現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

総出の草刈り


 朝、草刈りと川の藻上げなど地域の総出に出る。時間にして1時間40分ほど。少し時間があったので、そのまま田んぼの畦畔の草刈りをする。
 お昼は総出の慰労の懇親会に参加して、弁当とビールとワインをいただく。今年の組長さんはデンマークに数年出張されていたので、なかなかのワイン通で、安いがおいしいワインを懇親会では出してくださっているのが、ありがたく、うれしく、おもしろい。誰かと仲よくなる方法のひとつは、汗を流すようなシンドイ仕事を一緒にして、そのあとおいしいものを食べたり飲んだりしてしゃべって笑うことですな(笑)。
 飲んでしまったので、午後は昼寝(笑)と読書。

 九州はなかなかの大雨の様子で避難勧告も出ているのだが・・・。田んぼが冠水している映像も出ていたが、これから出穂に向けて、微妙な時期になるので、穏便に願いたいところです。

 夜は選挙速報をやっていたが、開票の様子にジリジリハラハラすることもないので、パスしたが、夜遅く開票結果をみたら、選挙区でも、比例区でも、久しぶりに僕の投票が死に票になっていなさそうな様子なので、ちょっとうれしかったりする。いろいろご意見があるのは知っていますが、僕は原発の再稼働には反対なんです。
 ああ、そんなことより、投票率の低さにもちょっとショックを受けています。世の中のこと、社会のこと、難しいことはわかりませんが、民主主義を大事にしたいとは思っています。民主主義の根本は、まず選挙のときに候補者の意見を聞いて、いいと思った人に投票する、ってことだと思うのです。いや、まあ、安心して農業をして、落ち着いて暮らしていきたいだけなんですけどね。

 それと開票速報でお忙しいみなさんの小耳にちょっと入れておきたいのは、このところ調子がよくて首位独走のジャイアンツにカープが3連勝したことです。11連敗で5位まで落ちたカープでしたが、ええ、独走の首位チームを気持ちよく三つ叩いてちょっと盛り返してきました。ええ、勝ったり負けたりですな。ということを、皆さんの小耳に(笑)。

『スリー・ビルボード』と草刈りと期日前投票


 朝の犬の散歩の時まで雨が降っていたので、午前中は事務仕事をしたり、映画を観たり。
 マーティン・マクドナー監督『スリー・ビルボード』(2017)をiTunesで観る。うーむ。おもしろかったです。ウディ・ハレルソンはどっかで観た俳優だと思ったら『グランドイリュージョン』ですな。警察署長の役なんですが、あれこれなかなかいい味出しているし、慕われた影響力ある人物の役ですな。フランシス・マクドーマンドが主演です。頑張ってます。アカデミー賞の主演女優賞をとったんですな。いやー、強い女を演じてますわ。
 あれこれ、いろいろ差別的なことが出てくるのですが、なかなか合衆国の現実があれこれ垣間見れます。ま、いろいろわからないこともあるのですが、警察署長の遺書というか手紙がいいですな。ネタバレになるのであれこれは書きにくいが、新しい警察署長のDNA鑑定の説明がなんだかどこかから圧力がかかっているんではないかと僕は感じました。ラストは、え?と思ったけど(笑)。ああ、でもこうして頭の中で振り返りつつアレコレ考えているのだが、やっぱり面白いいい映画でしたな。


 午後は田んぼの畦畔の草刈りにでる。蒸し暑いからか、身体の中に水分が溜まり過ぎていたのか、どっと大汗をかく。雨に降られたように全身がグッショリ濡れました。やれやれ。梅雨時の蒸し暑いときの作業ですからね。


 明日、あれこれ用事があるので、ギリギリの時間であったが、帰ってきてすぐにシャワーを浴びて着替えて、参議院選挙の期日前投票に長男と一緒に行く。投票率は上がってほしいな。誰が当選しても低投票率では、当選した議員が有権者をなめるから世の中は悪くなるばかりだと思います。立候補者が政見や公約を述べ、しっかりした選挙が行われて、有権者がそれぞれ考えて投票するというのが民主主義の根幹ですからね。


