現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

葬儀とドライブと「江夏の21球」

 今日は親戚の葬儀があったので大津までいく。本当の身内というか、血縁があるわけではないのだが、うちの家族が世話になってきた。コロナ禍ということもあるし、少人数での葬儀でしたが、あれこれ思い出すこともあり、お別れをさせてもらいました。
 行きは大津まで名神高速を使いましたが、帰りは久しぶりに湖岸道路を走りたくなり、ずっと琵琶湖を見ながらのドライブとなりました。実際のところはどうかわかりませんが、秋空のもと、青く輝く琵琶湖はとてもきれいでした。
 帰り道はちょうどお昼になったので、何か食べたくなり、ふっと思い出して鳥居本蕎麦屋さんに寄ってみましたが、僕の前でちょうど蕎麦が売り切れてしまったとのこと。11時から14時までの営業時間で、12時半に寄ったのに、もう売り切れなんて。ま、確かに駐車場も裏に広くなっていましたし、車も思ってた以上にたくさん止まっていました。繁盛の様子。「今は蕎麦がきしかできなくて・・・。」とのこと。ちょっと迷いましたが、蕎麦をたぐってずずずずっ、とすることばかり考えていたので、「また来ます。」と帰ってきました。もう3分早く着いていれば、ありつけたのに。


 帰ってきて、午後は畦畔の草刈りに出る。



時の記録 江夏の21球

 このYouTubeも三回くらい観てるんだけど、実際の日本シリーズも僕はテレビで中継を見ていて、ハラハラドキドキさせられていました。ああ、もちろん山際淳司の文章も角川文庫で繰り返し読んでいます。
 江夏はスゴイんだけど、日本シリーズを見終わった高校三年生の僕は石渡のことを心配してました(笑)。大丈夫かな、って。このときの日本シリーズではけっこう好調だった印象があるのですが、これでちょっと何かが変わってしまいました。44分30秒あたりの石渡のコメントも、僕は妙に好き。
 古葉監督もこのときの江夏との確執で、やはりちょっと何かが変わってしまった気がしました。西本監督はいかにも関西の上品なおじさんというムードを当時から感じていました。
 まあしかし、江夏の腹の出た体型はどうなの?と当時からずっと思っていたけれど、あるとき、テレビのインタビュー番組だったかで江夏が読書家、読書好きであるということを知ったんですね。プロ野球選手は移動が多いですし、ホテルで夜を過ごすことも多いわけです。ま、飲みに出ることも多いのでしょうけれど(あの腹の出方を見ればビールも好きなんだろうか、と思いますよね。)でも移動時間、宿舎での時間、一人で過ごすことも多いはずです。江夏はそういうとき、時代小説を読んでいたらしいんですね。ええ、歴史小説でなくて時代小説。いや歴史小説も読んでいたかもしれませんが、インタビューしていたアナウンサーには時代小説と応えていました。作家の名前は出してなかったと思いますけれど、吉川英治五味康祐柴田錬三郎など剣豪小説か、それとも山本周五郎藤沢周平か、長谷川伸子母澤寛か。とにかく時代小説が好きだったらしい。なんだかね、このインタビュー番組でまた江夏に対するイメージが変わったんです。
 純文学とか大衆文学とか、妙なジャンルわけをするのはナンセンスだとは思いますが、でも僕は若いときには純文学が好きでした。というか純文学作家と言われている作家の書く小説やエッセイが好きでした。芥川賞作家を中心に読んできたのかも。だからあまり直木賞作家を読んでいなかったのですが、藤沢周平で変わりました。これが、でもどういうわけで藤沢周平を読みはじめたのかがわからない。このブログを検索してみたら、2005年に藤沢周平『驟り雨』を読了した、ということが書いてあります。たぶん、2002年公開の山田洋次監督の『たそがれ清兵衛』を観てから、あるいは映画の評判を聞いて、読み出したのかも。
 動画の中に出てくる選手も、監督も、野村克也氏も、みんな若い。すでにこの世にいない人も多い。人の生のありようは、不思議だし、おもしろい。そうして他人の生はもちろん、自分の生もなかなか理解しにくいものでもあるし、そうしてあっけなく終わってしまうものでもあるのだろう。山際淳司の『スローカーブを、もう一球』のようなスポーツドキュメンタリー、スポーツノンフィクションが読みたいな。