現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

農事組合の草刈りと中耕除草と草刈りのおじさんとの会話と『TATTOO<刺青>あり』


 朝から曇り空。ご近所の田んぼだけ田回り。
 それから農事組合の役員で池やポンプ小屋周り、バイパス法面の草刈り。

 その後に早めの昼食をとってから中耕除草に出る。長男は大麦後をモアで刈ってくれる。
 1枚目を終えて、2枚目に入ったところぐらいからポツポツと雨。まったくたいしことはないけれど。

 2枚目の田んぼは北陸縦貫道路(北縦)の近くなんですが、このところ北縦はずっとメンテナンス工事が続いています。その一環でしょうか、法面の一番下の金網のあたりの草刈りをしている集団がおられました。最初は土曜日だし地域の人の草刈りかな?とも思いましたが、どうやらそうではなくて北縦のメンテナンスで雇われたおじさんたちなのだと思います。そのうちの一人が帽子をとって頭を下げながらやって来られました。70歳を超えた感じのおじさん。うん?なにか迷惑をかけたかな?と思いましたが、「変った機械やね。これはなにするもん?」「ああ、はい。田んぼの草取りをする機械なんです。」「ほう。草取り。」「昔、手押しの田車がありましたね。」「あー、はいはい。あった。」「あれをエンジンで回して草取りするんですよ。」「あの田車がこの中に?」「はい。」「昔は2条ぐらいやったけど・・・。」「これは6条です。」「乗用やし楽やろ。」「昔の小さい田んぼと違て、今は大きくなったので・・・。」「(後ろを見て)これ倒れたりしてるのもちょっとあるな。」「あははは。倒れたイネもまた起き上がってきたりするんですよ。ええ、起き上がってこんイネもありますが(笑)」「ほうやろな(笑)。でも今は米の値段も安いし、大変やな。」「ほんまにね。・・・これは無農薬の有機栽培の田んぼなんですよ。」「無農薬か!ほらええわ。ほんでも手間がかかるな。」「はい、まあ、ちょっとかかりますけどね。」「ほうか、草取りの機械か。田植えした田んぼに入ってるし、何してるんかな、と思たんや。わしの兄貴がな、百姓を継いだんや。兼業でな。若いときはわしは百姓が嫌いでな(笑)。イヤやったンやけど、やっぱり今はちょっとでも田んぼしといたらよかったわ(笑)。邪魔してごめんな。にーさん、頑張ってや。」と。私はとても「にーさん」と呼ばれる年齢ではないのですが、70過ぎのおじさんから見ればにーさんなのかも(笑)。ま、まだまだ苦労が足りないしな(笑)。
 ちょうど作業の休憩時間になったんでしょうね、一人のおじさんが私に話しかけてきたものですから、その残りの十四、五人のおじさんたちの視線も一身に受けて作業することになり、小心者の私はいささか緊張したからか、どうもイネがたくさん倒れてしまって、オイオイ、タノムゼ、と思いながら作業したのでありました。
 確かに中耕除草樹は珍しい機械なので、作業をしていると軽トラが止まったりして、しばらく見ていかれる人もおられるのだが、話しかけられるのは珍しいことでした。たぶんご近所の方ではないんでしょうな。
 どうぞ倒れたイネの諸君は、元気を出して起き上がってくるように。あーた、人生は七転び八起きと言うでしょ。たのんまっせ。
 ↓中耕除草を終えて振り返った田んぼ。ああ、ずいぶん倒れている。あんなにきれいに植えた田んぼだったのに。最初の頃はずいぶん落ち込んだものだが、最近は少し慣れました(笑)。あとは祈るのみ。

 高橋伴明監督『TATTOO<刺青>あり』(1982)を観る。主演は宇崎竜童。関根恵子渡辺美佐子がいい演技です。宇崎竜童は味はでてるけど、演技はまあ、まだまだ。この映画のプロデューサーが井筒和幸で、関根恵子はこの映画で監督の高橋伴明と知りあって結婚し、高橋恵子になったんだとか。1982年。ちょうど私も学生で映画の雑誌を読んでいた頃で、1979年の三菱銀行人質事件やベラミ事件も絡まって、ずいぶん評判になっていたのを覚えています。評判にはなっていたけど、観にはいかなかったんだなぁ。なるほど。こういう映画だったんだ。エンドロールでハッと気がついたのですが、監督助手は周防正行だったんですね。なるほど。