 五島列島対馬の雨が気になりますが、全国的に日照不足で野菜等が高騰していますね。うちの露地栽培の畑にも影響が出てきました。梅雨明けが待たれます。

虫談義とラミーカミキリとヤブキリと「仕事が回っていく」ということ


18日(木)
 終日雨。
 午前中は精米など。
 午後は導農業士会の研修と懇親会。
 懇親会で隣の席になった普及所のYさんが虫好きということがわかり、急に話が盛り上がってしまった。なんだか久しぶりにあれやこれやの虫談義でうれしかったです。Yさんは糞虫(ふんちゅう)が好きだそうです。糞をエサとするコガネムシですね。センチコガネとかは金属光沢があったりしますしきれいですね。でもあまり僕は見てこなかった・・・。それから普及所3年目のNさんは蛾が専門というか、詳しいのだそうです。広島出身でもあるらしい。ちょっと席が離れていてお話はできなかったけど。うーむ。


19日(金)
 なんだか雨が降ったり止んだり。
 今日は3回郵便局へいった。お隣の局に2回、それから3kmほど離れた局へ1回。お隣の郵便局は近くていいのだが、最終の集配される時間が早いので、その時間を過ぎると隣の隣の郵便局へ持っていくことになります。


 朝、まだ雨が降っていたが、小雨だったので、傘をささずに散歩に出る。
 またしてもラミーカミキリを見つける。この画像には一匹だが、この葉の裏にもう一匹隠れていたのでした。裏にいた一匹は驚いて飛んでいってしまったのでした。
 それからヤブキリも見つける。この緑色のなかで見つけるのは、あーた、ちょっと目が走ってないと見つけられませんぜ(笑)。ヤブキリはけっこう獰猛な虫として有名ですな、他の虫をよく捕食して食べてしまいます。確かに前脚とかの爪がゴツイですね。


ラミーカミキリが2匹



 それから日本農業新聞に連載中の小説、村上由佳「雪のなまえ」のシゲ爺のセリフが、たぶん東北方言でニュアンスがちょっと分かりにくいところはあるが、いろいろ胸に刺さります。確かに「仕事がなんとか回っている」というとき、ここらでも一見黒字になっているように思えても、自分の手間賃は出てない、というか、計算するのも恥ずかしいくらいになってしまっているということはありますね。あれこれ家族の協力の中でなんとかなっている、という状況というのはたくさんあります。

大豆の中耕の試運転と生き物の動画など。


 一昨日の天気予報では、今日の天気は雨だったが、昨日は曇り一時晴れ、になり、今日の実際の天気は、晴れときどき曇り後曇り一時雨、という天気でした(笑)。蒸し暑い一日。玄関にある鉢植えのハイビスカスが美しい。
 午前中は精米など。
 お昼に注文していた中耕カルチが届いたので、さっそくトラクタに付けて、午後は大豆の圃場の中打ちに出る。要するに大豆の条間を耕起して生えてきた草を埋める。同時に少し大豆の根元に少し土をかける、という作業をするわけです。2連のカルチなので、2条づつ中耕できるわけです。
 去年までの密植栽培をやめて今年から条間を広げて播種する慣行栽培に戻したわけですが、しかし、こんな風にトラクタで中耕するのは初めてなので、やはりちょっといろいろ思った通りに行かないことがありますな。今回も条間を80センチにして播種したのですが、どうも90センチくらいでよかったと思います。というのはトラクタのタイヤの幅も計算に入れていたのですが、実際にやってみりと思ったよりギリギリで余裕がないですな。いやはや。それから播種時、切った溝の間の畝を往復して播種するのですが、その際、往復するときにできる条間が概ね狭くてカルチが入れないんですな。ま、溝切りの時はカルチを導入することをまだ考えていなかったので、・・・。さて、こういう時はどうするか。考え時ですな。
 長男が中耕してくれているときは僕は畦畔の草刈りなど。



 朝の散歩や田んぼでの仕事中にあれこれ生き物をスマホで撮ってみることもある。


ハグロトンボが飛ぶ木陰

 朝の散歩の木陰の道を歩いていくと、ふらふらとハグロトンボが驚いたように飛び立つのでした。


https://youtu.be/UPaQb9T5hCI

交尾中のアゲハチョウ

 これは昨日写真をブログに貼り付けたアゲハチョウの交尾。けっこう近づいて撮ったのですが、逃げることなし。羽化したばかりのチョウで羽根の鱗粉もうつくしいです。



ラミーカミキリをみつける

 ラミーカミキリはなんとなく色も模様もおもしろいし好きです。ラミーというのはこのカミキリムシが食べる草の名前だそうです。ラミー?カラムシの変種?この葉っぱはカラムシ?



