現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

クリスマスと事務仕事と『地上に星座をつくる』石川直樹と石川淳

23日(水)
 すでになにをしたか覚えていない(笑)。いや、覚えていることもあるのだが、ここでは書かない。


24日(木) 
 終日、精米と事務仕事。


25日(金) クリスマス
 終日、しぐれ模様。雨で田んぼの雪もずいぶん解けて、田んぼがじゃぶじゃぶになってました。
 午前中は精米など。それから農協で手続きなど。
 午後は事務仕事など。
 夜は寄合い。いつもは三部屋にしきってある襖をあけて大広間にして10人ほどがまばらな座布団の上に座る。ま、いいけど。


石川直樹『地上に星座をつくる』(新潮社)読了。2020年の11月20日に出たばかりのホカホカの本。枕頭本にしたので、短いエッセイ集なので、一つ読み終わるとすぐ寝落ちしてしまったので、先に読んだ『最後の冒険家』は一気に読めたけれど、ずいぶん時間がかかりましたが、いや、おもしろかったです。よい本でした。
ちょっと最近石川直樹に入れ込んでいるのは、ラジオで石川直樹が石川淳の孫だということを知ったからです。いや、もちろん石川直樹のことは知っていましたが、どうも石川直樹は童顔なんですよ。1977年生まれですから、いくつだ?昭和でいうと52年か。2020年ですから43歳ですよね。でもとても43歳に見えない顔なんだなぁ、これが。ひょっとすると30歳くらいに見えてしまう人もいるんじゃないかな。いえ、僕がそういうイメージをずっと持っていたのです。でもね、今回ネットでいくつか画像を見てると、どうもねやっぱり石川淳の顔の片鱗が見えるんですよね。まあ、孫だから当然なんだけど。

 石川淳にしばらくはまったことがあるんです。号は夷斎です。夷斎先生ですな。いや、読めばわかりますけど、坂口安吾とはまた別のカッコよさがあるんですよね。とにかく博識、そして無頼。無頼というより、孤高という感じかもしれません。開高健石川淳と対談したことがあって、開高もまた博識なんですが、ともにそんな似たところがあって、お互いに探り合っているうちに終わってしまった対談のような印象でした。開高の評価もそれほど高くなかったような。「孤高」なんて言われているようでは大したことは無いというような感じだったような。まあ、お互い似た者同士みたいなところがあったんじゃないかな。石川淳のエッセイの中には開高健と対談したなんてことはまったく出てこないですから(笑)。
 石川淳を初めて読んだのは『森鷗外』でした。その時は僕は鷗外がすごく好きだったので読んだのです、でも石川淳は鷗外を結構けちょんけちょんにしているんですが、史伝の三部作だけは褒めてるんですよね。いや、史伝はその時まだ読んでいなかったので、すぐに読んだら、これがどうにもカッコよかったのでした。
 石川直樹から石川淳坂口安吾開高健森鷗外と作家の名前が出てきたけれど、ああ、みんなある時期僕が沈んだ作家です。そうしてどこかみな共通点があるような気がするなぁ(笑)。いや、どこか似たところがあるんではないか、という印象だけですけれど。でもすでにみんな読まれない作家になってしまいましたね。鷗外はさすがに教科書に載っているでしょうから、読まれているでしょうけれど。


 石川直樹に戻ります。17歳からインドネパールの旅に出て、まあ、旅から旅です。25歳で七大大陸最高峰の踏破をやってしまいます。当時の最年少記録です。うーむ。すごいです。
 沢木耕太郎の『深夜特急』を楽しんだ人には、石川直樹もお薦めします。沢木耕太郎は最近あまり読んでいないけど、新刊はあるのかな?
 この本は2012年から2019年までの七年間『新潮』に連載されていた文章をまとめたものなんですが、まあ、それはそれは次から次へと旅から旅を続けていますが、ヒマラヤ遠征を繰り返していますし、知床から沖縄まで、まあ、うらやましい限りです。ちなみに最初のエッセイは山形県小国の五味沢集落でウサギ狩りの話です。しかし、『地上に星座をつくる』なんて、カッコいいタイトルですね。石川直樹の写真集も図書館で見てこなくては。


Naoki Ishikawa|Road to K2



26日(土)
 今日も朝からしぐれ模様。さて。