現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

キツネを追いかけるレノン号と男の料理教室

けんちん汁

田んぼにはまだ雪があって真っ白なのだが、雨が降ったり暖かい日があったり、また今朝みたいに冷え込んだり、ということを繰り返していると、だんだん雪が締まって堅くなってくる。今朝は冷え込んでいましたので、雪の上を僕があるいても沈むことなく、すたすたと歩くことができました。で、朝、犬の散歩に出たら、なんとキツネが田んぼの横の細い川からひょいと顔を出して、雪の田んぼの上をスタスタと歩いてくるではないですか。キツネと僕らの距離はどうだろう50mか60mほどか。キツネもこちらに気がついたが、僕が犬にリードを付けているのを知っているのか、こちらをチラッと見て、走ることもなくスタスタと歩いている。「あんにゃろー、なめとるな。ちょっとビックリさせたろか。」スタスタ歩いているキツネがあっちを向いている隙に、愛犬レノン号のリードをはなしてやる。いやー、走る走る!レノン号がキツネを追いかけます。キツネも気がついて走り始めます。しかし、今回は前回と違って、堅い雪面。レノン号だって思い切り走ることができます。見る見る差はなくなりました。しかし、さすが野生のキツネ。最高速度では敵わなくても、フットワークが違いますな。追いつかれそうになると、右へ左へとひらりひらりと大きなしっぽを振ってかわします。観ている僕もドキドキです。もしレノン号が野生のキツネを捕まえて、くわえて持ってきたら、どうしたらいいのだろう、調子にのって大変なことをしてしまったのかも、とドキドキして観ていました。舞台は田んぼの堅く締まった真っ白い雪原。犬とキツネの追いかけっこがすべて見えるのでした。
しかしとうとうレノン号が諦めたようです。どうもまだ朝のエサもやっていないし、息が上がってしまったよう。ハアハア言いながら僕のところへ帰ってきました。どうでしょう、チェイスは1分ほどだったでしょうか。キツネは150mほども離れたところから、こちらを見て、またスタスタと歩き始めました。
レノン号はいささかなんだか申し訳なさそうな眼をしているので、言ってやった。「レノン号よ、お前ももうすぐ4歳。今が盛りのオス犬だ。キツネなんかになめられてたまるかよなぁ。あのキツネもちょっとは慌てたことだろうよ。しかし、かわいいメス犬が観ていてくれないと本気にはなれんか?」


午前中は営農組合の「男の料理教室」。午後は総会と懇親会だ。料理教室では営農組合の婦人部のご指導で、生姜ご飯、ブリの照焼き、しらあえ、イカのマリネ、けんちん汁という五品を習いながら作りました。うーむ。生まれて初めて烏賊を切ったぜ。それから去年はタマネギのみじん切りだったが、今年は薄切り。うーむ。薄切りもなかなか難しい。けんちん汁でもたくさん野菜を銀杏切りだの小口切りにして、サラダ油とゴマ油で炒めたりする。ダシはすでに作っておいていただいた。昆布とカツオのダシでした。
営農組合の婦人部のみなさんのおかげで、楽しくおいしく作ることができました。ありがとうございました。


総会のあとの研修会では、「環境保全型農業直接支払い交付金」について説明をしていただきました。もちろん地球温暖化の防止や生物多様性保全には取り組んでいきたいと思うのですが、農水省もそのような立派な名前の看板をあげておきながら、要するに温暖化のことも生物多様性のことも真面目には考えていなさそうで、農家にとっては取り組みにくいというか、なじみにくい支援政策ではあります。まだ明るい4時前から懇親会。いささか鬱とした研修会から打って変わって、楽しく飲むことができました。