現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

最後の播種と中耕除草と花山大吉と卯の花


27日(土)
 朝、田回り。その後、今年最後の種落とし(播種)をして出芽機に入れる。今年最後なので掃除も念を入れ、片づけもできることは、あれこれとやる。少し作業所の軒下が片づいてうれしい。ご近所の農家をみても今ごろ播種をしている農家はいないが、さて、いつごろ田植えできるのか。むふふふ。発芽、頑張ってもらうぜ。

 午後は中耕除草に出る予定だったが、ふとまだ朝苗代を見ていないことに気がついて、見てみるといくつか水がなくなっているところもあって入水をやっていたら、時間がどんどん経ってしまう。昨日並べた苗箱のところも水がなくなっていて、土が水を吸ったのか?それとも漏水したのか?

 遅れて中耕除草に出る。遮二無二がんばったが、最初の圃場は37aの大きい圃場で、しかも深いところがあって、床が安定しない圃場。機械があちこちで沈む沈む。それをアクセルワークとハンドルさばきで乗り切るわけですが、乗用除草機に乗っている私はヒヤヒヤハラハラしつつ、気分は『平家物語』の「木曽の最期」の木曽義仲の気分。

木曽殿はただ一騎、粟津の松原へ駆け給ふが、正月二十一日、入相ばかりのことなるに、薄氷は張つたりけり、深田ありとも知らずして、馬をざつとうち入れたれば、馬の頭も見えざりけり。あふれどもあふれども、打てども打てども働かず。今井が行方のおぼつかなさに、振り仰ぎ給へる内甲を、三浦石田次郎為久、追つかかつて、よつ引いてひやうふつと射る。痛手なれば、真甲を馬の頭に当てて、うつぶし給へるところに、石田が郎等二人落ち合うて、つひに木曽殿の首をば取つてんげり。

 いや、別に「深田ありとも知らずして」というわけではなくて、重々知ってはいたのですが(笑)。なんとか中耕除草、今日の分をやり切りました(笑)。矢が飛んでこなくてよかったです。

 長男は有機栽培の「秋の詩」と「みどり豊」の圃場の「こなし」をしてくれました。

 隣村では昨日から大麦の刈り取りが始っていますが、今日も麦刈り。絶好の刈り取り日和だよなぁ、と眺めていました。麦わらを燃やしたりなんかして、たぶんこの後、続いて田植えされるのかなぁ。

 うちの家と隣との境界あたりにウツギ、卯の花があって。今、ちょうど白い花を咲かせています。ちょっと図鑑で調べてみたら、バイカウツギ(梅花空木)かもしれません。「おから」のことを卯の花と言ったりするそうですが、うちの家ではもっぱらおからです。昔のテレビドラマの「素浪人花山大吉」で花山大吉の好物がおからでしたね。今Wikiで「花山大吉」を読んでましたが、 “ 口癖は、「(居酒屋にオカラがない際に)けしからん」、「いかんなあ」、「(半次を一喝する際に)このバカタレが!」”。と出てきます。 「いかんなあ」は真似して使った記憶があるけど、当時一緒に遊んでもらっていた年上の子にウケた記憶があります(笑)。小学生の低学年の頃ですねぇ。って、50年以上前になるのか。近衛十四郎とか品川隆二と言っても通じませんわな。って 『現代田んぼ生活』を読んでくださっている方には通じるのかな(笑)。

↓昨日中耕除草した田んぼ。スバラシイ!きれいにできた!ってまあ、水で見えないだけかも(笑)。

↓今日中耕除草する前の田んぼ。こんなに草を生やしてからでは、ああ、手遅れです(笑)。ってまあ、頑張りました。でも頑張り過ぎて除草後の写真を撮るのを忘れてしまいました。「いかんなあ」「このバカタレが!」というふうになります(笑)。失敗もあったけど、なんとかできました。

↓「暮れかぬる」というのは難しい季語ですが、「春の日暮れが遅いこと。日永と同じことを視点を裏返していう」ということですが、なかなかこんな季語は使えませんよね。美しい卯の花に酔わねば花も日暮れを迎えられない、ということでしょうけれど、酔わねば日暮れを迎えられないのは壇一雄自身でもありますわな。隣の家の敷地との境に植えられていることが確かに多いような気がします。僕はアル中になるほどアルコールに強くないですが、酔わねば日暮れを迎えられない、という気分はわかります。「卯の花腐し」という季語もありますね。来週は雨が続く予報です。困るなぁ、農作業がとどこおるぜ。うーむ。ほんとに困ってる?