現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

レスター・ブラウンの文章と達筆のお手紙


朝のうちは時々晴れ間もありましたが、基本的に午前中は曇り空。お昼過ぎにちょっと雨。1時間ぐらいで雨は上がりましたが、曇り空。
朝から麦の播種。でもお昼過ぎの雨で、これは今日はもうできないかな?と思ったのですが、思いのほか早く雨も上がったので、15時から麦の播種を再開。農作業をしていると、ときどき、こういう嫌がらせのような、意地悪な雨に降られることがあるのです。


アースポリシー研究所所長 レスター・ブラウンの「食糧危機を回避せよ」という文章が日本農業新聞に載っていた。以下、そ要約。

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今年の米国の大干ばつは、トウモロコシ価格を史上最高水準に押し上げた。既に10年前の2倍になっている食糧価格は、一層の値上がりは避けられない。食料余剰の時代は終わり、慢性的な不足時代への移行が加速する。世界中で食料をめぐる争いが激しさを増し、石油ではなく食料の確保が各国政府の大きな関心事項となる。
これからは食料が「石油」で、農地は「金」となる。新しい食糧地政学の幕開けだ。
子ども支援を行う国際非営利団体の最近の調査によると、インドで24% 、ナイジェリアで27%の世帯が「食事抜き」の日を過ごしている。数百万の子供たちが極限の空腹状態に置かれ、学校に登校することもできず、肉体・精神的な成長を妨げられている。豊かな国では影響の小さい食料価格の値上がりは、貧しい国の人たちを直撃する。
食料需給の安定には、様々な困難な課題が立ちはだかる。
需要側の最大の問題は、毎年8000万人増える世界人口だ。計算では毎日21万9000人が新たに食卓に座ることになる。その人たちの前には、ほとんど空っぽの皿しかない。
経済成長に伴って食肉消費が増えれば、飼料となる穀物需要はさらに伸びることも見逃せない。新興国では、少なくとも30億人が穀物から食肉摂取に切り替え中だ。既に中国の食肉消費量は米国の2倍もある。
穀物バイオ燃料に使うことも深刻な問題だ。米国の2011年穀物生産量は4億トンで、うち1億2,700万トンはエタノール製造に仕向けられている。
一方、供給面では古くて新しい土壌浸食の脅威がある。世界の耕地の3割で、自然回復が間に合わない速さで、豊かな表土が失われている。中国の北西部と中央アフリカ地域では、巨大な砂塵地帯も新しく生まれた。
表土喪失と同時に次の3つの問題が進行する。
第一は過剰な地下水の汲み上げによる帯水層の枯渇だ。中国、米国、インドを含む世界人口の半分を占める18カ国で、帯水層が枯れ、感慨用の井戸が使えなくなっている。米国ではカリフォルニア、テキサスといった農業州でさえ帯水層の消耗が進む。
第二は穀物の単位収穫量の伸び悩みだ。先進国で数十年間着実に伸びていた穀物単収が近年、頭打ちになっている。日本では米の単収が17年間向上せず、韓国と同様に1haあたり5トンのまま横ばい傾向が続く。日本の単収に近づいている中国の単収もじきに横ばいになるだろう。欧州の3大小麦生産国であるフランス・ドイツ・英国でも10年以上単収が増えていない。
そして地球温暖化が追い打ちをかける。従来は極度の干ばつに見舞われても、次の収穫期には正常に戻るのが普通だった。ところが、今では正常と呼べる気候がなくなってしまったのだ。
作物生育生育期に理想的な温度に比べ1度上昇すると、少なく見積もっても穀物収量は10%減る。米国では1度の上昇でトウモロコシとダイスの収量が17%減になるという試算もある。温室効果ガスを削減しなければ気温の上昇は止まらない。
食料需給の安定に向けて、今後重要になるのは、気候変動を防ぐためのエネルギー政策と、人口増を抑制する家族計画政策だ。気候と人口を安定させなければ、食糧危機は解決しない。これにを多くの人たちの理解と支援が必要だ。
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レスター・ブラウンのの文章って、日本の農業のことではなく、地球規模の話が多いので、実感がわくような、わかないような。でも百姓である僕が感じている日本の気候の変化は、たぶん地球規模の大きな変化の流れの中にあるのでしょうね。地域の先祖がみんなで開拓した農地は、いままでからして「金」ですけれどね。


万年筆を買ったところ、恩師から今ではもう手に入らない最高級原稿用紙をいただくという光栄に浴したので、お米を買っていただいたお客様には、手書きのお礼状を一緒に入れるようにしています。そうするようにしてから、達筆のお返事のお手紙を、時々、いただくことになりました。
会社ではなく、家庭で使うパーソナルなコンピュータを、何にどう使うのか、というのが一昔前には話題になる時がありました。もちろん仕事を家に持ち帰ってしなければならないことも、今でもあると思いますが、情報の漏洩や流失事件もあったりして、いまでは仕事を家に持ち帰れないようになってきているのでしょうね。
そうなると家で使うパーソナルなコンピュータだとネットのブラウズやメール。それからデジカメで撮った画像やビデオの加工と管理。あとはmp3なんかの音楽データの管理とか。それらが中心になるのではないかしら。あと他人にみせるちょっとした文書なども、うーむ、わしの下手な字の手書きじゃ、読みにくかろうし恥ずかしいぜ、と印刷して清書とするというのもありますね。
辻井農園でも注文をいただくのは、ほとんどがホームページからとメールです。ホームページからですと住所や電話番号など、毎回書き込んでいただかないといけないので、二回目、三回目とご注文をいただいている方には、直接メールからも注文をお受けしております。メールだと時間や場所や相手のことをあまり気にすることなくとにかく送っておけば、相手の都合のいい時に読んでもらえるからちょっと気楽だったりします。携帯電話に電話する時は「今、ちょっとしゃべっても、ええかな?」と最初に断りをいうのも定着してきましたね。
郵便物もなんだかすごく量が増えてきていますが、ほとんどが会社なんかの営業のダイレクトメールだったりで、昔ながらの手書きの私信というか、手紙や封書というのは、ほとんどなくなりました。


ですから今日みたいに達筆のお手紙を受取るとちょっとドキドキしています。(いただいた手紙の差出人のところには、○○○内とあるんですよ。知識として知っていましたが、実物を見るのは初めてでした。しかも封筒も便箋も和紙ですし。だいたい考えてみると、夫の代筆で妻が手紙を書きました、という体裁も奥ゆかしい感じがしますね。)
でも、達筆だから手書きの手紙も書ける、というのもありますよね。というか、あまりにコンピュータのフォント文字ばかりを見てきているので、最近、大人の手書きの文字だとなんでも達筆のように見えてしまう、というように自分がなってきているのかもしれない。
あ、いや、まあ、自分の字だけは、別なんだなぁ。「最近、少し字が変わってきましたか?」と一度言われたことがあるのですが、相も変わらず、字を書いているのか、恥をかいているのか、わからないような状況から抜け出せません。いやはや。


というわけで、お客様からの声をうれしく読ませていただいた、ということなのですが、ホームページの「お客様の声」も近々、更新予定です。いや、「近いうちに」更新予定としておきます。