現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

農業の合同研修会と『にっぽん昆虫記』と草刈りと井山棋聖をテレビ観戦

3日(金)
 午前中は精米など。それから遅れて遅れていた書類を提出。
 お昼前に遅れて遅れていた書類を提出。それから県の指導農業士会湖北支部甲賀支部の合同研修会に参加。バスで甲賀の方へ。久しぶりの農業研修。水口町の「るシオールファーム」さんと土山町の「グリーンティ土山」さんを視察させていただく。あれこれ代表の方から話も聴かせていただいたが、僕としては若い人、後継者等のお話が一番心に残りました。まあ、みなさんポジティブでエネルギッシュですねぇ。だから今は上手に農作物を作ることだけではなくて、ちゃんと経営感覚がないとダメだということはよくわかります。でもなかなかね「商売は信用と信頼」という昔から言われている古典的な経営の心得まではよく理解できても、そのあと世の中の流れを見据えての経営戦略とか借金する度胸とか、たちまち目の前のお米をどう売るか、農作業と米の販売のバランスとか、信用や信頼をどう得ていくのか、みたいなことは、まあ、試行錯誤というか、暗中模索というか、ええ、四字熟語を並べてみましたが、よくわからないのが実情です。ええ、辻井農園にはノビシロがあるはず、無限の可能性があるはず、という思いはあるのですが(笑)。甲賀支部の皆さん、お世話になりました。
 バスの中では先輩農家のTさんに農舎のことについてあれこれ相談をする。

 iPhoneポートレート撮影機能で遊んでいたら、高校の国語便覧に載っていた明治だか大正の文学者風の写真になってしまう。

4日(土)
 終日、晴れたり、曇ったり、雨が降ったり、時雨模様も天気。やれやれ。
 午前中は精米など。

 今村昌平監督『にっぽん昆虫記』(1963)を観る。今村昌平監督といえば、僕にとっては『楢山節考』(1983)、『復讐するは我にあり』(1979)と『黒い雨』(1989)であるが、『にっぽん昆虫記』いやー、よかった。すごくよかった。主演は左幸子です。物語は大正七年の冬の東北の村から始まります。オールロケの撮影だし録音が今一つだったのか、それから東北弁の訛りもあって最初のあたりはよくわからない女たちの会話もありましたが、でも、観ていれば話はわかります。一人の女性の誕生から晩年までを描いた作品です。Wikiを見たら「昆虫のような生命力に満ちた半生記をエネルギッシュに描いた今村監督の代表作。」なんて書いてありました。なるほど生命力に満ちた半生記をエネルギッシュに描いた作品には間違いないけれど、僕は「貧しさ」と当たり前に誰もがもつ「欲望」というか「人間の業」を思いました。だから大げさに言うと歴史は繰り返す、ということになります。主人公もその母や娘も、同じようなことを繰り返しています。そういう意味で喜劇だし、人の暮らしのありよう、人の歴史も大きく見れば喜劇ということなのでしょう。人類が悲惨な戦争をずっと繰り返している、という点を考えても喜劇といえば喜劇ですから。
 主演の左幸子は、ベルリン国際映画祭において日本人初の主演女優賞を受賞したということです。殿山泰司も出てます。今村昌平北村和夫は小学校の同級生だったのか。なるほどだから『黒い雨』とかいろいろ。芸術祭参加作品なのに公開当時は成人映画の指定を受けていたらしい。うーむ。Wikiにはいろいろなんでも載っている(笑)。

5日(日)
 朝のうち事務仕事。
 午前中から畦畔の草刈りに出る。午後も草刈り。なんでこの時期に草刈り?とお思いでしょうけれど(笑)、稲刈り前には刈りましたし、大豆の刈取りの前にも刈ったんですが・・・。畦畔のすべてを刈ったわけでもなく、9月からも草は伸びてきますからね・・・。半ば枯れた草を刈っております。このあとする荒起しや春の畔塗りがしやすくなると思うので。でもまあ、世の中は生命力に満ちあふれておるわけです。

 お昼を食べに戻ったら、テレビで囲碁NHK杯井山裕太棋聖張栩九段をやっていて、思わず最後まで観てしまう。うーむ。囲碁はよくわからないのだが、大熱戦だったのだろう、ということは解説を聞きながら思いました。テレビ画面の上の方にAIの判断する有利不利の棒グラフがあるのですが、最初のうちは井山棋聖の方がずっと少し優勢かな、という表示だったのとですが、後半の寄せ勝負になってからは、その棒グラフが一手打たれるたびに、ギュンギュンと動くんですよね。井山棋聖を応援している私としてはハラハラしましたがな。最後は一目半の差でなんとか勝ちました(笑)。

 久しぶりの草刈りだったからか、夜、天気予報を見ているうちにうたた寝してしまう。やれやれ。