サワガニを田んぼの水路脇で見つける

 コイツは水路脇の草刈りをしていたら、草の間をごそごそと歩いていました。どこに行くつもりだったのかわからないけれど、草刈り機に接触しないようにまた水路に戻してやりました。


 今朝は田んぼにたくさんの鷺の姿を見たけれど、鷺は鳥としてはそこそこ大きい方だけれど、さすがになかなか大きくは撮れない(笑)。



 明日は雨が降るらしいが・・・。ほんとかな?困るなぁ(笑)。
 そういえば参議院の選挙だが、公示されてから一度も選挙カーに出会っていない。人口の少ないこのあたりは選挙カーで回るには効率が悪いとどの陣営も考えているのかな。それも仕方のないことなんだろうけど、選挙期間中に一度も選挙カーに出会わない、というのもちょっとなかったことのような気がする。ま、静かでいいけど(笑)。

溝切り完了と穂肥をやることと『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』


13日(土)
 このところ毎回そうなのだが、三連休なのを三連休になるまで知らなかった。カレンダー上の休みは関係なく、雨が降ったら外の仕事もできないことが多いので、身体を休めたりしているので、ま、カレンダーより雨雲レーダーばかり眺めているようでは、世間のことから疎くなりますわな。


 長男が最後の溝切りをしてくれたので、僕は尻水戸と溝をつなぐ作業をして落水する。苗代あとの圃場も無農薬の圃場もすべて落水して、すべての圃場が中干しになりました。


 今年導入したみのる農機の管理機の作業もこれですべて終了したので、水洗いして、グリスも少しつけて、溝切り機のアタッチメントから除草機のアタッチメントに付け替えて、車庫に格納。ご苦労様でした。ま、だいぶ機械にも馴れたし、長所も短所もわかってきたので、来年も故障なくしっかり動いてください。って、ええ、僕のメンテナンスが大事なのはわかっています。


14日(日)
 朝、一番最初の5月7日に田植えした「コシヒカリ」の圃場にいって幼穂の様子を確認したら、5mmほどになっていた。だいたい予想通り。農協は「コシヒカリ」の幼穂が10mmになったら穂肥をまいてください、と言っています。これは農協に出荷する「環境こだわり米」で有機肥料が50%という契約なので、穂肥も「ハーフ有機」の肥料です。それで肥料の効きも少し遅れるので、毎年幼穂5mmほどで穂肥をまいています。そんなわけで、終日、穂肥をまく。これで五月の連休植えの「コシヒカリ」の穂肥は散布終了。



15日(月) 海の日
 農協出荷の慣行栽培の圃場で、一発除草剤をまいたにもかかわらず、少しヒエやクログワイやキシュウスズメノヒエが生えてきた圃場にクリンチャーバスを散布。長年、無農薬栽培をしてきていると、少々の雑草には動じなくなってきているのだが、キシュウスズメノヒエという雑草には、ここ数年、手こずっています。畦畔から本田に入ってくる雑草なのだが、ちょっとスキを見せると途端にどうしようもなく繁茂してしまうし、放置すれば秋の収穫時には厚いカーペット状態になってしまって、手でむしることもできないようになってしまう強烈な雑草なのです。今回は「環境こだわり農産物」の契約の範囲内で除草剤をまくことにしました。


