現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

春の陽気と長浜の盆梅展と句をひねったことと『私を野球につれてって』







3日(金)
 朝、予約分のお米を精米して発送。
 大津に行こうと長浜駅の駐車場にクルマを入れたら、盆梅展の赤い幟旗がたくさん風にはためいていました。すっかり忘れていたけれど、盆梅展3月12日までの会期ですな。それはまあいいんだけれど、盆梅展の俳句コンテストを毎年やっているので、今年も投句してみようと思ってはいたのですが、すっかり忘れていました。それで車内で読もうと持ってきた文庫本は開かずに、車窓を眺めつつ十七音に指を折ってみる。春の陽射しに大麦は少し起き上がってきたというか上に伸びてきた気配があるし、畑の隅に植えてある梅もほころんで見頃になっていそうな梅の花もありますな。琵琶湖の湖面も青空を映して青く輝いているという春景色。こうなればなにか浮かんできそうなものだが、これがあーた、なんにも浮かんでこないんだなぁ。俳句は十七音ですからね。そこへもってきて50音ですから、えーっとですね、ざっと計算すると50の17乗という、もう計算できないほどの天文学的な数の俳句ができるはず、ということになるんですが、そのうち半分くらいはというかもっとか、句にならないようなものになるでしょうしね。計算上の最初の句は「あああああああああああああああああ」で、その次が「ああああああああああああああああい」ですからね。そこへもってきて江戸時代の芭蕉あたりからはじまって蕪村だ、一茶だ、千代女だ、去来だ、とやってきて、子規だ、虚子だ、蛇笏だ、石鼎だ、秋桜子だ、誓子だ、草田男だ、山頭火だ、放哉だ、六林男だ、五千石だ、澄雄だ、兜太だ、杏子だ、春樹だ、稔典だ、番矢だ、櫂だ、いつきだ、・・・(順不同です)と、ええ、まあ、たくさんのプロの俳人の他にさらにまたたくさんのアマチュア俳人がいらっしゃるわけで、すでにたくさんの天文学的な数の俳句が詠まれてきてしまっているわけで、類句、類想句もたくさんあるわけです。するとまあ、こんな春の陽気の車窓を漫然と眺めて浮かんでくる十七音は、じつにありきたりな、当たり前の句ばかり、となってしまうのですね、これが。月並みの句、凡人の句、というわけです。まあ、楽しみで、おもしろがって詠んでいるわけですから、別にそれでもかまわないんですが。ええ、私の得意技です。月並みな句は。
 だから何か刺激がいるわけです。刺激がほしいんですね。まあ、これは古来、新手一生の芸術家の悩みで、酒に走ったり、薬に走ったり、女や博打に走ったりしてきたわけです。ウキウキ、ドキドキだけじゃなくて、ハラハラ、ヒリヒリという刺激がほしくなって、世間からはみだして破滅していく、ということもたくさんあったわけですね。ああ、その点、俳人はまともな名士が多いような気がしないでもないです。
 ま、そんなことはどうでもいいんですが、要するに、私も浮かばないんですなぁ、これが。「融資の相談窓口」に行ってきたわけですから、もう少し、ドキドキして何か浮かぶかもと思ったんですが、相談でドキドキするばかりで(笑)。
 大津の滞在時間は正味一時間ほどでとんぼ返り。でも今度は米原駅北陸線との連絡がわるくホームで30分以上も待たされる。すぐその足で市役所に寄り、その帰りに慶雲館の盆梅展を観てきました。抹茶を飲んで三句投句。なんや、投句してるやないか、とお思いでしょうが、笑うしかない。ま、なんでもかんでも投句するタイプらしいです(笑)。
 ま、これだけ長々と句が浮かばなかったんだ、刺激がなかったんだ、と言い訳しておけば、俳句友達にも納得してもらえるかと思ったけれども、返って「アホかいな。」と思われるのがオチだと今ごろ気がついたが、俳句に関しては、今やもうどんな句でも恥ずかしくない、という仙人のような心境ですが、句会でまったく点数が入らないといささか凹むという、当たり前の凡人の心境でもあります(笑)。

 バスビー・バークレー監督『私を野球につれてって』(1949)を観る。なるほど。こういう映画だったのか。フランク・シナトラジーン・ケリーですからね、なるほど。こういう映画になりますわな。女優さんはエスター・ウィリアムズとベティ・ギャレット。ええ、いいですねぇ。
 だいたい私はには急に帽子をかぶってステッキを持ちタップダンスを踊り出すようなお調子者の友達は一人もいないけど、一人くらいそういう友達がいてもよかったんだけどね。うーむ、でもどうかな、そういう男がそばにやってきたら敬いつつも遠ざけてしまうかも。
 もうすぐWBCですな。あたしゃ大谷選手が投げたり打ったりするのは見たいけど、ちと騒ぎすぎですな(笑)。大谷選手もプライベートジェット(?)でやってきたり移動したりするんだもん。さすがですな。どんどん日本でお金を使って派手にやってほしいぜ。試合の方も、野球は勝ったり負けたりだからガチガチにならずに楽しんでやってほしい。それは日本が勝てばうれしいし、負けるとフラストレーションが生じるけど、観たいのは「おおお!すげーな。」というプレイですからね。この春先の時期の大会はやはり野球選手には負担が大きいですわね。

 メジャーリーグの試合ではセブンス・イニング・ストレッチ(seventh inning stretch)中に、スタンドの観客らが立ち上がってこの曲を歌うんだそうですが、楽しそうですね、みんな(笑)。

   Take me out to the ball game,
   Take me out with the crowd;
   Buy me some peanuts and Cracker Jack,
   I don't care if I never get back.
   Let me root, root, root for the home team,
   If they don't win, it's a shame.
   For it's one, two, three strikes, you're out,
   At the old ball game.


4日(土)
 ああ、しばらく暖かいお天気になりそうだということです。啓蟄は6日の月曜日ですね。個人的に昔から啓蟄は漢字も好きだし、音も好きです。二十四節気のなかでも好きな響きの季節感です。