9日(木)
舛田利雄監督『青春とはなんだ』(1965)を観る。原作は石原慎太郎。この映画は初めて観たけれど、青春学園ドラマを子どもの頃からずっと観てきた私としては、思いのほか楽しめました。ある意味青春学園ドラマの典型みたいな映画ですし。主演は石原裕次郎、それから十朱幸代、西尾三枝子、太田博之、高城淳一、などなど。当たり前だけど、みんな若いです。
『青春とはなんだ』はテレビドラマにもなってましたね、夏木陽介主演で。再放送を子どもの頃に見た覚えがあります。竜雷太の『でっかい青春』も再放送で見た覚えがあります。『これが青春だ』というのもありましたな。誰が主演だったんだ?あとは森田健作の『おれは男だ!』村野武範と酒井和歌子の『飛び出せ!青春』、でもって中村雅俊の『われら青春!』と続いていきます。でもなんていうか裕次郎はあまり学校の先生が似あいませんね。ラグビーボールも似合ってない(笑)。僕にとっての裕次郎は『太陽に吠えろ!』からですのでイメージが違うのかもしれません。いろいろおかしいというか笑えるところもありますが、楽しめました。ま、永遠のテーマですからね、青春とはなんだ!
「青春論」というストレートなタイトルの本も、昔はたくさんあったような気がしていたのですが、今、検索してみるとそうでもない感じですかね。あれ?高校生の時に亀井勝一郎を読んだはずですが、何も覚えていません(笑)。坂口安吾のは二十歳の頃に最初に読んで、中年になってからでも何度も繰り返し読んでいます。オススメします。
ちなみに映画の中に何度も登場する主題歌はこんな感じ。
青春とはなんだ
作詞:渋谷郁男
作曲:伊達政男
「青春とはなんだ」流れる雲に叫んだら
「青春とはなんだ」谺になって消えてった
明日の空へ伸びてゆく
若い木の芽や草の芽の
そうだ息吹が青春だ
いかにも60年代の、半世紀以上前の青春学園ドラマ風です。春ですなぁ。
今、Wikiで舛田利雄監督の作品を検索してみたら、ものすごい数の作品が出てきて驚く。しかもほとんど観たことがない。なるほど。そういえば『二百三高地』(1980)のときに、さだまさしの「防人の詩」とともに戦争賛美なんじゃないかと話題になっていましたね。
「青春とはなんだ」というような問いに、いかに大作家や大監督や大評論家が作品を書き、「これが青春だ」や「青春論」を撮ったり書いたりしても、やっぱりそれは谺になって消えてゆくようなものだろうし、けっきょくその答えは個人の胸のうちに育まれるものでしかない。それじゃぁ、オジジになったあーたにとって青春とはなんなの?と問われてもやっぱり谺になって消えてしまうようなことしか答えられないけれども、まあ、♪そうだ息吹が青春だ!と単純に言い切っていいかどうかはわからないけれど、身体のうち、胸の内に、確かに息吹はありましたね。人生の春であり、華ではあります。と同時に必ず失敗もするし、他人を傷つけますね。あるいは裏切ると言ってもいいかもしれない。必ず失敗する。必ず他人を傷つける。でも生き続けるしかない。
実は青春だけではなくて大人になっても、中年になっても、老年になっても、必ず失敗する、必ず人を傷つける。失敗もするし人も傷つけるけれども、でもだんだん人生に無駄なものは何もなかったと自己肯定できるようになってきます。それは年寄りの自分勝手なわがままな自己肯定なのかもしれませんが・・・。自分勝手なわがままな自己肯定であってもそれはありがたいものです。
人生を四季に合わせて青春といい、朱夏といい、白秋といい、玄冬といいますが、黒い冬は死であるとして、生まれて順繰りに四つの季節を楽しみたいものです。うーむ。あたしゃ宗教家か思想家か哲学者か。たぶん、キリストもマホメットもブッダも同じようなことを言ってるんじゃないか、知らんけど(笑)。
白秋の時期になって青春を考えることは、自分の人生を振り返ることでもありますね。ええ、振り返ると恥ずかしい経験が一番の経験だったりします。ええ、知らんけど(笑)。
いい歳になったとしみじみ思うけど、まだまだ頑張るぜぇ。笑うしかない。
10日(金)
ああ、もう10日。ウダウダしている場合ではないのだが・・・。
今日はこのあたりは雨らしいです。でも太平洋側で雪が降るもしれません、とお天気オネーサンがおっしゃっています。うーむ。