16日(火)
 昨日まで天気予報では終日雨となっていましたが、朝から曇り空とときどき陽射しという天気。ありがたい。
 午前中は僕は精米など、長男は畦畔の草刈り。午後は郵便局や農協であれこれお金の出し入れをやったり穂S類の提出をして、その後は僕も日没まで畦畔の草刈り。日没がまだ19時だったりするので、ええ、たくさん草刈りをして、汗びっしょりになる。


f:id:tsujii_hiroaki:20190715065346j:plain ふっと気がついたらツール・ド・フランスがはじまってますな。数年前まではけっこうネットの速報に注目していたのですが、すっかり熱も冷めてしまって、久しぶりにJ SPORTSのページを見てみたら、名前の知らない選手、名前のわからないチームもたくさんいて、いやはや、という感じ。まあ、ツールのチームはけっこう入れ替わりがありますからね。ツールのいいところは風景が美しいんだなぁ(笑)。カメラマンは美しいところではドローンなんかも使ってカメラアングルをかなり練って撮影しているのでしょうけれど。
 ツールのDVDは2009年、2010年、2011年と持っていた。うーん、もっと買ったような気もするのだが・・・。2007年、2008年ぐらいからネットであれこれ応援していたような気もするのだが、ええ、私のツール・ド・フランスコンタドールと共にありました。彼の自転車の乗り方でダンシングという言葉を覚えました。ええ、今でもたいていダンシングして自転車に乗っています(笑)。


 ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)読了。いやー、おもしろくてシュルシュルと読めました。こういう感覚は久しぶり。6月20日に出たばかりの新刊です。「波」に2018年の1月号から2019年の4月号まで連載されてた文章をまとめた本らしいです。帯には”連載中から熱狂的な感想が飛び交った、私的で普遍的な「親子の成長物語」”とあります。イギリスのブライトンが舞台の話ですが、著者の息子くんがスバらしくいい子なんだなぁ。自分で考えるいい子だし、母親である著者とよくしゃべるいい子ですなぁ。ちょっといい子すぎるなぁ(笑)。でも日本でも同じような問題が起きていそうな気配はありますね。人種差別、ジェンダー、階級社会、貧富の差、アイデンティティ、あれやこれやが実に読みやすい日本語で書かれています。イギリスの「元・底辺中学校」に通う少年の目を通して、大人がいろいろ考えさせられますな。少年は軽々と問題を乗り越えていっているように見えますが。


 うちの田んぼの畦畔でアゲハチョウが交尾していた。このアゲハがまた羽化したばかりなんだろうけれど羽根に少しもキズがないぴかぴかのアゲハチョウなんだなぁ。昔、日高敏隆『チョウはなぜ飛ぶか』にモンシロチョウのオスは常に羽化したばかりのまっさらのメスを探していて、そういうメスを見つけると、すぐに交尾するべくちょっかいを出しにいく、みたいなことが書いてあったのを思い出しました。ま、自分の遺伝子を残すためのオスの当然の行動なんでしょうが、アゲハチョウでも事情は同じようですね。
しかしぴかぴかのアゲハチョウの美しいこと。上がオス?下がメス?下側のチョウは腹のあたり花粉だらけですね。どこを飛んできたのか。

草刈りと溝切りと『どん底』


10日(水)
 曇り空。終日、畦畔の草刈り。


11日(木)
 朝から雨。午前中は精米など。午後は本を読んだりしながら、なんだかゴロゴロしてしまう。
 雨はどれくらい降ったのだろう。


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12日(金)
 雨は上がって、ときどき陽射しが出たが、曇り空。曇ってはいたが、雨上がりの朝の散歩はちょっとうれしかったりする。散歩道でまだ濡れたヤブカンゾウの写真を撮る。ちょうど咲き出してきました。家に戻ってくると例によってアサガオやゴーヤやユウガオのグリーンカーテンにすべく先日長男が母や奥さんを手伝っていたのだが、早速、アサガオが咲き出していた。ええ、いいもんですな。


