現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

畦畔の草刈りと『復活の日』と往復書簡


 昨日今日と二日とも爽やかな秋空が広がって少し風も吹いて、なんとも気持ちのいいお天気だった。


14日(水)
 朝から気持ちよく晴れる。
 作業所の中の選別機の周りを掃除して、最後のくず米を集めて掃除する。そうしてくず米も出荷してしまう。
 その後、大麦を播種する圃場の畦畔の草刈り。
 午後も畦畔の草刈りの続き。というわけで、終日、畦畔の草刈り。


 夜、深作欣二監督『復活の日』(1980)を観る。主演は草刈正雄。ボー・スベンソン、オリビア・ハッセーほか日本の映画なのに海外のけっこうな俳優さんが出ている。MM88という細菌兵器というのか、ウイルス兵器で、全世界がパンデミックになり、人類が滅亡するという映画。ま、実はウイルスは氷点下では毒性が下るとかで、南極大陸の観測基地にいた863人が生き残ったという話です。ええ、原作は小松左京。1964年に書かれている小説ですが、ちゃんとパンデミックの様子を書いていて、さすがですね。原作は未読です。この映画も僕が学生の時に封切られているので、予告編も映画館で何度か観た覚えがあるんですね。角川映画ですが、たぶんお金がかかっているので、なんとか元を取るべく宣伝を必死のパッチでやっていたんだと思います。
 ま、1980年の映画なので、ツッコミどころはいくつかありましたが、さすがは深作欣二、手堅くまとめているような気がしますし、木村大作のカメラもあって、風景もなかなか美しいです。


15日(木)
 朝から気持ちよく晴れる。
 朝のうち精米など。
 それから大豆の圃場の畦畔の草刈り。午後も大豆の圃場の畦畔の草刈り。こんなこと恥ずかしくてホントは書きたくないが、あんなに頑張って二度中耕やら土寄せやらやったのに、うちの大豆が雑草の中に沈んでいる(笑)。パッと見ても大豆の圃場とはわからない有り様。農業のプロとしては、恥ずかしい状態なのだが、無農薬で栽培したので、水稲にバタバタしているうちに、こんなことになってしまいました。やれやれ。これからは雑草の中から大豆を探しながら草を刈ることになりそうです。とほほほ。
 でもね、草の中の大豆をよく見ると莢はたくさん付いているんです。ええ。半泣きになるかもしれませんが、辛抱して草刈りに頑張るつもりです。ああ。


 昨日も今日も天気がいいので、夕陽、夕焼けがすばらしかったです。




 上の写真を見ていたら、昔、『あしながおじさん』というジーン・ウエブスターの小説を熱心に読んだのを思い出す。児童文学というジャンルなのかもしれないが、僕は中学生だったか、高校生だったか、すでに児童ではない頃に新潮文庫だったかで読んで、とてもおもしろかったのです。書簡体小説というのも初めてだったし。ジルーシャ・アボットという女の子の名前も覚えている(笑)。ジュディと呼ばれていたようだけど。
 書簡体小説というと、まあ、書簡体小説に駄作なし、という噂もありますが、宮本輝の『錦繍』を思い出します。これもはまったなぁ。僕は高校の時の水泳部の仲間で、同じクラスでもあったK君と大学生の時に一年半ほど、ハガキによる文通をずっとしていたことがあって、おもしろかったのです。僕は富山にいて、K君は弘前にいたんだなぁ。二十歳前後のあの壮大な叙事詩のようなハガキも残してあります(たぶん)。K君はもう残してないかな(笑)。普通は残してないわな。思い出したけど、同じ頃、高校の同じクラスだったHさんとも一年ほど手紙のやり取りをしていたなぁ。彼女は京都にいました。彼女はハガキではなく封書でくれていたので、僕も便箋に封書で送ったはず。ま、彼女ももうそんな手紙は残してないだろう(笑)。僕はたぶんどこかに残していると思うけど(笑)。
 ああ、40年も昔の映画を観たからかな、40年も昔にやり取りした手紙のことを思い出してしまった。あれから40年という月日にも驚きます、あらためて(笑)。字はやはり上手に書きたいが、ままならぬものですな、まったく。もし当時、普通に字が書けていたら、もっと違った人生になっていたかもしれない、とふと思ったけれど、笑うしかない。