現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

苗箱の土入れとフーリオ・イグレシアスとBésame Muchoと冷奴

25日(土)
 午前中は精米と発送。
 午後は苗箱に土入れ。これで空の苗箱がなくなったので、ここまで。本当はもう少し箱は足りないのだが、まあ、田植えをしながらやりくりするしかない。

 このところYouTubeが私にフーリオ・イグレシアスをすすめてくれるので、すすめられるままにときどき聴いたり眺めたりしています。今の若い人は知らない人もいるでしょうけれど、1970年代の後半から80年代は世界的な人気で「世界の恋人」とも言われていたスペインの歌手です。同じ頃にリチャード・クレイダーマンというフランスのピアニスト(当時のラジオのDJがフランス人なのに英語読みにして通用させるのは日本人の悪いクセじゃないですかぁ?と言っていたのを覚えているけれど、今Wikiを見たら同じことが書いてあって、なるほどなぁ、と思ってしまいました。)が、これまた世界的に大ヒットして、なんとなく私はこの二人が洋風演歌っぽく聞こえて(笑)ひと括りにしてしまいがちな傾向がありました。

 縁あって岐阜県のYペンションで長らくアルバイトをしたことがあるのですが、そこのMさんがフーリオ・イグレシアスの大ファンでした。Mさんはスペイン語も学んでスペイン旅行にもいかれていたのですが、フリオ・イグレシアスじゃないの!Julio IglesiasのJulioはフとホの中間的な音で、アクセントをおいて息を強く出すの。フーリオなの!と教えてくださったのだが、うん、このことはつい最近も書きましたな(笑)。でも僕がなんだか演歌っぽく聞こえると言うと、「ちがうわ、わかってないよ、ツジイくんはまだ子どもね。ふふふ。スペイン人はすごく情熱的なの、ラテンだしね、ベサメ・ムーチョなのよ。Bésame Mucho。たくさんキスして!骨まで愛して!そういうことなのよ。このフーリオの声!どう?世界中の女性がこの声にとろけちゃってるの。」と身をよじられるのでありました。さらに続けて「スポーツは万能で学力優秀、弁護士資格も持っているらしいし、家柄だってチョットやソッチョじゃないみたいなのよ。」などとおっしゃるのでありました。なるほど。ま、要するにMさんはフーリオにメロメロにとろけちゃってるのだ、ということはわかりました。ええ、かわいい人ですね。Bésame Mucho。たくさんキスして!骨まで愛して!の官能を知らない「子ども」の私でもかわいらしい人だと思いました(笑)。1980年代前半のことです。

 フーリオ・イグレシアス。当時僕はテレビを持っていなかったし、顔も雑誌かレコードジャケットからしか知らなかったのですが、彼は手を合わせて挨拶しますよね、確かに。東洋風の。あれを知ったのはいつだったのだろう。あの挨拶で、ちょっとただ者ではないかも、と思ったんですよね。

 スペイン語はぜんぜんダメなので、(などと書くとなにか一つか二つ他の外国語ができそうな気配もでますが、英語も中国語もロシア語もフランス語も、さっぱりです。日本語しか、というか日本語もあやしいのですが。)フーリオ・イグレシアスの歌う歌詞の意味はわからずに来たのですが、このYouTubeの動画は来日公演の時のテレビ放送みたいなので、著作権がどうなっているのかは知りませんが、日本語訳がテロップで流れるので、初めて歌の意味を知ったようなことです。ヒット曲を次々と歌っているのでしょうけれど、なるほどなぁ、と思うことがいくつかありました。二つだけ、流れるテロップを書き写しました。「人生を忘れて」と「黒い瞳のナタリー」大ヒット曲ですが、なるほど、こういう曲だったのか。「人生を忘れて」はもともとはシャンソンらしいですね。なるほど。


 「黒い瞳のナタリー」のサビのところ “ 守ってくれる人は?自分の人生を歩んでいる?待ってくれている人は?” というところで、グッと来てしまいました。映画『オーシャンズ11』で、ジョージ・クルーニージュリア・ロバーツにたずねるんですね、「あいつは君を笑わせてくれるか?」と。これもグッとくるセリフでした。
 古来、賢人や哲学者が人間についてあれこれ考察を重ね、幸福とはなにか?幸せな人生とはなにか?ということについても考えに考え抜いてきているのですが、なかなかこればかりは簡単な答えはでませんね。でも守ってくれる人はいるのか?自分の人生を歩んでいるのか?待ってくれている人はいるのか?笑わせてくれる人はいるのか?にどう答えるのか、そのあたりに幸せな人生の渾沌があるような気がします。ええ、さらに付け加えて「たくさんキスして!骨まで愛して!」の官能にも。



26日(日)
 終日、雨。
 なんだかウダウダとしてしまう。夕方から「世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策事業」の役員会。この事業は4月から3月の年度なので、総会に向けての準備ですが、書面議決ということになります。

27日(月)
 晴れてくるということですので、畦畔の草刈りにでるつもりです。カラスノエンドウがけっこう伸びてきています。畔塗り機の様子も確認してもらわないといけませんね。それから浸種の準備も。