 朝、精米をして、昼過ぎまで畦畔の草刈り。途中、畦畔用の自走式草刈り機のナイフを留めているボルトが2本折れてしまう。このところどうも畦畔用の草刈り機のトラブルが続くような気がするが、まあ、よく働いてくれているので、仕方がない。
 午後は中耕除草機の除草機を外して、溝切り機に付け替えて、溝切りを長男にしてもらう。僕は無農薬の圃場でずいぶんヒエが生えてきたので、鎌で少しヒエを抜いてあるく。大いに疲れる。
 そういえば、午前中、草刈りをしているとき、黒い羽根のハグロトンボが用水路の上をパタパタユラユラと飛んでいたし、青の上に塩をふいたような美しいシオカラトンボもスイスイと飛んでおりました。ええ、夏ですな。


 「ゆうパックスマホ割アプリ」なるものがありますよ、と郵便局で教えてもらう。「たくさんゆうパックを利用される人には少しだけお得です。手書き不要で、記録もスマホに残ります。」「へー、ダウンロードするだけ?お得なら少し考えてみようかな。」「失礼ですけどツジイさん、こういうスマホとかは得意ですか?最初の登録したりという手順がひょっとするとややこしいかもしれません」「ほうなん?ダウンロードくらいならできると思うけど、ややこしいと『もう、やめじゃ!』となってしまうかも(笑)」「もしわからないことがあったら聞いてください。私もまだ使ったことがないのですが、勉強しておきますわ。」ということでした。
 というわけで、早速、「ゆうパックスマホ割アプリ」というのをダウンロードして使ってみた。ユーザーの評価を見てみたら、けっこう厳しい評価がついている。うーむ。登録手続はわかりやすくて、まあ、すぐできました。宛先を入力すると、スマホ画面にQRコードが表示されて、それを郵便局でピッと読んでもらえば、郵便局でラベルが印刷されて、貼ってもらえる。というシステムですね。カード決済なので現金を払う必要がない。年間10個以上利用すれば10%安くなる。パンフレットには一個につき180円引きとも書いてあるけれど、これは郵便局への持込み(120円)、同一宛先割引(60円)の分なので、いつもこの二つを利用している僕には、この180円引きにはあまり当てはまらないが、ま、10%引きをめざして、しばらく使ってみるつもり。
 ちょっと使ってみてわかったこと。例えば複数個ゆうパックを持ち込むと、まだラベルが貼られていないので、宛先を間違わないように付箋をつけたりしなければならない。それからやっぱりどうもアプリが不安定で、通信エラーを起こして画面が真っ白のまま固まってしまうことがある。ま、スマホの再起動で動き出したけれど、安定していないのは大いに困る。


 ジャン・ルノワール監督『どん底』(1937)をDVDで観る。ジャン・ギャバンが主演。原作はゴーリキーですな。黒澤明にも『どん底』がありますね。観ていませんが。
 原作のゴーリキーの『どん底』は学生時代に買ったので、たぶんどこかに文庫本があるはずだけれど、読んだのかな?なんにも覚えていない(笑)。映画としては、パリのどん底の宿屋(半地下の土間に木製の寝台が並んでいるだけの宿屋)の小さな世界のストーリーだし、そんなにおもしろいものではないけれど、コソ泥のぺぺル(ジャン・ギャバン)と男爵(ルイ・ジューヴェ)の会話がなかなかしみじみさせます。ペペルがナターシャ(ジュニー・アストル)を口説くセリフもよかったですな。まあ、でもラストシーンはどうなんだろう。妙に不安が残ったりするのだが(笑)。
 DVDをポーズで止めて、ジャン・ギャバンとジュニー・アストルを描いてみたのだが、途中から気分は和田誠のようになってきて(笑)、調子よくペンが動いたのだが、出来上がってみるとやはり顔を描くのは難しい。1936年製作のモノクロ映画なので、色を塗らなくてもいいのがありがたいけど(笑)。第二次世界大戦前のフランス映画。パリの華やかな一面はあったにせよ、映画のような貧しさのどん底の暮らしももちろんあったわけで。ま、当たり前といえば当たり前ですが。大きな格差のある社会の中で暮らしていると、どん底の暮らしではなくても、あれこれ上をみたり、下をみたり、暮らしにくいことは間違いないですわな。

大豆の播種を終えたことと『哲学者とオオカミ』


8日(月)
 午前中は直播きの役員会。
 午後は大豆の播種。下の田んぼで土は充分に乾いているとは言いがたかったが、とりあえず播種することにする。土が湿っているので、鍬で溝を繋げたり、溝に落ちた土を上げるのに大いに疲れる。
 でもこれで今年の大豆の播種は終了とする。

