からではなかなかいい写真にはなりませんね。


 クリント・イーストウッド監督『ハドソン川の奇跡』(2016)を観る。いや、面白くて楽しめました。単なるヒーロー物語かと思ったら、そうでもなくて、いろいろ苦悩させます。この不時着の速報ニュースはリアルで観たとき、すげー!と思ったことでした。「155人の命を救い、容疑者になった男。」とポスターのコピーにありますね。
 でもハドソン川に不時着させた機長、キャプテンのセリフがいいんですな。同僚に対しても奥さんに対しても。友情と信頼。米朝師匠が「芸は最後は人柄です。」とおっしゃってましたが、最後の公聴会での機長の発言とか、その人柄が出てます。というかトム・ハンクスの演技がやはりスバラシイんでしょうけれど。クリント・イーストウッドもさすがですな。そう思いました。


14日(火)
 未明に雨が音とを立てて降って、防災情報のメールがたくさん着信。大雨洪水警報もでる。うちの学区では1時間に12mm、72時間で192mmだという。姉川で氾濫危険水位を超えたらしい。でも昼前には落ち着いて警報は注意報に変わりました。


 午前中は事務仕事を少し。午後は県事務所に書類の提出と歯医者さん。


 ルーターを長男が交換してくれた。今までのNECAterm WG2600HPは2017年の2月に使いはじめたのだが、昨日だったか長男が今のルーターを見に来て、新しいのに交換したいという。僕としては、光ケーブルでとても速く今のところなんの不満もないのだが、それは僕が有線でルーターとつないでいるからで、Wi-Fiだとちょっと事情が違ってきたみたいだ。奥さんや兄弟姉妹がみんなスマホになり、パソコンやタブレットもそれぞれ家の中ではWi-Fiを使っているので、みんなが同時に使うと遅くなると長男が言っていたのです。
 この新しいBUFFALOのAir Station はWi-Fi 6に対応して、最大転送速度は10Gbpsで、端末36台、12人ほどまでいけまっせ、という宣伝のルーターらしい。しかし、サイズも大きくて、あーたはドローンか、と言いたくなるような大きなアンテナが4本も付いてます(4本に見えるけれど、ホントは8本らしい)。2.2GHzクアッドコアCPUで、でっかいヒートシンクが二枚も入っているという。いやはや。しかし、うちの家族でWi-Fi6対応のスマホを持っているのは長男だけなのかな?次女もか?僕はもともと快適だったので、速くなった感じはしないが、長男は速くなったと大いに満足していた。
 なんだかもう通信環境の進歩についていけてない(笑)。ま、長男に任せればいいだけのことなんだが。


 篠田鉱造著『明治百話 上・下』(岩波文庫)が届く。最初の「首切朝右衛門」から読み出しましたが、これは、これは。なんだかすごく面白い。報知新聞の記者としてさまざまな人から聴取したものをまとめたものだそうです。
 先日のブログで切腹介錯人のことを少し書いたら、恩師がこの『明治百話』の「首切朝右衛門」のことを教えてくださいました。ありがたいです。面白い本とか映画とか、ほんとうは詳しい友人知人から教えてもらうことが一番なのはよくわかっているのですが、田舎で百姓をしていますと、そういう情報も入りにくくなります。SNSとかインターネットのつながりで、そういうところが少し補えるのはありがたいです。


 今日の日本農業新聞のコラム記事。豚熱関連の話なので、水稲の僕にはあまり関係ないといえば関係ないのですが、ネット上で政策にいろいろ意見が出て世論が作られ、当初案が変更されていくなんて、確かにちょっと新しい感じです。それとコラムの中盤、“環境にも、人にも、動物にも、その他の生き物にも、景観にもやさしく生産された農産物は、できたものも、ホンモノで安全でおいしいという感覚”というのが、ちょっと胸に響いたのでした。
 辻井農園のお米も同じ発想でお米を作っています。令和元年産のお米は早々に12月に売り切れてしまって、嬉しいやらツライやら、申し訳ないことだったのですが、おなじように考えてくださる消費者の方は確実に増えてきていると思っていて、ありがたくうれしく思っているところです。