現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

精米作業と事務仕事と『近松物語』と『嘘八百 京町ロワイヤル』

6日(月)
 終日、雨が降ったり止んだり。時雨模様。
 昼過ぎまで精米など。

 溝口健二監督『近松物語』(1954)を観る。主演は長谷川一夫香川京子。不義密通ものということになるのでしょうけれど、最初は不義密通など思ってもいなかったのでしょうけれど、ちょっとづつ小さな偶然やトラブルが重なって不義密通に発展していってしまうんですな。まあ、それは現代の男女の恋愛でも不倫でも同じなのかもしれませんが。おもしろかったです。楽しめました。長谷川一夫はもちろん男前に映っているけれど、どうも白塗りというか化粧が濃いので年齢不詳になってますな。香川京子南田洋子は若くまた美しいです。脚本は依田義賢近松門左衛門の『大経師昔暦』と井原西鶴の「おさん茂右衛門」を合体させたストーリーらしいです。残念ながらというか、いつものように近松西鶴も未読です。西鶴の『好色一代男』は吉行淳之介の現代語訳?で読んだはずですが、すっかり忘れてしまっています。近松はまったくの未読。進藤英太郎(いつもちょっとコミカル)とか、小沢栄太郎とか、脇役もバッチリですね。それから感心したというか、うまいなぁ、と思ったのは音楽で、まあ近松浄瑠璃作者ですから、人形浄瑠璃風に三味線とか太鼓とか拍子木というのが、実に効果的に使われています。うーむ。あんなの真似したくなるなぁ(笑)。
 しかしなんだな、溝口健二監督の作品は何を観ても唸ってしまうなぁ、どうも。といっても『元禄忠臣蔵』『武蔵野夫人』『雨月物語』『赤線地帯』、そして今回の『近松物語』しか観てはいないけれど。


7日(火) 二十四節気の「大雪(たいせつ)」
 朝から終日、雨。風があまりなかったので体感温度が高い気がする。
 今日も昼過ぎまで精米など。

 そういえば、先月、富山にいったのでしたが、4日放送のNHKの「ブラタモリ」でタモリがブラブラしたのは富山でしたね。若いとき5年間富山に暮らしていましたが、知らないことばかりでした。呉羽山の成り立ちというか秘密というか神通川との関係とか、市内を流れる松川がもともとは神通川だったり。うーむ。
 さらに5日放送の「日曜美術館」では富山の水墨画家の篁牛人が取り上げられていました。うーむ。篁牛人、まったく知りませんでした。ちょうど今、東京の大倉集古館で「特別展 生誕120年記念 篁牛人展 ~昭和水墨画壇の鬼才~」が開催されていて、その宣伝も兼ねているんですが、すばらしかったです。その作品はもちろん牛人の生涯も紹介されていましたが、なかなかすさまじいですね。鬼才ですね、間違いなく。ええ、本物の作品を実際に観たくなりました。

 夜、武正晴監督『嘘八百 京町ロワイヤル』(2020)を観る。以前観た『嘘八百』の続編みたいですね。中井貴一佐々木蔵之介が主演です。前回は千利休だったけど、今回は織部の茶碗です。今回も楽しめました。広末涼子も頑張ってます。中井貴一はでも、なかなか『オーシャンズ』のジョージ・クルーニーのようにはなれないだろうな。どうも語り口が軽すぎて。まあ、それはそれで味ではあるんだけれど。「サラメシ」のナレーションにはピッタリあっているんだろうけど。佐々木蔵之介が今回はいささか地味な役回りになっています。


 まだ田んぼでしなくてはならない仕事はちょっと残っているのだが、時雨模様の天気が続いてはなかなか田んぼに出られない。というような状況だと、やはりすこしビールは控えたい。コンビニへも行くのはちょっと控え加減だ。その分、冷蔵庫の中に何かないか探したくなる(笑)。先日は賞味期限をいささか過ぎた焼き豚やハムを見つけたが、今日は賞味期限前の生姜の甘酢漬けでいただく。ありがたい。