現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

経営方針をきかれて

先日銀行でずいぶんと待たなければいけないことがあって、待ちながら米原市の広報紙を読んでいましたら教育評論家・尾木直樹さんと語る子育て環境作りという新春座談が掲載されていた。簡単に要約すると・・・
江戸末期に日本にやってきた宣教師も驚くほどもともと日本人は父親も男も女もみんな子どもをとてもかわいがっていたのに、現代ではよその家の子どもにかかわる大人は少なくなってしまったし、父親も子育てに参加できていないのでお母さんに子育ての負担がかかりすぎている。子どもから見てもお母さんの前でいい子にしてなきゃ抱っこしてもらえない、愛してもらえないと。お母さんの前ではいい子を演じてしまう子どもも出てくる。田舎でも核家族化が進んで三世代家族も少なくなり祖父母が孫をかわいがるような「無償の愛」「無条件の愛」がないから子どもは「自己肯定感」がもてずに自分に自信が持てず自分を愛することができず、他人を思いやるようなやさしい心が育たない。
ずいぶん乱暴な要約ですけど。で話は田舎都市の米原だからこそできる子育て環境づくりをしていきます、という市政の広報的まとめになるわけです。いや、まあよくあるパターンの話の展開で目新しいものではないのですけど。


昨日が一月の終りで、農産普及課から品目横断的経営安定対策加入者への経営実態アンケートの締め切りだったとふと思い出してアンケートに答えたんです。そしたら「経営方針」を書けという欄があって、「家族や家庭を大事にする生活の延長にある農業をする」というようなことを書いて(他にも経営面積やら経営改善のスケジュールやら困っていることなどもあれこれ書いて)あわててポストに投函した。でも農産普及課が経営方針の欄に書いて欲しかったことはもっと別のことであるのだろう、トンチンカンなことを書いてしまった。と後から思い至ったのだが、手遅れなのでありました。ま、あわてて書くとロクなことにならないというのはよくあることです。
でも考えてみたら農業しているとこうして農閑期もあるわけで、拘束される時間の多いサラリーマンのお父さんとく比べると子供たちと接する時間も多くなる。そういう時間もまた楽しんだらいいわけですね。というか楽しまな損。でもだからといってうちの奥さんの子育ての負担、家事の負担が小さくなっているかというと、もうぜんぜんそうはなっていないのが申し訳ないところです。いや、ほんと。経営方針、「安全安心でおいしい米作りの農業をする」とか「あんまり大規模にしなくてもそこそこやっていける農業」というのはもちろんなんだけど「家族や家庭を大事にする生活とともにある農業」っていうのもトンチンカンだけど、忘れずに心の隅に。