現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

盆梅展と交響曲第4番「ロマンティック」

長浜の慶雲館での盆梅展

昨夜、ちょこっと用事で帰ってきた長男を、また朝、長浜駅まで送っていったついでに、慶雲館の盆梅展を観に行った。開場されたばかりの時間だったので、ほとんど観ている人もなく、独り占めという感じで観てゆく。梅の花の香りがとてもきもちがいい。早咲き、遅咲きと梅の種類によって入れ替えておられるのですが、紅梅の「不老」も白梅の「さざれ岩」もともに立派に咲いておりました。


今日の日本農業新聞のコラムにベストフーズ社長・本間惇氏の文章が載っていた。以下その要約。
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世界食料価格指数が今年一月は過去最高231となり、とどまることを知らない。
高騰の最大の原因は、異常気象である。昨夏、小麦生産国・ロシアが干ばつで小麦輸出を禁止したことがチュニジアの食料価格を高騰させ、政権崩壊の引き金となった。世界一の小麦輸入国エジプトは、半分をロシアから輸入してきたが、輸入がままならなかったことが今回の暴動、政変の隠れた一因である。
米国のトウモロコシの在庫は中西部の干ばつと熱波、中国などの需要増で、15年ぶりの低水準になった。オバマ政権がガソリンに混入できるエタノールの上限を10%から15%に上げるなどバイオ燃料推奨策を掲げたことが相場を急騰させている。トウモロコシのエタノール需要は飼料と同じ40%にもなり、政策批判にまで発展している。
2番目は、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の人口増に対応しきれない経済事情が不安に拍車をかけるのだ。
値上がりを期待する投機が、商品相場を高騰へと走らせていることが3番目の理由だ。世界で有り余る投機マネーの規制が問題化するであろう。
食糧安保」の重要さを国民に訴え、政治の第一義に置くべきだ。環太平洋経済連携協定(TPP)ヘの参加で、日本の食糧自給率を14%にまで下げてしまったとき、「国破れて山河あり」では終わらない、その先を読まなければならないのだ。
食料生産国でも、対岸の火事を見た時、自国民を無視して日本に安い食料を輸出してくれる保証はない。「いつまでもあると思うな輸入食料」であり、輸出国はパタッと止めてしまうものだ。「有事の食料」論を国民に説き、二重、三重の対策を打たなければならないのが自然相手の農業だ。
高騰して当然の環境だし、人気取りのバラマキ政策が続けられるであろうが、残念なのは、その結果が農業生産者に反映されるどころか、衰退につながっていると感じることだ。農業者は今こそ鉄拳を能天気な為政者にぶつけるべきだ。
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おっしゃっていることはもっともなことだと思うし、能天気な為政者に鉄拳を、というのもまあ、そうだなぁ、とは思うものの、百姓は出たとこ勝負で、出たとこ真剣勝負でなんとかしてきた、という感覚もあるし、とりあえず世の中がどうなってもわしらには食い物はある、というのもあるし、そんなこんなで、もひとつ盛り上がれないのかなぁ。すでに一緒に盛り上がることの出来る同じ担い手の専業農家の数が少なくなってしまっている、とうのもあるかもなぁ。うーむ。


ショルティシカゴ交響楽団ブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」やグールドのバッハを聞きながら、領収書の打ち込みをする。
ああ、グールドを知ったのは、グールドが死んでしまうのとほとんど同時だったのだけれど、次はどんなレコードが出るのかと、心待ちにするような暮らしだったら、さぞや、と思ってしまう。