現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

『銀河の片隅で科学夜話』と「文七元結」


 今日は朝からよく晴れて、終日、快晴といってもいいかも。で、気温もあがりましたね。と言っても最高気温は6.5℃らしいけど。
 来年度の作付け品種についてあれこれ考える。


 相変わらず、書き忘れというか、メモし忘れしていることが次々出てくる(笑)。全卓樹『銀河の片隅で科学夜話』(朝日出版社)は正月の頃に読んでいたのだろうか、もうすっかり忘れてしまっていたが、枕元から出てきた。うーん、これはね、スバラシイ本でした。2020年2月10日の初版なので、これもまあ新しい本ではありますね。どこでこの本を知ったのだろう?たぶん新聞か何かの書評だと思います。
 読んでいて思ったのは、学校で習わなかったこともたくさんあるんだなぁ、ということでした。いや、習ったのかもしれないけれど(笑)。
 例えば。
 ベクレルとかシーベルトっていう単位があるということは、今の日本人ならたいてい知っていると思うが、ベクレルという単位はアンリ・ベクレルという物理学者の名前からきているし、シーベルトロルフ・マキシミリアン・シーベルトというスウェーデンの物理学者の名前からきていることもこの本で知りました。(キュリーという単位を僕が高校生くらいの時は使っていたと思うが、1キュリーは370億ベクレルということになり、単位が大きすぎたので、今ではベクレルが使われるようになったようです。同様に昔使っていたレントゲンという単位はクーロン/kg、ラドはグレイ、という単位に変わってきています。線量当量の単位シーベルトも昔はレムが使われていましたね。1シーベルトは100レムだそうです。そんなこと、あたりまえやろ!なにを今さら!と思われるかもしれませんが、たぶん僕が社会人になってから、一説にはチェルノブイリの事故以降あたりから、変わってきたので、どこかで自分で勉強しないとわからないんですよね。)
 なぜか小学校の頃はキュリー夫人の伝記が人気だったなぁ。だからかキュリーという名前にはなじみがありましたが、ベクレル先生の名前は失礼ながらまったく存じ上げませんでした。アンリ・ベクレルウラニウムから放射線が出ていることを見つけたんですが、キュリー夫人よりキュリー夫妻というほうがいいですね、キュリー夫妻はいろんな鉱物を調べてラジウムポロニウムからも放射線が出ていることを見つけました。あの当時はベクレル先生の伝記は小学生用には書かれていなかったのかな。
 また、例えば。
 量子力学という名前は、あるいは量子コンピュータという名前は、何度も聞いてきていますが、じゃあ、量子って何といわれると、これがなんとも説明のしようがない、というか説明する言葉が一つも出てこない。などとカッコよく書いても、じゃ、ニュートン力学なら説明できるのか、と言われてても困る(笑)。でも1970年代後半の高校の教科書に量子力学は載っていなかったような気がする。いや、知らんけど(笑)。でも身の回りの電子製品、LED電灯、各種新素材から原子力発電まで、すべて量子力学に基づき設計され動作して、量子力学の正しさに一点の疑いもない、と理論物理学者の全卓樹先生はおっしゃるのです。この世界はすべて原子からなり、原子の世界ではわれわれの周囲とはだいぶ異なった物理法則「量子力学」が成り立っているということです。原子の世界の力学なんですな。で、量子力学はわれわれの直感に反する奇妙な特徴を多く持っている。その代表が「シュレディンガーの猫」と言われたりする「重ね合わせ状態」だとおっしゃる。名前だけは両方とも聞いたことがあるなぁ。最近のどなたかのノーベル賞受賞の新聞記事だったかも。
 この直感に反する奇妙な特徴を多く持っているというのが、量子力学と論理学がうまく両立できない・・・。


 ま、そんなことは、いいや、だいたいハナからあたしに量子力学のことを学ぼうという人はいないんだし(笑)。いや、この全卓樹先生の本がスバラシイのは、文体の叙情でしょうか。科学夜話とあるように全22夜分の詩情あふれる文章で、宇宙物理学から量子力学倫理学から生命学まで、なんだかすこし賢くなったような気分で安眠できます(笑)。ええ、朝、目が覚めると何も覚えていないことはよくあることですが。


 このところもう8時過ぎには蒲団にもぐりこんで、ちょっと本を読んだりYouTubeで落語を聴いたりする暮らしぶりなのだが、昨夜、そういえば、最初は米朝さんの古い噺「亀佐」なんていう音源を聴いていた。滋賀県中山道の柏原宿の亀屋左京の薬もぐさの噺です。あーた、これもいかにも米朝さんらしい味のあるいい噺です。さすがに人間国宝ですわ。これが10分ほどの噺なので、もう一つとYouTubeを開いたら、志ん朝の「文七元結」が出てくる。これまた僕のもっている音源とは違うやつ。マクラなんかは僕の音源の方がオモシロイ気がするけれど、一時間以上ある人情噺だけれど、やっぱりいいですな。これぞ江戸落語ですな。


古今亭志ん朝(三代目) - 文七元結