現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

「老骨に鞭打つ」ことと苗代に苗箱を並べたことと「尻踏み」と “ Ooo Baby Baby ”

 立夏
 早朝に田回り。
 昨日は朝から雨の予報でしたが、今朝見たら午後からの雨になっていました。
 午前中は「秋の詩」の苗箱を苗代に並べました。昨日は雨の中での作業も覚悟していましたが、ありがたいことでした。風も吹いたけれどたいしたことはなかったし。
 でも、作業が終わって、さてフォークリフトを片づけようとしたら、これが、あーた、セルモーターは回るけれど、エンジンがぜんぜんかからない。何度もセルモーターを回していたら、バッテリーが弱ってきた感じもしたので、あきらめてトヨタL&FのSさんに電話したけれど、世の中はGWですからね、留守番電話になっていました。それで農機センターのK君に電話すると15分で来てくれて10万円ほどするバッテリーのブースターも試してくれたけれど、エンジンがかからず、「どうも、この音だと燃料系じゃないですかね。ちょっと昔、自動車関係にいた先輩に電話してみます。」とK君の先輩に電話してもらって、40分後に行けます、ということだったらしい。40分かぁ、時間があるなぁ。とK君に「GW中なのに、すまんねぇ、休みなしか?」と言ってみると、「ええ、今、田植えシーズンですからねぇ。田植機が・・・、トラクタが・・・と電話がかかってくるんですよ。忙しくやらしてもらってんですけどね、ええ、明日は、休めるんです。あははははは。」ということでした。ま、百姓はGWは関係なく動いているので、なかなか休めないのは気の毒だとは思いますが、こっちはぜんぜん休みなんかないよ、とは言わずに、「あはははは。ゆっくり休んでな。わしはほんなら明日はトラブってもK君には電話せんわ。ほのかわり、月曜日になったら朝一番にすぐ来てと言うかもしれんで。あははははは。」と申し上げておきました。トラブルが起きませんように。
 などとバカ話をしているうちにK君の先輩が登場。先輩などと言うからどんなおじさんが来るのかなと思っていたら、男前の若いお兄さんでした。「ガソリンエンジン?キャブ?セルは回ったる?バッテリーブースターは?」などと立て続けにK君に質問して、フォークリフトのエンジンルームの様子を確認して、セルモーターを回してみたりして、「どうも燃料が来てない音ですね。」などとおっしゃって、キャブのネジを外したり(ええ、私にはよくわからないのでした。)、燃料ポンプをトンカチでカチコチ叩いたり(ええ、もちろん「叩いて治るんですか?」と訊いては見ました。「こいつは治る時があるんです(笑)。」という返事でしたが)、ええ、しばらくすると、セルモーターを回しているうちにだんだんエンジンが回る気配がしてきて、エンジンがかかりました!いやはや。これが修理ですわね。先輩が来られてから15分でエンジン復活!ま、K君との45分間のバカ話も、これで値打ちが出ました。ありがたいです。「たぶん燃料ポンプ関係がおかしかったんだと思います。単にフィルターの汚れかもしれませんが、フォークリフトの会社でもう一度みてもらってください」ということでした。とにかく治って動いてありがたいです。K君からトヨタL&Fの営業所にも電話してもらったら、「平日に連絡してください。」と録音テープが流れてきたそうです。「ツジイさん、天下のトヨタですから、GWにはちゃんと休まれていますね。むひひひひひ。」とのことでした。むひひひひひ。という笑いが気になったが、何も言わすにおいた(笑)。

 午後はそれでトラクタに乗って「尻踏み」に。途中で長男と交代する。雨が降るかと思っていたけれど、降ってきたのは18時過ぎからでした。

 暗くなりかけてから次女が久し振りに帰ってくる。どうも次女はクルマの運転が好きなようで、親としては心配するが、まあ、好きなものはどうしようもない。

 前々回のブログで「老体に鞭打つ」と書いて、今もそのままにしてあるのですが、恩師の前日のブログに「老骨に鞭打つ」と書いてあって、ああああ!と思いました。二つ、三つと辞書を引いてみましたが、ええ、みんな鞭打つのは老骨だと書いてあります。

大辞林』には

“ 【老骨】年をとった体。老身。老体。老軀(ろうく)。「―にむち打つ」”  

“ 【老体】① 年をとって衰えた体。また,老人。② 老人を敬っていう語。「御―をわずらわす」③ 軍体・女体とともに,猿楽(さるがく)の基礎となる三体の一。老人の風姿。”  

大辞泉』には

“【老骨】年老いたからだ。老体。老躯。また、老人がみずからをへりくだっていう語。「老骨にむち打つ」類語老躯・老体・老人・年寄り・隠居・ロートル・年配者・高齢者・老い・シニア・老いぼれ・長老・老輩”  

“【老体】①年とったからだ。老身。老躯。また、老人。年寄り。「老体をいたわる」2(「御老体」の形で)老人を敬っていう語。「ご老体においでを願う」②能の三体の一。老人の風姿。腰語老躯・老身・老骨・年寄り・老人・隠居・ロートル・年配者・高齢者・老い・シニア・老いぼれ・長老・老輩”  

 『大辞泉』『大辞林』の説明を読むと【老骨】は謙譲表現だし、【老体】(「御老体」の形で)尊敬あるいは丁寧な表現であることがわかります。ということはやはり自分で自身に鞭打って頑張ります、と言う場合には「老骨に鞭打つぜ!」でなければなりませんね。二、三日恥をさらしてから直します。

 恩師は正真正銘の言葉の専門家なのでなんともありがたいです。ときどき私のブログの目に余る変換ミスも指摘していただいているのですが、これ以上ない贅沢というか、落ち着いて考えてみるともったいないことではあります。ええ、私はあまり落ち着いて考えられないタイプで、今ごろになってその贅沢さに気がついていよいよ恐縮しているところです。



 さっきApple musicからスモーキー・ロビンソンとミラクルズの “ Ooo Baby Baby ”が流れてきて、ほんとに名曲だなぁ、と思う。1965年にリリースされたようです。でも僕にはリンダ・ロンシュタットのカバーも好き。って一度、このブログでも書いたけど、1978年のリリースでちょうど高校生の頃。たまたまラジオから流れてきたのをカセットテープにエアチェックして、何度も繰り返し聴いていました。のちに出だしの印象的なアルトサキソフォンがデイビッド・サンボーンであることも知って、ああ、なるほど、と納得したり。高校生の時エアチェックしたのは初夏だったのかなぁ、晩秋だったのかなぁ。
 どっちにせよ、私にとって深夜に聴くミュージックとしてはこの上ない曲です。