現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

冬日のビビ号と草刈りとタイヤ交換と『猫だましい』


10日(木)
 午前中は精米など。
 午後は畦畔の草刈り。草刈りの終わりがけに農機センターのK君がやってきて、「近江のお茶」を手渡してくれる。うーむ。年末のお歳暮がわりということか。話をしているうちに宝くじの話になり、7億円当たったらどうしよう、というバカ話になり、二人で冬の夕暮れの田んぼの畔の上で大いに笑う。


 上の写真、なんだかいろいろ写ってしまっていて笑える。左上は草むしりする父です。


11日(金)
 午前中は精米など。
 午後は畦畔の草刈り。
 昨日で一週間ほどあった楽天のスーパーセール期間が終わる。


12日(土)
 来週は月曜から気温が下って、火曜日などは平地でも雪になるかも、とお天気オネーサンがおっしゃっていたので、これは、これは、と僕の車と奥さんの車のタイヤをスタッドレスに交換する。次女は先日スタッドレスタイヤを購入してはめてもらってきたそうだ。そういえば春に油圧ジャッキのオイルを補充したので、ジャッキの調子もよく快調に交換できた。むふふふ。
 そのあと試運転をかねて、バタバタとあれこれ用事をすませる。


 ハルノ宵子『猫だましい』(幻冬舎)を読了する。ここ数日枕頭本にして読んでいたのだが、何度となく声を出して笑ってしまった。ま、どれだけ笑っても、自分の家の蒲団の中のことなので、家族に呆れられたり、嫌な顔をされるぐらいですむ。(最初、猫だまし、かと思ったら、猫だましい、だった。なるほど。)こんなおもしろい人がいたんだ、と思ったら、漫画家で吉本隆明の長女ということらしい。2020年の10月30日に出たばかりのこれこそぴかぴかの新刊ですが、「小説幻冬」に2017年7月号から2020年4月号までの連載されていたものらしい。帯には「自らの闘病とさまざま生命の輝きと終わりを、等価にユーモラスに潔く綴る、名エッセイ。」とあって、小川洋子川上弘美町田康山田詠美錚々たる作家がコメントしています。私は名前を聞くのも文章を読むのも猫の絵を観るのも初めてでした。いた、確かに名エッセイだな、文体も僕の好み。「乳がん、大腿骨骨折による人工股関節、大腸ガン・・・。自身の一筋縄ではいかない闘病と、両親の介護と看取り、数多の猫や大切な人との出会いと別れ。」なるほど。
 エッセイの中にもちょっと出てくるのだが、ハルノ宵子さんは自宅を改装して「猫屋台」の店主として厨房で腕を振るっているらしい。
 うーむ。還暦前の、百姓の私は、読んでいて「死生観って、大事だよなぁ。」などとなんとも生ぬるいような、マヌケなようなことを思ったりしたのであるが、(ちなみにこのエッセイの中には死生観というような言葉は出てきませんので、ご安心を。あ、川上弘美が帯のコメントの中で使っていた!)しかし、死生観などという哲学的なことは、ちと私の手に余るなぁ。死生観というような言葉が浮かばせただけでも、これは名エッセイではある。百姓は、しかし、季節の巡りの中で生き物(私の場合、主に植物ですが)の生き死に、生命の循環、というようなことを目の当たりにする仕事ではあります。