現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

菜の花の播種の準備と丸谷才一についてのちょっとしたこと

発酵鶏糞の散布

15日(月)
来年の無農薬有機栽培に向けて、そろそろナタネの播種をしなければいけないので、今日はあれやこれや準備して、発酵鶏糞を田んぼに撒いた。反当たりだいたい250kgほど。有機肥料の匂いって、ほんとに香しい(笑)。
終日、コンポキャスターで撒く。


夜、メールの句会の選をする。今月もたくさんいい句があって、遅刻して無理やりひねり出した自分の句が、ちょっと辛い。


16日(火)
今日も昨日の残りの発酵鶏糞を撒いて、その後は圃場を起してまわり、それから排水用の溝を切って回る。
本当は溝を切ったあと、溝と溝をちゃんとつなぐ作業までするつもりだったが、日没で、作業ができずに終わる。明日は午後から雨の予報なので、朝のうちに溝をつなぎ、午前中に菜の花の播種をする予定。


丸谷才一が亡くなったので、今日も偲ぶ記事や文章があちこちで発表されている。僕の中で丸谷才一といえば、『文章読本』(中公文庫)と『新々百人一首』(新潮社)です。『文章読本』というタイトルの本はたくさんありますが、ま、丸谷才一のが一番です(笑)。
学生時代のある時、文章読本にはまったので、あれこれいくつも読んでみましたが、もちろん谷崎のもいいのですが、うーむ、再読、三読したのは、丸谷才一の方でした。書いてあることは、一言でいえば「名文を読みなさい」ということだったと思いますが、引いてあるその名文の例がよかったのかな。と、言いつつ、文庫本を本棚で探しているのだが、見つからない。なぜだ?
もう一つ『新々百人一首』は力作です。読んでいて、つくづく面白く、新しい世界が次々ひろがっていく感じがしたものです。こんなスゴイ本、ちょっと他人には紹介できないな、と思ったくらいです(笑)。僕はカルタや小倉百人一首には、いささかコンプレックスがあったのですが(笑)、この本を読んで、ま、いいか、丸谷才一百人一首を読んで知っているんだから、と思ったのも覚えています。うーむ。でも再読はしてないなぁ。
例えば、今、ふと思い出したのですが、和泉式部の項では「黒髪のみだれもしらず打臥せばまづかきやりし人ぞ恋しき」という有名な歌が取り上げられているのですが、歌のエロチシズムを、なんだかはじめてよくわかったという気がしたものです。その他、いろんなところで和泉式部の歌が紹介されているし、その頃には『和泉式部日記』も少し読んではいたのですが、この人の歌のうまさ、という以上に、人間としてのすごさ、面白さを感じたことでした。


こうして考えてみると10年に一作という長編小説は全然読んでいないことに気がつく。『女ざかり』は書評を読んで随分気になったのでしたが。


今日の読売新聞の1面の「地球を読む」というコラム記事に英国の歴史家というポール・ケネディ氏が「世界共通の問題 水資源の枯渇 最大の脅威」という文章を寄せている。日本農業新聞ではレスター・ブラウン氏がもう8年ほど前から、水が危ないと書きつづけています。日本はまだましなのでしょうが、それでも天候は、極端というか、激しいというか、そういう傾向だという感じはあります。砂漠化って、あまり日本では話題になりませんが、日本が砂漠にならなくても、近隣で砂漠化が進めば、少なからざる影響がでます。一百姓の出る幕でもないのですが、10年、20年経って、老境という時に、ややこしいことにならないか、ちょっと心配したりします。