現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

ラジオの競馬中継と清らかな水

ひな人形

うーむ。なんだか慌ただしい週末でありました。


しかし、いかんなぁ。iPhoneでいつでもラジオNIKKEIが聞けることがわかったので、ちょっと土曜日、ラジオの競馬中継ってどんなもんかな、と聞いてしまったら、もうあかんがな、落ち着かんわ。だって、「あの馬は走りませっせ。この馬の毛並みがつやつやとよさそうですな。馬体重も+8kgで、いい感じに成長しています。パドックでも足が自然に前に出ています。このクラスなら馬群のどこからでもさせるでしょう。道中折り合いさえつけば、ほぼ間違いないでしょう。いい仕上がりです。」などなど、もう、ほんまなんか?ホンマに走るンか?と煽られまくり(笑)。


地域の農業関係の事務の引継をするために、AppleのpagesやNumbersで作っておいた書類をWordとExcelの書類に変換して、USBメモリに入れて次の役員さんの家に持って話をしていたら、ちょうどフェブラリステークスの時間が迫ってきたので、一緒にテレビ中継を観ることになった。次の役員さんも僕と同じ日に生まれた同級生なので気楽なのだが、彼も昔、競馬をやっていたというのでありました。うーむ。圧倒的一番人気の馬、あかんがな。強い馬なんでしょうが、上手には走れませんでしたな。


これも先日の日本農業新聞に載っていた郷土料理研究家 奥村彪生氏の文章。以下その要約。

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日本人はことのほか生食を好む。 NHK放送文化研究所世論調査部編『日本人の好きなもの データで読む嗜好と価値観』(2008)によると、第1位すし(にぎり)、第2位刺し身とある。
にぎり寿司のネタの多くは生の魚介類の切り身である。ということは魚介類の生食がダントツということになる。
刺し身には魚介類だけではなく、牛肉やそのレバー、馬肉、鶏肉なども用いる。生卵まで食べる。この生卵は江戸の川柳に「生玉子醤油の雲に黄身の月」と謡われている。日本人の生食嗜好のルーツを遡ると弥生の頃、いや、縄文時代にまで行き着く。
女王卑弥呼が活躍していた頃、倭の国の一端を見た中国の歴史家である陳寿は「倭人は生菜を食べる」と『魏志倭人伝』に記述している。
当時、中国では生魚を膾にして食べるのが当たり前であったが、野菜は全て加熱した。倭人が生野菜を食べているの珍しかったので、トピックスとして記述したのである。
奈良時代になると生魚の身を切って食べる料理を「割鮮」といった。猪や鹿の肉を食べるのも生宍(なましし)といった。この生宍がなまってなますになり、中国語の膾を当てた。牛や犬まで生で食べているのだ。もちろん、生野菜も食べている。その証拠にこれらに寄生する寄生虫の卵が飛鳥古京、藤原京跡のトイレ跡から発見されている。
生食にはリスクが伴う。それを防ぐために鮮度を最優先した。次に臓物を除去して体と共に腹部を清浄な水を使い、洗い清めた。切るまな板も同様にした。魚の身や肉を刀子(とうす)で美しく切り、器に美しく盛った。これを料理という。食傷を防ぐために搗き砕いた蒜(ニンニク)を二杯酢に加え、これをつけて食べた。
「醤酢(ひしおす)に蒜(ひる)つき合てて鯛願ふ我にな見せそ水葱(なぎ)の羹(あつもの)」と『万葉集』にある。
平安時代になると生姜や山椒、ワサビ、葱、韮、ノビル、カラシが加わる。これらの薬味が防虫抗菌をして、生食の安全性を高めた。この伝統が今も続く。
日本では豆腐や麺類(冷やしそうめん、ひやむぎ、冷やしうどん、ざるそば)など刺し身感覚で食べる。これらに添える練りカラシやおろしワサビ、辛味大根おろし、おろしショウガ、刻みネギなどは、水道水が普及するまでの井戸や湧水、川の水からの食傷を防ぐために用いた。
日本の生食文化を支えたのは清らかな水である。その水を育んだのは世界有数の森林率を誇る日本の森林。稲作も米の飯も野菜づくりも、ダシや酒も清らかな日本の水に支えられている。日本食は清めの文化だ。
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清らかな水。清らかな土。清らかな太陽の光。われわれの先祖が守り続けて来たもの。われわれが守っていかねばならぬもの。なんにも難しい話ではない。


ひな人形を出す。ま、ええもんですな。


今月の『現代農業』の特集は「続 トラクタを120%使いこなす」で、なかなか読みごたえがある。ような気がする。


夕方から家族で和風ファミレスへ食べにでる。僕は生ビール二杯となめこたっぷりんの味噌煮込みうどん。


伊集院静『大人の流儀』(講談社)読了。うーむ。ま、こんな感じだろうな、と思っていた通り。だが、それはそれで楽しめる。
開高健山口瞳池波正太郎にも、同じようなタイプの文章があるが、ま、なかなかそのようには生きられない。