現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

寄合いと『記者たち 衝撃と畏怖の真実』

 冬至です。
 朝から事務仕事と精米など。
 それから農事組合で生産調整の会議。10月に農水省が2021年産の米の適正生産量をが679万トンに設定したというニュースが流れて、僕もブログで少し取り上げたのだが、要するに水稲の適性生産量が一気に大幅に下ったので、あちこちに衝撃が走りました。地域の農業再生協議会からこのあたりの転作率が公表されたので、それに対応する寄合いです。まあ、消費量が減っているわけだから生産量を減らそうという話はわからなくもないのだが、それならなんで海外からさらに米を輸入しなくてはならないのかなぁ。


多様で独立した自由なメディアこそ、米国の民主主義にとって重要だ。 ビル・モイヤーズ
って、映画の最初に出てくるのだが・・・。ビル・モイヤーズって誰?
 ロブ・ライナー監督『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(2017)を観る。ウディ・ハレルソンジェームズ・マースデンがナイトリッダー社の新聞記者を演じています。2001年9月11日に同時多発テロが発生したあと、ブッシュ大統領イラク大量破壊兵器があると言って2003年にイラクと開戦して、圧倒的な武力でイラクを占領し、ブッシュ大統領は勝利宣言したんだけれど、大量破壊兵器はついに発見されなかった、ということを覚えている人も多いと思います。若い人は知らないのかも。でもこのイラク大量破壊兵器云々は、最初からウソだったんですよね。どうもラムズフェルドイラク開戦を画策し、情報の捏造していたということなんですが、まあ、ニューヨーク・タイムズをはじめ大手のメディアが政府広報と化していくなかで、ナイト・リッダー社だけが、取材を通じてそのウソを追求していくというドキュメンタリーの映画です。字幕とか、なかなか心を打つセリフも次々と出てくるのだが、まあ、映画としてはあまりヒットしなかったらしい。ま、ちょっと確かに映画としては薄っぺらい感じはしましたね。記者の若い二人は大統領の発言に「それは真実ですか?」という記事を書き続けるわけですから、なにかもっと恐怖心みたいなものもあったはずなんですけどね、正義の塊みたいに突き進んでいきますからね。まあ、そういうメッセージ性の強い映画というか、メッセージありきの映画ですからね。(あの『大統領の陰謀』でもそうでしたが)、ちゃーんとアメリカの政府機関の役人の中に、新聞記者に(義憤にかられて?)真実をリークしている人物が出てくることですよね。もちろんオフレコだったり、匿名で、ですけれど一緒に飲み食いし笑いあわなくても、おかしなことはおかしいとちゃんとリークする人物が出てきていること。それがあるから記者も自信をもって記事を書けるわけですが、日本ではどうなのかなぁ?
 あと部下の若い記者を守り育てる上司、幹部の姿勢というのも大きそうな気がしています。「手柄は若い奴らに。」というトミー・リー・ジョーンズの字幕のセリフも印象的。しかし、似顔絵というか、誰かに似せて描くというのはいうのは大変なことですなぁ、まあ、いいけど。
 「衝撃と畏怖(“Shock and Awe”)」というのは、2003年のイラク攻撃作戦の名前なんですね。世界最強の米軍が圧倒的な武力でイラクに衝撃と畏怖をあたえまっせ、ということなんでしょうけれど・・・。えー、今の日本で「衝撃と畏怖(“Shock and Awe”)」の報道をしているのは「文春」が一番ですな。