現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

立春。初春。春立つ日。


 立春。だからどうした?と思われる方も多いと思いますが(私も給料取りの時代はそうでした)、今はやっぱり「春が立つ」のをずっと待ち遠しい気持ちでいました。正月というと、まあ今の日本では、新暦(グレゴリオ暦)の1月1日ということになっていますが、なんだ新暦なんてしゃらくせーぜ、旧暦(太陰暦)でやるのが伝統だろう?というお方もおられますね。
 古来、暦は当時の最高の科学者が月や太陽、星々の動きを観察して考え決めてきたものですよね。あ、公転だけでなくて、あと地球の自転も。これに宗教的なものも加わってきますし。
 まあ、でもこういうものは実用としては世界的に統一されていないと不便ですからグレゴリオ暦でいちおう世界的には通用していますね。まあでも今の新暦グレゴリオ暦閏年があったりしますし、大の月や小の月があって一ヶ月の長さが違いますしね。
 それとあと正月問題がありますよね。いつを正月、一年の始まりとしてお祝いするか、という問題(笑)。明けましておめでとうございます。と挨拶する正月ですし、年賀状に謹賀新年と書き、初春と書きますが、季節の巡りは春がスタートだから、一年の始まりの1月1日が春のスタートなんでしょうけれど、グレゴリオ暦の1月1日では周りの景色を眺めてみても、どこにも春らしい景色はありませんしね。
 その点、あーた、立春はどうでしょう。二十四節気ですから、太陽の周りを回る地球の公転を基本に作られています。太陽の周りを回る地球の位置を24等分にして計算します。まあ、春分夏至秋分冬至の四つが基本ですね。ですから季節感としては毎年同じ感覚になりそうな気がしています。ただ残念なのは節気の名前は中国の前漢の書物『淮南子』にすでに出揃っていて、名前は固定化していたらしいです。ですから二十四節気の呼び名は古い中国由来で、ちと日本の気候(季節感)に合わない名前もないこともないことです。もっとも季節感というのは、地球の緯度や海流によっても違ってきますからなかなか難しいです。南半球だと季節感は北半球と反対ですし。
 四季とはいいますが、これも四等分されているのはありがたいことで(個人の見解です)、冬が長かったり、夏が長かったり、常夏の国、常春の国といわれるところもありますし、四季というよりは雨期と乾期しかない、といわれるところもありますしね。

 というわけで、季節の巡りと共に仕事をする百姓としては、なんとなく立春は特別な感じがするんですよね。これぞ正月じゃないかと、初春じゃないかと(笑)。ま、一年一作の水稲を育てる農家だからかもしれませんね。まあ、年に何作も作付けする感覚だと、また違うのかもしれません。
 なにはともあれ、四つの季節がわりと等分に巡ってくるところで暮らしているのはありがたいことだと思います。
 今日は立春。ありがたく、めでたく、そうして、ちと身の引き締まる思いでもおります。頑張らねば(笑)。死ぬところまで頑張れる丈夫で健康な身体でいたいとも思います。父などは、ちょっとはボケてこんと死ぬにも死ねんわいな、などと申してもおりますが(笑)。


 ↑短冊にスラスラシュルシュルと名筆の名をほしいままにして書いてみたいものだが(笑)。ま、そうもいかないし、こういうのは何度も恥ずかしい思いをしないと上達も難しいでしょうし。曲っているし、線が震えていますな(笑)。去年の二月のメール句会に投句したやつです。これで名句ならあれなんですが(笑)。(辻井農園のブログ『現代田んぼ生活』は)書いているとこの句をひねくっていた時間が思い出されて、あれからもう一年が経ったのかと、時の流れの速さを感じます。年々速くなりますな。ええ、太陽の周りを回る地球の公転速度は正確無比なのでしょうけれど。