現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

相変わらずの畦畔の草刈りと『麦秋』と年金事務所と大豆増収にむけての土づくり


7日(月) 二十四節気の「大雪」
 午前中は精米など。
 午後は農協にアンケートと調査票を提出し、畦畔の草刈りに出る。
 来年は少し圃場が増えることになって、今日もその田んぼの畦畔も含めて草刈り。畦畔の草刈りはまあその耕作者によっていろいろで、丁寧に草刈りをする農家もいれば、草刈りは少なくして除草剤で抑える農家もある。また余裕がないと最初除草剤をまいて、あとはそのままという農家もたまにおられる。基本、農家はそれぞれが経営者なのでやり方がそれぞれ違うので、いままで他の農家が耕作していた田んぼを任されて耕作することになると、やはりちょっと苦労したりする。
 ま、でも耕作面積が増えるのはありがたいことなので、頑張ってきれいに作らねばなりませんな。
 というわけで、張り切って草刈りをする。


 草刈りをしていたら隣に皇帝ダリアが咲いてました。もう盛りは過ぎていましたが。でもさすがは皇帝。立派な姿でした。


 夜、小津安二郎監督『麦秋』(1951)を観る。これも二回目かな。先日観た『晩春』と似た結婚に関する騒動というか、騒動とも言えないようなゴタゴタなのだが、まあ、どこの家庭でも同じようなことはあるのでしょうなぁ。うーむ。
 『晩春』より僕は好きかな。原節子淡島千景三宅邦子東山千栄子杉村春子と女性陣がいいですね、活躍してます。それから笠智衆が黒髪で演技しているのも、おもしろい(笑)。


8日(火)
 朝のうちに精米などをすませる。
 それから午前中はおばさんの遺族年金の申請で彦根年金事務所にいっしょにいく。おばさんは年齢も年齢だし、耳は遠くなってきたし、車の運転もできないので、世話を焼くのですが、しかしなんですな、年金というのもあれこれいろいろありますな(笑)。としか言いようがないのだが、相談を予約して、あれこれ書類も準備して、おばさんが教えてもらいながら書類を書き続けて、一時間以上かかりました。ま、でも無事に申請書を提出して受け付けてもらってありがたいことでした。


 午後は「湖北地域土作りセミナー」に参加する。三重県の土壌医の会の近藤芳弘氏の『水田輪作体系における大豆増収にむけて土づくり』という講演を聞く。ま、今年、大豆を雑草に沈めてしまった農家としてはメモをとりながら真剣に聴かねばなりません。ええ、いろいろヒントがありましたし、土づくりの因果というか、なぜそうするのか、という科学的な理由も説明してくださってわかりやすかったです。水を張る水田の土づくりと土を乾かす畑作の土づくりとの違いも説明していただきました。土の中のことは目に見えないのでわかりにくいのですが、有機物が分解されて作物が吸収できる窒素になるまでに、けっこう化学的な変化もあるのでややこしくなるのですが。アンモニア態窒素とか硝酸態窒素とか、イオンによる吸着とか、百姓もいろいろ教養が必要な時代になりましたが・・・。あれ?そういうことぜんぜんわからんクヤシイ!と思った若い農家はちゃんと勉強するんですよね。僕にもそういうことがだんだんわかってきて、やっぱり農家は経営者でもあるんだな、ということに心震えたりしています。ええ、最近、なにかと心が震えるのでした(笑)。

 会場の湖岸の「臨湖」から出ようとしたら、外は時雨れていた。「臨湖」は琵琶湖の長浜港にあります。一枚だけ時雨の琵琶湖を撮ってみました。