現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

風が強い日と苗代作業と育種家の坂嵜潮さんとヘアリーベッチの開花と「こなし」


↑苗代に並べて4日目の苗代の白い不織布が風でまくれ上がっていた。
ま、すでに苗は緑化してきているので、少々のことでは大丈夫なんですけど。

24日(水)
 朝から風が強い。目が覚めてすぐ苗代を見に行ったら、4日前に苗代に並べた苗箱に被せてあるラブシート(不織布)がめくれ上がっていた。やれやれ。でもすでに芽は緑化していたし、少々のことは大丈夫でしょう。雨で水もたっぷりだし。
 強風の中不織布を被せ直していたら母も出てきてくれた。
 この強風で作業所はどう?と思って見に行くと、案の定、庇の下に積んでおいた空の苗箱が400枚ほどひっくり返っていた。やれやれ。散らかった苗箱を拾って、今度は作業所の中に積む。
 その後は農協に書類を提出し、精米してお米の発送。農事組合の配りものをして、明日、並べる苗箱の準備で苗代に板を立て、鋤きに出ていた長男が用事で戻ってきたので、午後遅くからトラクタで鋤きに出る。
 なんだか、いろいろ仕事する。

 そういえば。
 今朝、目が覚めて、いつものようにラジオを点けたら、育種家の坂嵜潮さんが登場していた。交配で品種改良をして新品種をつくる人です。ペチュニアの新品種のサフィニアは人気が出て、ヨーロッパを席巻したという噂の花ですが、そのサフィニアを育種した人です。
 途中から聴いたので、坂嵜潮という名前は出てきていなかったのですが、「育種家」「ペチュニア」という単語や、声と話し方で坂嵜さんじゃないの?とピンと来たのでした(笑)。
 なんで私がそんな世界的に有名な坂嵜潮さんを存じ上げているかというと、私が栽培しているお米「みどり豊」と関係があるのです。2017年のアグリグラムに「育種家だった私が、今は米づくりに取り組んでいます。きっかけは大学時代の親友との再会でした。彼は福島県で、たった2本のコシヒカリの突然変異を発見したのです。その突然変異から生まれた新品種「みどり豊」は、コシヒカリよりも優れたお米だとわかり、普及を手伝うことになりました。」とあります。私も「みどり豊」の種籾は今でも坂嵜さんの「あぐりきっず」から購入しています。今はもう品種として安定もし、人気もあるので取れたお米の提供はしていませんが、最初のころは2kgだったか、4kgだったの玄米を提出する契約で、毎年食味等を計っておられました。
 平成27年に「第17回 米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」でうちの「みどり豊」が特別優秀賞を受賞したのですが、表彰式のあった小松市に坂嵜潮さんも、あぐりきっずの黒川さんも来てくださったのです。坂嵜さんは開口一番「ツジイさんて、どんな人かとずっと思ってました。ブログ読ませてもらっていますよ。」とおっしゃいました。とてもうれしかったです。だからこうして覚えています(笑)。もちろんその時も有名な育種家だとは知っていたのですが、初対面の人には特に「人見知りする」タイプなので、ほとんど何も言葉が出てこなかったです。というか仕事の実績も内容も具体的には知らないのに、有名だからという理由だけで、なれなれしくべらべらしゃべる、というのもとても恥ずかしいことだと思ってしまうので(笑)。
 でもその時以来顔は合わせていません(笑)。その時の一度だけ。ま、当然だけど。

 ラジオでのお話しぶりはわりと淡々としておられて、さすがだなぁ、と思いました。失敗や懸命さや努力や苦労はあんまりお話になっていません。あるに違いないのですが、そのあたりが上品ですね。
 ブログで、あーだこーだ、と嫌がられるほどの長文を書いてしまう私とはだいぶ違いますね(笑)。ま、でもブログは “Just the way you are”   ということで(笑)。「ありのままのあなた」あるいは「素顔のままで」ということで。


↑私の知っているビリジョは、若くて髪の毛がたくさんありました。サックスを吹いている男がダスティン・ホフマンにちょっと似てる(笑)。いや、髪の毛があろうとなかろうと、ビリー・ジョエルは好きです。

25日(木)
 朝のうちは無風だったが、苗代作業をする頃にはまた強風になる。いやはや、
 月曜日に播種した「コシヒカリ」は天気の具合で、室(むろ)の中の温度を24度に抑えていたので、中二日でちょうどいい具合になる。
 朝、作業所の周りの草刈り。それから苗代に苗箱を並べはじめる。風が出はじめたと思ったら強くなってきて、あれこれ難儀する。しかもパッカーとかが足りなくなってあわてる。数年使ってきているので、うまく押さえられないのだ。さらに水路から苗代に水を入れるのにエンジンポンプを使っているのだが、これがまた調子が悪くなり、農機センターのKさんに来てもらって修理。やれやれ。そんなこんなで14時までかかってしまう。
 で、長男は畔塗りに、僕はパッカーを買いに出て、その後は尻水戸を作って、田んぼに入水してあるく。



↑出芽機から出したばかりの苗箱。白い芽がいっぱい!
浸種が充分なので、催芽もせず、直接出芽機にいれて、24℃というわりと低めの温度で中二日で、こんな感じ。って、まあ、メモですね。


↑苗代に並べて半月ほど。充分に伸びてきたので不織布を外してみた。いい苗だなぁ。


↑入水した田んぼと伊吹山





↑夕方のヘアリーベッチ

 緑肥にする菜の花は終り、今がへアリーベッチの花盛りというところです。近々モアで刈って鋤き込むことにしましょう。
 菜の花はもう一つ貧弱でしたが、へアリーベッチはけっこう盛大に繁茂してくれて、私のひざ上、ふともも近くまで盛り上がっているところもあります。これならまったく追加の肥料はいらないと思います。ありがたいです。刈ってすこし置いて乾かしてから鋤き込むことにします。

26日(金)
 朝、苗代を確認。水を入れた田んぼの確認にいき、それから「こなし」(荒代かき)をする。途中で長男と交代してもらい、お米の精米と発送をして、有機栽培の畦畔の圃場の草刈りに。
 明日から黄金週間なんだと。なるほど。曜日の感覚がなくなってくるので、急に明日からお休みです、と言われても、とあわてて軽油の配達をお願いしたりする。

27日(土)
 朝方、妙な夢をいくつかみる。ヘリコプターの整備士だったり、どこかのショッピングセンターの駐車場でなぜか一人であんパンを食べていたら、昔の職場の知り合いと目が合う(笑)。あと何かもうひとつ見たはずなのだが。夢は目が覚めるとあっという間に忘れてしまうぜ。

 曇り空。次男は始発で東京へ戻るという。