現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

『太平洋ひとりぼっち』『三屋清左衛門残日録』『八甲田山』『日本沈没』など


3日(月)
 まだ三が日のうちは、駅伝を観たり、高校ラグビーを見たりする。なんとなくランダムに観ているのだが、高校ラグビーは神奈川の桐蔭学園のゲーム、広島の尾道高校と佐賀の佐賀工業高校とのゲームを観たりしている。桐蔭学園高校の強さはよくわかったが、尾道高校も佐賀工業高校もすごく善戦していたように思う。いや、素人の僕にはよくわからないことも多いのだが、テレビの解説の方が負けてるほうの高校の頑張りをよく解説してくださっているので、泣ける。しかし、一点だけ、女子マネージャーの涙と祈りを映し過ぎ。映すなとは言わないが、何度も映し過ぎ。

 市川崑監督『太平洋ひとりぼっち』(1963)を観る。堀江謙一さんの太平洋単独無寄港横断の冒険の映画。残念ながら原作の本は未読。やれやれ。ほんとに未読ばかりだな。でも原作の本がスバラシイという評判はよく聞いています。ベストセラーになったことも。
主演は石原裕次郎。まあ、裕次郎は関西弁をしゃべらされているというハンデはあるが、あいかわらず演技はクサく大根ですな。父親役が森雅之。母親役が田中絹代。妹役が浅丘ルリ子です。映画としてはもう一つかなぁ。
 若い時にテントなどを詰めたリュックサックを背負って20日間の東北の旅をしたことを思い出します。
あ、こんな記事も見つけました。

 夜は山下智彦監督『三屋清左衛門残日録 陽のあたる道』を観る。北大路欣也の清左衛門。ああ、でも勝野洋西岡徳馬がいい演技をしていてなかなかよかったです。僕はNHKでドラマ化された仲代達矢の清左衛門の方がなんとなくなじみがあるのだけれど。いやいやでも原作の藤沢周平の連作短篇を読む方が数倍いいんですけどね。

 さらに夜、正月だし映画はどんどんテレビでやっていて森谷司郎監督『八甲田山』(1977)を観る。これまた北大路欣也高倉健の主演。例によって三国連太郎は悪役です。名演技ですけどね。だいたいあの顔と首の太さはどうしても悪役ですわなぁ。ええ、『釣りバカ日誌』のスーさんまではね。
 観るのは三度目か四度目だけれど、まあ、よくできた映画だとは思います。脚本が橋本忍で、撮影が木村大作ですしね。昔、山登りをしていた頃は、雪山にも何度か登ったことがあるので、あの装備ではさぞ大変だったろうとは想像がつきます。
 俳優さんもなんだかスター揃いです。栗原小巻加賀まりこ秋吉久美子など女優さんもみんな若いがスバラシイ演技ですな。軍の男達以上に強さを感じさせます。ひょいひょいと雪の山を歩く案内人の秋吉久美子とその案内人と別れる時、隊を整列させて「頭ぁ!右!」敬礼をする高倉健。原作や実際の雪中行軍ではどうだったのか知りませんが、映画ならではの美しいシーンです。

4日(火)
 朝から雨で、結局、終日、雨。
 朝、ビビ号の散歩。
 午前中は精米など。
 午後はすこし事務仕事をして、その後森谷司郎監督『日本沈没』(1977)を観る。これも脚本は橋本忍。『八甲田山』と同じコンビですな。原作は小松左京。ええ、未読です。でも小松左京のエッセイは高校生の頃何冊か読んだ気がします。2時間20分ほどの映画で、一度テレビで観たはずなのだが、たぶんテレビ放映用にカットされていたんでしょうな。ほとんど印象に残っていなかったので、初めて観たような気分。ええ、驚きました。単なる日本沈没のスペクタクル映画ではないですね。まあ昔の映画なので特撮もいささかショボく見えますし。なんというか日本の国土がなくなってしまったら、日本民族は世界に散らばるのか、散らばってどうするのか、散らばったらどうなるのか、みたいなことも考えさせますね。
 藤岡弘いしだあゆみの日本から逃げる時の姿というか、考え方もわりとすんなり胸に落ちる気もします。丹波哲郎の総理大臣がいいですね。いいと思いました。東京で地震が起きてあちこちが崩れ火災と津波がやってきますが、人々が避難するために皇居に押し寄せるんですね。皇居の警備員と避難民とで押し問答があるのですが、丹波哲郎の総理大臣が宮内庁長官に電話して「門を開けてください!お願いします!」って言うんだけれど、関東大震災東京大空襲の時って、どうだったんでしょうね。皇居が開放されたって話は聞いたことがないけれど、東京の中心ですし、広いですし、緑も多いので火災には強そうだし、・・・。って、そういうことにはならないのかな。
 思ってた以上によい映画でした。若き竹内均先生も登場してプレートテクトニクスを説明されていました。なるほどなぁ、さすがは小松左京ですね。
 藤岡弘仮面ライダーの本郷猛みたいな演技をしているけれど、いしだあゆみはなかなかよかったです。他にも映画に出ているのかな?