9日(火)
 終日、雨という予報だったかが、雨が降ったのはほんのわずかな時間で、ほとんど曇り空。
 午前中は事務仕事。午後は精米など。

 畑のトウモロコシがとれたので、さっそく茹でていただく。あははははは。

 朝の散歩道にヤブカンゾウが咲き出した。毎年咲くのだが、ヤブカンゾウはどうもクシャクシャとした花びらというか花なので、なかなかうまく撮りにくい。曇り空の木陰での撮影だが、どうも色かぶりしているなぁ。

それからこの妙な虫が散歩しているとぱたぱたと不器用そうに飛ぶのだが、なんていう虫だろう。

 カープがとうとう10連敗ということになってしまいました。苦しんでいるなぁ。カープは合計で11安打だし、決して打てていないわけではないのだが、ここというところでもう一つヒットになっていないなぁ。
 ま、明日ドラゴンズとやれば、オールスター戦ということになるので、ここでちょっと気分転換というか、休憩もして、後半戦に頑張ってほしい。まだまだこれからです。勝ったり負けたりしてほしいです(笑)。

 ここ一週間ほど、ボチボチと読んでいた、マーク・ローランズ著『哲学者とオオカミ』(白水社)を読了。副題は「愛・死・幸福についてのレッスン」となっています。おもしろかったです。2010年に出た本ですが、けっこうあちこちで書評にあがっていて、絶賛されていたそうです。帯には「最も大切なあなたとは、幸運がつきてしまったときに残されたあなただ」とか「気鋭の哲学者が仔オオカミに出会い、ともに生活しその死を看取るまでの驚異の報告。野生に触発されて著者は思考を深め、人間についての見方を一変させる思想を結実させる。」なんて書いてあります。
 なかなかオオカミと共に暮らす人はいませんね。しかもそのオオカミを檻にいれたりするのではなく、訓練し、家の中で共に暮らし、綱もつけずに一緒に散歩に入ったりランニングしたり、また職場である大学にも連れていって、授業の時も教室に一緒にいったわけです。自分と同等の力がある大きな犬には敢然と戦いを挑み容赦はないが、小さな犬や人間の子どもには優しく接するんですね。こういうオオカミ(名前はブレニン)に関するたくさんのエピソードはとてもおもしろいです。アメリカ、アイルランド、イギリス、フランスとあちこち暮らす場所も変わっていきます。著者の勤務校も変わっていきます。僕はブレニンがどんな場所を散歩し、走り回っているのか気になって、Googleマップで検索したりしつつ(もちろん家が特定できるわけではないが、雰囲気はよくわかります。)アイルランドのコークという街の周辺の田園や、ロンドン郊外のウインブルドンパークを眺めて、テニスのセンターコートを見つけたり、アールズコートのガーデンビューホテルを眺めたり、フランスのラングドック地方の地中海沿岸を眺めたりしました。
 著者は哲学者でもありますから、ブレニンの生き方やその死にふれながら、人間とはなにか、ということを考えるんですね。オオカミとサルを比べます。人間は内なるサルを抱えた存在です。サルは社会生活の中で相手の意図や状況を読み、それを利用して相手を欺き、謀略をたくらみ、相手の弱みにつけ込んで自らの利益を得ようとしてきた、と。それ故に知能が高度に発達したと。人がイヌやオオカミを愛するのは、サルになる以前に私たちが持っていたものを呼び覚ますのではないか、と。もちろん百姓の僕の頭脳では、愛も、死も、幸福も、時間も、充分には理解できないことばかりで、人間についての見方を一変させる思想を結実させることはできなかったが、付箋だけはたくさん付けてしまった(笑)。
 それでも充分おもしろかったです。それにしてオオカミはでかいですな。それに強い。僕は読みながらいつもレノン号のことを頭に思い浮かべていたのだが。レノン号もだんだん年老いてきています。ええ、僕も老いてきているし、僕の両親も当然ながら老いてきています。