現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

前住職の葬儀と『お茶漬けの味』と男の頼もしさ

8日(水)
 午前中は精米など。
 夜はお寺さんの前住職が亡くなられたので、そのお通夜にまいる。
 陽射しはあったが、終日、風が強くてなんとなく寒い。気温はそれほど低くないはずなんだが。
9日(木)
 朝から快晴。風があまり吹かず、陽射しも出てありがたい。 
 朝のうち、事務仕事など。それから市役所であれこれ相談など。国の助成金の申請というか相談もあったのだが、なかなかうまくいかない。たぶん公平を期すためという理由でポイント制になっているのだが、法人格というか大きな経営体でないとなかなかポイントが付かず、これでは申請してもとても通るのはキビシイということなので申請せずに帰ってくる。1/2助成という大きな助成金なのだが、大きな助成金は大きな経営体にしか回らない仕組みで、小さな経営体は、自分の知恵と度胸だけでコツコツやるしかないらしい。
 午後は葬儀に。前住職は僕が子どもの頃の日曜学校の頃からお世話になったし、住職として30年あまり、門徒としてあれこれお世話になりました。よく通る大きな声の読経は門徒としてもうれしかったし、子どもの頃、日曜学校で「白骨の御文章」を読んで聞かせてくださったことも忘れられない。

 小津安二郎監督『お茶漬けの味』(1952)を観る。映画としては、うーむ。どうかな。いいところから来ているわがままな奥さん(木暮実千代)が、最後のところで態度を改めるのだが、それがちょっと唐突な感じがして、その後に夫婦のありようを語る夫(佐分利信)のやさしさや友人たちにノロケる奥さんという展開にちょっとついていけなかった(笑)。これはでも脚本の問題だろうなぁ。佐分利信は意外にもやさしい静かな男を演じていてカッコいい。
 「ネクタイの好みがいいとか、服装の着こなしがどうとか、そんなことどうでもいいの。なんてったらいいのかな。男の人の頼もしさっていうのかしら。それが一番大事なの。」というセリフが出てくるのだが、久しぶりに「男の頼もしさ」という価値観を聞かされて、ちょっとドキッとする。
 中学3年生の時の卒業間近の頃。うーむ。15歳ですな。思春期の真ん中あたりか。急に女子たちから、誰々が好き、みたいなことが噂としてこっそりの体を装いつつ堂々と流れるようになってきた。というか流していたんだろうけど。ええ、卒業すると別々の高校にいってしまうということが現実として身に迫ってきたんでしょうな。こういうことは女子の方がなにかと一歩先をいきますからね、この時期は(いや、知らんけど)。そうして噂はたいていデマでなくて本当のことだったんだけれど、F君が好きらしいという噂が流れてきた女子は「F君はいつも眼が輝いてるやろ。」と僕に言ったし、I君が好きらしいという噂が流れてきた女子は「I君って頼もしい」と僕に言ったのでした。今なら、そうか、そうか、とすませられるけれど、当時はそういうことを聞かせられると、自分のことではないのに(自分のことではないからか?)なんだかドキドキしてしまった。あれはやはり嫉妬なのかなぁ(笑)。スポーツができて運動神経抜群だとか、学校の勉強がよくできるとか、男前であるとか、まあ、そういうわかりやすいことではなく、「眼が輝いている」だの「頼もしい」だの、中学3年生の私の思いもよらない言葉で好きな男子のことを打ち明けてくる女子の迫力にドッキリしたのだと思います(たぶん)。
と、そんなことを思い出しました(笑)。ま、僕が奥さんから頼もしく思われているかどうかは、今はあまり考えないことにします。ええ、あたしゃ、奥さんのことは頼もしく思ってるんですけどね、ええ。
 あ、他に鶴田浩二がわりと呑気な役で出てます。笠智衆も。淡島千景津島恵子が若くて美人なのは言わずもがな。それとね、仕事から帰ってきたサラリーマンの男が家で背広から和服に着替える、というような風習というか、暮らしぶりはいつ頃から無くなったのかなぁ。僕の祖母はけっこう着物を普段に着ていた記憶があるけど、・・・。私は子ども頃、小学校の低学年くらいまで夏はパジャマでなくて母が仕立ててくれた寝巻きでした。風呂上がりに着せられた記憶がありますが、あれは浴衣ではくて寝巻きでしたな。帯ひもとかはどうなっていたんだろう?ときどきギュッと結ばれて、イタイイタイと言った記憶はあります。

10日(金)
 外が明るくなってきた。今朝は曇り空。もう金曜日なのか、とびっくりする。