現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

秋晴れから雨と21年度のコメの適正生産量と農産物のJAPANブランド

21日(水)
 朝から秋晴れ。
 午前中は大麦の圃場で排水対策のための溝切り。長男にトラクタに乗ってもらい、僕は溝幅を決めて目印の棒を立てたり、トラクタで切った溝をスコップや鍬でつないで尻水戸までつないだりする。
 夕方は刈払機で大豆の圃場の畝間の草刈りに悪戦苦闘(笑)。


22日(木)
 朝から曇り空。お昼前から雨が降りだす。
 僕は終日、精米と発送準備。夕方、少し離れた郵便局まで持っていって最終便で発送する。


23日(金)
 朝から雨降り。朝、大雨注意報が出た。
 今日も朝から精米など。


 どうも最近、なかなか夜に更新できない。ま、カープの野球中継も理由のひとつだが、ここのところ鍬仕事、スコップ仕事、鎌仕事などが続いていて、あちこちに肉体疲労がたまりつつあって、夜になってビールを飲んでしまうと、どうにも起きていられないのが、一番の理由かな。


 ここのところ、「日本農業新聞」の記事があれこれ、忙しい、というか、特集記事が組まれたりしてバタバタしている。いくつか問題があるようなのだろうが、コメ農家にとって一番大きなニュースは、コメの需給がが緩んで、コメが余ってきている。それで、つまり21年度は適正生産量は679万トンで、20年産より56万トン減らしたほうがいい。と農水省はおっしゃるわけですね。
 10/6「米需給「緩む」一層強く 9月景況調査 6年ぶり低水準」
 10/17「21年産米 適正量に衝撃 転作支援の要望続出 農水省食糧部会」
 10/20「米の適正量大幅減 危機感共有産地全体で」
 10/21「[米需要の危機](上) コロナ 外食直撃 需要“蒸発” 想定の倍」
 10/22「[米需要の危機](中) 減らない作付け 潜在的な課題 表面化」
 10/23「[米需給の危機](下) 56万トン減の衝撃 産地努力だけでは…」


 「日本農業新聞」はJA系の新聞なので、主張が偏るとまずいので、いつも購読している「中日新聞」で検索してみたのですが、ヒットしませんでした。いや紙面で記事は読んだことあるんですが・・・。ネットでヒットしないのは何故かな?仕方がないので、これは「日本経済新聞」の記事も一本だけ上げておきます。
 10/17「21年産コメ、過去最大「56万トン減産必要」 農水省が見通し 北海道の生産量相当分の削減促す コメ余り深刻で」


 「日本経済新聞」の記事では減産の56万トンというのは、全国2位の北海道の米の生産量に匹敵するとありますね。近畿地方(2府4県)の生産量とだいたい同じです。ですから56万トンという数字の衝撃がコメ農家に走っているわけですね。コメ農家と書きましたが、野菜や花や畜産の農家もコメを作っているところも多いわけですからね。
 もっとも国は「農家自らが経営を判断してください。減反廃止です。国の主導で生産調整はもうしません」といっているわけですから、「計算すると需給安定のための妥当な生産量は679万トンと20年産の収穫見通しより56万トン(8%)少なくなりまっせ。知らんけど。」ということになります。
 まあ、もう数年間からコメが余りそう、という話は、人口減・食生活の変化などでずっと言われ続けているのですが、生産調整やら災害やら不作やらでなんとかウヤムヤになっていたのが、コロナ禍や豊作で顕れてきたのしょう。


 昨夜の「クローズアップ現代」が有機栽培に取り組む農家の間で評判がいい。「世界でどう闘う?農産物のJAPANブランド」というタイトルだそうです。僕は見逃したけど(笑)。
 なかなか世界の農家の動向は掴みにくいけれど、有機栽培、無農薬栽培など、オーガニック指向であるのは間違いないのに、日本では大規模農家に農地を集約させる政策をうち、農業が大規模になれば農薬をどんどん使って雑草を抑えて効率的に作業する方向になるわけで、そうなると国民は農薬漬けのような農産物を食べることになるし、輸出しようとしても農薬の基準のゆるい日本の農産物を海外に輸出できないという事態になる、ということらしいです。番組を観ていないのにあまり知ったかぶりのことも書けないけれど、さもありなん、と思えなくもないです。


 このブログでも何度か書いているのですがSDGsって、動いているようで、日本ではまだまだ動いていないですね。SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。17の大きな目標があるのですが、最初の6つの目標を見てみるだけでもこの地球上で、人類が生きて行くための大きな目標が掲げられています。
17の目標




 貧困や飢餓といった問題から、働きがいや経済成長、気候変動に至るまで、21世紀の世界が抱える問題・課題が包括的に挙がっていますね。毎年のように異常気象と言われるようになって、気候変動というか、地球温暖化が進んでいることを感じておられる人も多いと思います。でも、こういう地球規模の問題は日本の国だけで取り組んで解決するような問題ではありませんね。合衆国も中国もロシアもヨーロッパ、南米、アフリカの国々など、地球上で暮らす人々がみんな取り組まなければいけない問題です。でも貧しくて今日の食べ物を得るのがやっとという国、人々もたくさんいるわけです。貧困をなくす、飢餓をなくす、健康と福祉、教育、そういう基本的な人権があって、あまねく人々に仕事がありお金が回っていくという仕組みがないと気候変動に対する具体的な対策をするなんてできないですね。要するに自分だけお金持ちになって楽に暮らしていくということができない世の中に地球規模ではなってきているのだと思います。ま、そうは言っても、まずは自分や自分の家族、自分の国の暮らしを一番に考えてしまうのですが、それだけでは自分の暮らしがうまくいかないようになってきたということですわね。


 今日は新聞記事をたくさん載せたのですが、そういえば、22日の中日新聞の一面の「言の葉」というコラム記事にウルグアイホセ・ムヒカ元大統領の言葉が載っていた。ホセ・ムヒカ氏はコロナ禍のなかで持病もあるので政治家から引退するそうです。うーむ。これからは畑仕事をするそうですが。僕はあの何年前だったか国連でのムヒカ氏の演説が話題になって以来、ムヒカ氏のファンです(笑)。はい。七転び八起き。そうありたいものだし、そういう風にしか生きられないですな。起き上がったとしてもすぐに転ぶことも多いので。そうして時に七転八倒してます(笑)。