現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

精米と培土板と大豆の畝間の草刈りと匈奴


 朝のうちは精米など。
 父が苗代の準備で「こなす」というので、小さいほうのトラクタをもってくる。その後、父が苗代の東の一枚を「こなし」てくれた。ありがたい。


 僕は農機センターのKさんに電話して、先日の溝切りの途中で培土板がすり減って底の部分が外れてしまったので、溶接してもらえないか、と見てもらう。Kさんは見るなり「これはちょっとずいぶんすり減ってしまっていますね。溶接しても・・・。ちょうど今中古の培土板があったような気がするので、見てきますわ。」と言ってくれた。農機関係でよい中古の出物があるのは少ないので、ありがたい。


 午後は大豆の畝間の草刈りに出る。ちょうど休憩していたらKさんが「いいものがありました。」と中古の培土板を持ってきてくれた。うちの培土板と比べるとずいぶん新しい。もちろんなんの文句もないので、購入することにする。


 日没まで大豆の畝間の草刈り。このあたりでもすこしづつ紅葉してきている。まずはサクラ、それからケヤキ。青空に映えますね。


 大豆の畝間を刈った圃場。うーむ。ま、見るひとが見れば、悪戦苦闘がしのばれる画像(笑)。↓



 上の画像の右隣の圃場。まだ悪戦苦闘中なのがよくわかる。手前は畝間を刈ってなんとか大豆が見えてきましたが、奥の方は・・・。恥ずかし。↓



これも実は大豆の圃場・・・。うん?大豆が見えない?ええ、あーた、探し方がたりません。↓







そんなこんなで日が沈むのでありました。大豆の圃場に落日。↓



 落日という言葉にふれると、でもあまりこの頃は落日という言葉はあまり出てこないけれど、井上靖の詩を思い出します。中学生の時に友人のTくんが「これ、おもろかったで。タイトル読めるか?」と言って差し出した文庫本が井上靖の『敦煌』でした。読めるか?と言われても、中学生がいきなり、「敦煌(とんこう)」って、読めるかいな。「煌」は「コウ」と読めても、「敦」が「トン」とはなかなか読めませんね。「うーん。」と唸っていると「とんこう」やわ。と教えてくれた。もちろんすぐ文庫を買って読んだら、めちゃくちゃおもしろかった。その後すぐ『楼蘭(ろうらん)』とか『蒼き狼』とか、井上靖の西域物といわれるものを読みました。読んだもの全部、ことごとくおもしろかったです。その後に『しろばんば』も『あすなろ物語』も『氷壁』も『天平の甍』も『闘牛』も『北の海』も・・・文庫になっていたものは概ね読んだと思います。当時は井上靖の文庫本はたくさんありました。でも今は絶版続きでぐっと少なくなってますね。NHKの『シルクロード』という番組が大ヒットして、井上靖も注目されてました。
 井上靖は『詩集 北国』という散文詩の詩集を出しています。これが、あーた、あたしは大好きで、高校生のとき、うん?大学生になってからか?とにかく繰り返し読んでいました。なかに「落日」というタイトルの詩もありました。司馬遷の『史記』には『匈奴列伝』というのがありますが、匈奴という民族というか、国というのか、はあまり有名ではありませんが、あの万里の長城がつくられたのは、匈奴をはじめとする北方民族の侵入を防ぐために秦の始皇帝からつくられてきたといわれています。うーむ、歴史のことになると、とたんにあやしくなるけど。匈奴漢民族からすると敵対する民族で悪く描かれがちですが、井上靖は「私はこの話が好きだ。この話の故に匈奴という古代の遊牧民族を信用できる気になる。」と書いています。もちろん僕も井上靖が信用するというのなら、僕も信用する、と思ったものでした。