現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

溝切りと雨とお茶と『モンパルナスの灯』


16日(金)
 朝のうちは精米など。
 そのあとトラクタに培土板をつけて溝切りに出る。大麦の播種にむけて排水対策で圃場に溝を切るのです。
 明日は雨降りだという予報なので、午後もしゃにむに溝切り。といってもトラクタに乗って溝切りをしているのは長男で、あたしゃ、鍬とスコップで溝と溝をつないだり、溝に落ちた土を上げたり、尻水戸に水が流れるようにしたり、いやー、鍬やスコップ仕事は疲れます。昔の百姓はえらいなぁ(笑)。
 というわけで夜、風呂上がりにビールを飲んだら、知らないうちに爆睡。こんなことをしていると風邪をひくぜ。


 朝夕は少し気温も下るようになってきていて、数日前から朝食前に熱いお茶を淹れるようになりました。熱いといっても玉露を淹れているので、冷ましてちょっとトロリとした感じを楽しんでいます。温度や時間の関係で苦味が出てしまうこともありますが、うまく淹れられると、ほんとに朝からちょっとシャキッとした感じになります(笑)。


17日(土)
 朝起きたら、あちこち筋肉痛。やれやれ。昨日の鍬仕事、スコップ仕事が効いたのだろう。ちゃんと翌日に筋肉痛が出ているのが、若さの証拠か(笑)。
 というわけで、今日は朝から終日雨。そんなこんなで精米と事務仕事など。



螻蛄を捕まえる

 昨日、スコップ仕事をしていたら、尻水戸のところでケラを見つける。百姓にとってはケラは畦畔に穴をあけるので厄介者扱いらしいが、僕は子どもの頃から好きな虫。泳げるし、穴を掘るし、なにかと子どもの遊び相手としてはおもしろい虫ですね。手で軽く握っていると、指と指の間を必死に力ずくで開こうとするのですが、これがけっこう力強いんですよね。


 夜、ジャック・ベッケル監督『モンパルナスの灯』(1958)を観る。うーむ。映画としてはもう一つか。でも、観終わっていろいろ思うところもあった。画家のモディリアーニの伝記映画なんだが、モディリアーニを演じたジェラール・フィリップが、確かにアラン・ドロンに似ているし、いや、アラン・ドロンジェラール・フィリップに似ているのか、男前です。目がね、白黒なのでわかりませんが、虹彩が何色なんだろう。青?グレー?脚本がもう一つなのか、彼の苦悩とか病気の様子がわかりにくいところはあるような気がしたけれど、カッコいい役者さんでした。で、もって奥さんのジャンヌ役がアヌーク・エーメ。この映画から人気が出たらしいけど、そりゃ、誰が見てもべっぴんさんだし、奥さんとしてのたたずまいもなんだか素敵でした。ラストシーンはとても印象的。まだ若そうなリノ・ヴァンチュラが出てます。あの顔は見たらすぐにピンとくる顔ですね(笑)。
 モディリアーニという画家は、首が長かったり、瞳が描かれていない目だったり、首がかしげられていたり、僕にはちょっとポップな感じの絵のようにも思います。80年代に日本で展覧会でもあったのかな?私はその頃に知った画家です。
 モノクロームの古い映画だけど、モンパルナスという芸術家が集まった街のムードが、僕にはもう一つわかりませんでした。というか、画商や友人は出てくるけど、他の画家とかぜんぜん出てこないので。パリの芸術家のコミュニティは20世紀初頭のモンマルトルの丘から始まり、モンパルナスを経てサン・ジェルマン・デ・プレに移ってきたということですが、今はまた違うのでしょうね。というか芸術の都も今はパリからニューヨークに移ってしまいましたが。