現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

ばたばたの日々と『血も涙もある』と「月が綺麗ですね」


14日(水)
 朝から事務仕事と精米。
 終日、畦畔の草刈り。長男には畔塗りをしてもらう。


15日(木)
 僕は早朝から精米。その後は終日、事務仕事。長男には畦畔の草刈りをしてもらう。
 うちの玄関に今年もツバメがやってきた。



16日(金)
 早朝から事務仕事。ビビ号との散歩。長男は精米。午後は長男が畔塗り。僕が畦畔の草刈り。


17日(土)
 終日、雨。朝、3時半に起きて事務仕事。
 娘が名古屋に用事ができたのだが、コロナの影響もあって新幹線など公共交通機関の利用がちょっと心配ということもあって、僕が名古屋まで送迎することになる。いや、まだ娘が雨の高速道路の運転を心配しているので。ま、僕もちょうど雨だったし。自宅から高速を利用してちょうど1時間20分ほど。
 娘が用事をしている間、約4時間ほど時間があるのだが、僕だって雨の中、街中に不要不急で出歩くのも嫌なので、駐車場にクルマを止めたまま車中で読書。山田詠美『血も涙もある』(新潮社)。山田詠美の2月25日に出た新刊なんですが、誰かがラジオで褒めていたほどでもなかったけれど、おもしろかったです。楽しめました。不倫の話。
 山田詠美はデビューの時から(というか『ベッドタイムアイズ』が出たのが就職した年だったと思う)ので知っているが、どうも文体が合わず、あまりいいとは思わなかったのだが、そこそこ読んでいた。『ぼくは勉強ができない』(1993)はよかった。でもその後一冊も読んでいないので、28年ぶりぐらいに読んだことになる。と、ネットで山田詠美の著作の年譜を見ているのだが、80年代の後半から90年代はスゴイ勢いで本が出ているが、2000年代になってからはすこし減らしているんですね。なるほど。28年ぶりの山田詠美は、小説が上手になっている(と書くとなんだかえらそうですが(笑)、むふふふ。)、と思いました。『血も涙もある』は構成がおもしろいです。三人の視点で進行していきます(こういう構成もよくあると言えばよくあるけど)。物語としてはなんとなく僕が思った通りに、最終的にはなったので、あらま、と思いましたけど。
新刊だからあまりネタバレになることは書きたくないけど、でも、一ヶ所だけ。
  「俗説なんだけど、昔、夏目漱石は、アイ・ラブ・ユーを月が綺麗ですね、と訳したらしい」
という箇所があります。ええ、俗説なんでしょうけれど。でもこの部分を読んで笑ってしまいました。若いときに、ええ、若いときですが、「アイ・ラブ・ユー」とは言えなかったので実際に「月が綺麗ですね」と言ったことがあるし、書いたことも何度かあったので(笑)。と書いて、こんなこと誰でもあるな。誰でも「月が綺麗ですね」って言うよな、と今は思いますけど。今も純情素朴照れ屋でロマンチックな男子(笑)なら、言ったり書いたりすると思うけど。んなわけないか(笑)。


 えーっと、秋冬から僕はずーっと「事務仕事」という言葉をこのブログで使ってきたけれど、ほんとにバタバタの日々が多くて、久しぶりに小説を読んだのでちょっと興奮気味かも(笑)。しかも28年ぶりの著者だし。なにか書きたかったんですね。


 そんなこんなで家に戻ったのが午後3時。お米の発送で長浜の本局に行き、ホームセンターと図書館とコンビニに寄って、ビールをグビリ、焼酎をチュルとやりつつ、バタバタとしております。というわけで、コン・アモーレ。con amore イタリア語だぜ(笑)。